2012年11月30日金曜日

のどの構造と睡眠時無呼吸症

昨日のつづき。


繰返しになるが、、

爬虫類と違って、哺乳類では気道と食道が交わるので、その間の弁(喉頭)が必要になる。

通常の哺乳類ではその喉頭が喉のすぐ近くにあるため、嚥下の際には喉頭が下がって食物が食道に間違えなく落ちる。

しかしヒトの場合には喉頭が食道のかなり下にあり、その開閉がより難しくなっており(と言ってもわれわれは通常意識することもなく開閉している)、そのため時々食べ物や飲み物が気道に入り噎せる。



悪くすると肺の方に食べ物が入って窒息することになる。

この構造はどう割り引いてみてもエレガントとは言えず、ダーウィンをしてなぜこんな構造に人の体が進化したのかと悩ませた。


さらに、中年以降、筋力が落ちてくると、喉頭の後退が原因で、睡眠中に舌によって気道が繰返し塞がれる「睡眠時無呼吸症候群」のトラブルに見舞われることになる。


http://www.google.co.jp/imgres?q=睡眠時無呼吸症候群&um=1&hl=ja&safe=off&sa=N&tbo=d&rls=ig&biw=1070&bih=702&tbm=isch&tbnid=_Hh6LWZbH_v-9M:&imgrefurl=http://www.chiba-sas.jp/snore.html&docid=ymvqwbanR3PQfM&imgurl=http://www.chiba-sas.jp/img/il-3.gif&w=440&h=240&ei=W7i4UNzvA6j2mAXwgoGYAQ&zoom=1&iact=hc&vpx=119&vpy=284&dur=40&hovh=166&hovw=304&tx=123&ty=75&sig=100031195492899676700&page=1&tbnh=133&tbnw=241&start=0&ndsp=21&ved=1t:429,r:17,s:0,i:132

睡眠時無呼吸症候群の症状としては

• 就寝中の意識覚醒の短い反復、およびそれによる脳の不眠
• (家族などが気づく)睡眠時の呼吸の停止
• (家族などが気づく)大きな鼾(いびき)など
• (家族などが気づく)夜間頻尿(2型糖尿病になりやすくなる)
• 起床時の頭痛
• 昼間の耐えがたい眠気(いねむり運転中になりがち)
• 抑うつ
• 集中力の低下




これにより、レム睡眠が邪魔されて睡眠が浅くなり、起きても慢性的な疲労感に悩まされることになる。


ヒトの特殊な喉頭の構造が引き起こしており、人類病と言える。

(Fate/Zero、はた迷惑なライダーの豪快ないびき)
だがこんな寝方をしてみたい笑




うつ伏せ寝、乳幼児突然死症候群


それと乳幼児突然死症候群(SIDS)も喉頭の後退と関係が深い。

以前のブログでも触れたが、ヒトの場合にも生まれたての乳児はサルと同様に喉頭は口に近い位置にある。そのため、鼻で息をしながら口でおっぱいを吸える。大人は食べ物を呑み込みながら呼吸できない!

http://ushitaka7.blogspot.jp/2012/11/blog-post_2.html

しかし、乳児が育ってゆくに従って喉頭が喉の奥へと下がってゆく。

その結果、今までできていたことができなくなる。
つまり、それまで無意識にできていた呼吸を意識的に(といっても自転車に一旦乗れるようになったらまた無意識にできるようになるが)やらなければならなくなる。

1990年くらいまでは、吐いた物が喉に詰まりにくい、という理由で日本を含め先進国では、うつ伏せ寝が推奨されていた。
またうつ伏せ寝だと赤ちゃんの頭の形が変形しないと喧伝されていた。


喉頭が下に落ち切らない中途半端なその時期に赤ちゃんがうつ伏せ寝させると、口蓋垂(のどちんこ)が気管の入口に嵌り込んでしまってそれが窒息死をもたらす。

しかし、死後に赤ちゃんが抱き上げられ動かされると喉頭から口蓋垂が外れてしまうので解剖しても死因が分からない。

乳幼児突然死症候群はヒトの特殊な喉頭によるもので、他の哺乳類には見られない。


うつ伏せ寝と乳幼児突然死症候群の関連が1986年に指摘されると、西欧で赤ちゃんを仰向けに寝かせようというキャンペーンが行われた。

その結果、イギリスでは1994年には5年間で乳幼児突然死症候群による死亡が70%も減少した。

うつ伏せ寝は一時の間違えた奨励だった。

ずっと何百万年も人類によって続けられてきたことを、ある医者のちょとした思いつきで変更してもいいことはないという好例だ。


こうやって、日がな一日寝ていたい、のだが。。






2012年11月28日水曜日

しゃべること、歌うこと、息をすること

我々人間は普段、息継ぎを考えずに喋っている。

喋っている時には息を吐き出しているから、息継ぎしないと苦しくなる。

その時、喋ることと息を吸うことをどちらを優先するか? 

などと考えながら話す人はいない。

でも実際には、言葉や文章を途切れなく話すために呼吸を多少とも犠牲にしている。

息継ぎが特に意識されるのは歌を歌う時。

息継ぎの難しい歌の時は特に意識しないとならない。

アリプロの曲は息継ぎやばす

つまり言葉を喋るためには、意識的、無意識的に呼吸を調節できなければならない。

ヒトは呼吸を自律的に止めることができるし、オペラ歌手は息継ぎの際に予め息を沢山吸っておく。

呼吸を意識的に行う。

こんなこと、簡単だろう? と思うかもしれないが、他の霊長類はできない。

他のおサルさんがしゃべれないのは、喉の構造や知能が問題(チンパンジーに教えれば手話はできる)ではなくて、この意識的な肺呼吸の制御ができないからなのだ。

ヒト以外でこの能力をもつ動物はというと、、

それは水に潜る種だけだ。
水棲の鳥、水棲の爬虫類、水棲の哺乳類だけが呼吸を意識的にコントロールできる。
アザラシやイルカは潜る深さに従って予めどれだけ空気を吸ったらよいかをちゃんと分かって、それを行っている。

呼吸の意識的なコントロールは、水中に潜る動物には必須である。

潜る前には予め沢山息を吸っておき、潜っている間は息を止めていなければならない。


つまり、ヒトも昔水棲生物だったからその能力を今に伝えているのではないか。

ヒトが喋れるようになったのは、ヒトがこの意識的に呼吸ができるという能力をすでにもっていたからなのだ。

とエレイン・モーガンは考えている。


ヒトの特徴を、全てアクア説で説明しようとするところが、すげー、すげーよ、まじすげーよ、モーガンさん!(笑)

Fate/Zero
雨竜龍之介「すげー、すげーよ、まじすげーよ、旦那!」





2012年11月27日火曜日

あなたの風邪はどこから?

アクア説の続きで、今回は再び喉の話し。


爬虫類の口は食べるための専用である。

爬虫類は肺への空気の入口は鼻のみであり、胃袋への食べ物の入口は口のみである。

気道と食道は交わっていない。

そのため、爬虫類では口から呼吸できない。

その代わり、食べ物や飲み物が肺に入って噎せることは絶対にない。

一方、哺乳類ではこの二つの気道と食道は緩やかに連結している。

これは声を出すには便利である。

空気を口から吐き出し鳴くことができる(爬虫類はそのため鳴けない)。

犬は鼻から息を吸って(その時に臭いを嗅ぐことができる)、口から吐くことができる。
喘ぐ時にも口からは息を吐くだけ。
口からは吸えない。

鼻の詰まった猫が苦しそうなのはそのため。



哺乳類に限らず陸上の脊椎動物は鼻から息を吸うように進化してきた。

鼻から空気を取り込めば、鼻腔内に生えている鼻毛がフィルターの役目をするため、大気中の細かい塵は肺まで到達しない。
また空気は温められ湿り気を与えられ、粘液中の成分によってある程度殺菌されて肺に届く。

ところが人間の場合、運動したりしゃべることでどうしてもある程度は口呼吸してしまう。

口から空気を取り込むと、この機構が働かないため肺に負担がかかる。

その結果、喉や肺の感染症を引き起こしやすい。

風邪で喉をやられやすくもなる。

マスクは大事だが、このキャスターのアイマスクは、、笑



2012年11月26日月曜日

女性のバスト

(前回の続き)

女性の乳房(バスト)は、9割の脂肪組織と1割の乳腺組織からなる。



乳汁をつくるのは乳腺組織だから、女性のバストのほとんどはお乳を出す機能には関係ない見かけ倒しのまがい物のようなもの。

バストの大きさとお乳の出の良さとは関係ないのもそういう理由から。

つまり、女性のバストが脂肪でかさ上げされているのには別の理由がある筈。

ではその理由とは?

それは人間が体毛を失ったことと関係があるのではないかとエレイン・モーガンは考えている。

母親の体毛がなくなると赤ちゃんにとって困ることがある。

おっぱいを飲もうにもお母さんに摑まるところがなくなるから。

生まれたてのお猿の赤ちゃんはお母さんの体毛にちゃんと摑まることができる。

さらに人間の赤ちゃんは超未熟児状態で生まれてくるために、頭を支えてあげないとお乳が飲ませられない。

そのためお母さんはひざにのせて両腕で赤ちゃんをだっこして乳を飲ませなければならない。



お母さんにとってもし乳首が上に今よりももっと上にあったらそこまで赤ちゃんの唇をもちあげなければお乳をあげられないし余計に腕が疲れる。

もし乳首がもっと下にあったとしたら、、膝に赤ちゃんを置いて頭を抱いてお乳を与えるのがより容易になるだろう。

つまり、バストが大きくなって垂れれば、より下に乳首の位置が下がりお母さんにとっても赤ちゃんにとっても都合がよくなる。

つまり女性のバストが大きくなったのは、赤ちゃんの授乳対策ではないかということだ。

それが証拠に、類人猿では胎児の時期に乳首の位置が上がるが、ヒトではその時期に乳首が下がる。

大きいバストは垂れやすく、垂れやすいのが乳を飲ませやすい、いいおっぱいということになる。

まさしく、垂乳根(たらちね)の母。

バストが垂れることは女性にとって好ましいこととは思われていないが、もともとが垂れるためにあるのなら仕方ない、か。

(まがい物かもしれないが、偽物語)



2012年11月25日日曜日

白川静による漢字の成り立ち「取」

白川静(男性です)は漢字の成り立ちを甲骨文字から洗い直した第一人者である。

http://ja.wikipedia.org/wiki/白川静

中国古代殷の時代、甲骨文字として突如漢字は現れた。
それは神と人間との対話、占いに用いられた。

殷は占いにより政治を行う国家であり、そのため多くの生贄が捧げられていた。
殷墟からは沢山の首のない人骨が出土している。

現代の感覚で言えば、結構恐ろしい成り立ちの漢字が多い。

例えば、右手を洗わす「又」。


これに、「耳」がつくと「取」になるが、これはもともと、戦争で敵兵の耳を切り落として、何人敵をやっつけたかの証拠にしたことに由来しているという。
その行為を「馘耳(かくじ)」と言った。首切りのことを「馘首(かくしゅ)」というように。



もっとも耳を多く集めた者を「最」と呼んだ。

これは戦場で切り取った耳を袋に詰めている形である。


「撮」の元の字が「最」。
「撮」も切り取った耳を摘み持つという意味が字の始まり。


これらは『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(共同通信社・小山鉄郎)による。

よく思うのだが、小学生にこの成り立ちを教えたら、インパクト強過ぎて記憶に鮮明に残るだろうけど、漢字が嫌いになりそう。


漢字の好きな人にはお薦めの入門書。



2012年11月24日土曜日

グレコ

エル・グレコ、現在、大阪で展覧会が催されている。

これはギリシャ人という意味であだ名。


その画風は独特。


人物がたわみながら引き伸されている。

ジャコメッティも影響を受けているのでは笑

『無原罪の御宿り』

マリアが男と交わらずに子をなしたとされるイベントの題材。
これまで知られている中では、哺乳類では唯一の単為生殖。

子供が偉くなるとお母さんの不義まで浄化される好例。


『受胎告知』

キリストはその因果で磔に。

『聖衣剥奪』


これらの絵は勿論祭壇画として書かれ下から見上げるとちょうどいい具合に均整がとれるということもあったのであろうが、グレコ自身は11頭身でもよいと言っている。

縦横比のみならず、グレコは単色の着衣を画中でぶつけあい力強い効果を齎した。




グレコには是非マツコをグレコ風に縦長に描いて欲しかった。






2012年11月23日金曜日

女性の胸につく脂肪

そして女性の脂肪といえば胸部の脂肪を避けては通れない。

女性のバストがこれほど大きいのは、近縁種を見回してもヒトだけ。

ホルスタインとか、ヤギとか乳を搾るために飼われている哺乳類はともかく、ヒトの女性の胸の異常な大きさは謎とされてきた。

(ゆきちゃん)


性淘汰の理論では、豊かなバストは沢山のお乳を出す事を想像させる看板であり、男性からしたらよき母になることを期待させるような効果があったのではないか、と考えられている。

そんなことを言えば、他の哺乳類全てが巨乳にならなければならない(笑)

そうなっていないのは、ヒトに特別な事情があったことを意味する。

その特別な事情というのを二足歩行に求める向きもある。

人は二足歩行するようになって対面で向かい合うことになったため、性的なシグナルを体の前面に配置する必要があったのではないかというもの。

仮にもしそうであったとしても、実は胸の脂肪と乳の出る量とは相関はない。
つまり、看板にはなり得ない。

ネズミからライオンに至るまで、一時に何匹も子供を育てる動物のおっぱいは小さい。

おっぱいに蓄えていた養分を乳に変えているのではなくて、餌を沢山食べてそれが血流に乗って乳腺に渡され乳になっている。

人間の場合もおっぱいの脂肪を乳に変えて赤ちゃんに与えていたら、乳房はみるみるしぼんでしまう。

ではどのような理由で女性の胸は大きくなったのであろうか?
(以下次号)

今期は期待をしぼませないアニメが多し




2012年11月22日木曜日

女性の皮下脂肪

今回も皮下脂肪の話しの続き。

若い男性の体脂肪率が平均で15%であるのに対して、若い女性では27%である。

さらに年齢とともに太る傾向のある西洋では、中年以降の男性の平均体脂肪率が28%まで上昇するのに対して、女性では40%にもなる。

このように女性の方が脂肪(皮下脂肪)を溜めやすい。

その理由は女性の方が子育てするからエネルギーを必要とするから(皮下脂肪をいざという時にエネルギーに変える)、という説がある。

確かにそうであろうが、それだけであろうか?

女性は男性より、「体毛が少なく体脂肪が多い」という水棲哺乳類の性質をより強く持っている。

ということはこれまでの理屈から言えば、女性の方がより太古水棲生活に適応していたことを示唆している。

事実、女性が唯一男性を凌駕するスポーツは遠泳である。

エレイン・モーガンは、女性の方が太古人間の祖先が水棲生活を送っていた時に、海産物を集めたりするのが女性の仕事であったのではないかと考えている(その間に男は陸上で獣を追っていたのか? まさか遊んでいたということはないよね)。

今でも海に潜って鮑を採ったりするのは海女さんである。

徳島大学の調査によると、女性は皮下脂肪が厚いために体温が奪われにくく長時間水に潜ることができることが裏付けられた。

志摩半島では海女漁が盛んだが、昔は真冬でも裸で海女さんが潜っていた。

皮下脂肪、恐るべし! 
皮下脂肪、万歳!

そう言えば、人魚は女のイメージ

勘弁して欲しい、男の人魚(笑



2012年11月21日水曜日

脂肪がついててうれしいな (^o^)/

前回、皮下脂肪が水棲動物における水中での体温保持に有効であるという話しをした。

しかし、脂肪の役割はそれだけではない。

脂肪がついていると水に浮きやすい。

あれだけ陸上競技で大活躍している黒人があまり水泳で活躍していないのは、皮下脂肪の少ない黒人が水に沈みやすいというのも一因(人種差別が尾を引いているという意見もあるが)。

黒人が熱い地方に適応した人種であることと皮下脂肪が薄いことは関係があるだろう。

アザラシ、セイウチを比べたところ、水面近くで餌を採るアザラシは浮力を得るため比較的分厚い皮下脂肪を持っているのに対して、海底で餌を採るセイウチの皮下脂肪は比較的薄い。

これも皮下脂肪が浮力に利用されていることの証拠。

猿になくヒトにある皮下脂肪。

太古ヒトの先祖が水辺で食糧を獲る際に人の皮下脂肪が役立ったのではないか、とエレイン・モーガンは考えている。


類人猿は水中に落ちると浮きにくい。
比重が0.9875であればじっとしていても水に浮くのだが彼らの比重はこれよりも重いからだ。

人の場合はほぼこの値になっており、肺に空気を入れているか出しているかで浮き沈みを調節できる。

(しゃきーんあざらし)


皮下脂肪率とか言っているが、あまり少ないと水に落ちた時に溺れやすいぞ! 笑

(アニメに溺死)





2012年11月20日火曜日

タイタニックでなぜジャックは死んだ?

ほとんど全ての哺乳類が体毛を持っているのに対して、トド、イルカ、クジラなどの水棲哺乳類は体毛を失っている。

なぜかというと、泳ぐ際に体毛は水の抵抗を受けて邪魔だからだ。

水泳選手が脱毛処理するのも同じ理由。

でも水の中は体温よりずっと温度が低い。

体毛を持っていた方がよいのでは?、と思うかもしれないが、服を着たままでも冷たい海に落ちれば体温が奪われて死ぬように、水中では体毛の保温効果はほとんど期待できない。

その代わり水棲哺乳類では、皮下脂肪を厚くして体温を奪われるのを防いでいる。

石油が取れる前には、クジラから鯨油(皮下脂肪)をとっていた。
そのくらい、皮下脂肪をたくさんクジラはもっている。

このように、水中哺乳類は水中生活に適応するよう、毛を失って皮下脂肪を厚くしたのだ。

はて、このクジラと似た陸棲哺乳類が身近にいたような、いなかったような。

あったような、なかったような。。

そう我々人類である。猿は厚い皮下脂肪はもっていない。

アフリカで進化したヒトの祖先は、体毛を失うことで熱いアフリカでも体温を効率よく下げることに役立ったのではないか、という説が有力だった

しかし、以前このブログでも紹介したように、熱いアフリカで相変わらず他のお猿さん達は毛を失っていないし、動物で毛を剃る実験をしたら逆に直射日光を浴びて体温があがってしまった。

毛を失っている陸棲哺乳類はヒトの他にはカバ、ゾウ、サイ、ブタの類いだけだ。

実はこれらの動物も化石から全て太古、水中生活を送っていたことが明らかになっている。

ヒトだけが例外というわけではあるまい。

つまり、ヒトも太古水辺で暮らしていたのでは?? とエレイン・モーガンは言う。

ヒトの場合、多くの水棲動物同様に皮膚と皮下脂肪が一体化している(ブタもそう)。

それに対して、ウサギやイヌや多くの動物では、皮膚は皮下組織から完全に離れていて、皮を剥く時もするりとむける(お猿さんも同じ)。

タイタニックでも客船から冷たい海に落ちた場合、女性の方が皮下脂肪を持っているため断然有利である。

そう、ジャックは死ぬべくして死んだわけだ。脚本家の意地悪ではなく。


人間の進化に貢献した(らしい)皮下脂肪、万歳! と言わせてもらおう。




タイタニック



2012年11月19日月曜日

人の二足歩行の由来は?

二足歩行は四足歩行より素早く動けない。

これは攻撃する時にも、逃げる時にも不利になる。

さらに二足歩行は四足歩行に比べて約2倍の移動エネルギーを要する。

さらに二足歩行になったために、腰痛、ヘルニア、痔、等の様々な病気に悩まされることになった。

哺乳類はもともと二足歩行使用に体ができていないから、それらは当然のことと言える。


ではなぜそのような逆境にもめげずに人間は二足歩行するようになったのであろうか。

いくつかの仮説を挙げる。

(1)頭が発達したので思い頭を効率よく支えるため。


人類の遠い先祖であるアウストラロピテクス(400〜200万年前に棲息)はすでに二足歩行していたがチンパンジー程度の脳しかもっていなかった。



(2)道具や武器を手にもつようになったから。

アウストラロピテクスが道具を使っていた証拠は見つかっていない(だからといって使っていなかったとは言えない)。

(3)ミーアキャットのように立ち上がることで遠くまで見晴らせることができるようになってそれが歩行に繋がった。

しかし立ち上がり遠くを見晴らせるようになることと二足歩行は全くの別物。二足で立ち上がる哺乳類は多くてもそのまま歩くものは人だけだ。

このように従来の説は今では旗色が悪い。



その他にも、(3)長距離を移動するのに便利だった、(4)立ち上がって体を巨きく見せて相手を威嚇するため、等々、色々な説が出ては消えていたった。

結局、アクア説が一番有利である、と筆者は言う。

エレイン・モーガン著


水辺で暮らした人類は水の浅瀬を歩くために立って歩く訓練を積んだのではないか、と考えている。

アクア説からみる人類進化、続きは次号。

ヱヴァ初号機は四足歩行もします








2012年11月18日日曜日

綾波とクローンとiPS細胞と生命

Qが絶賛公開中であるが、綾波レイについて今回は採上げる。
(Qのネタバレは含まないのでご安心を)

日本で一番有名なクローン人間は綾波レイ(世界でも早くそうなるといい笑)。



クローン技術そのものはすでに家畜では応用されていて、倫理的な問題から人間では応用されていないがやろうと思えば(どこかの富豪が)実現可能な技術である。

まだ公式には確認されていないがすでにこの世の中にクローン人間がいても全くおかしくない。先進各国ではクローン人間をつくること、それに繋がる研究を禁じている。

ヱヴァでは綾波がクローン人間であることが示され、クローン人間がどのようにゲンドウに扱われたかを通して、クローン人間には人格がないことが描かれていた。

もしクローン人間が法律を無視して作られたとしたら、やはり制作者のなんらかの悪意を含んでいる。オリジナルをクローン人間のために使うという発想はオリジナルの人間にはないから。

さらに、ノーベル賞をとって期待がさらに高まっているiPS細胞ではあるが、最近、iPS細胞から精子と卵子が作られ、それを用いて子供が生まれることがマウスで報告された。

不妊に悩む人への福音と期待されているが、自分の皮膚の細胞からiPS細胞ができるから、つまり、自分の皮膚の細胞から赤ちゃんが生まれる様なもの。

この不妊治療法の不自然さに嫌悪感を感じてしまう人も多かろう。

科学が不自然なことを行うから、生命とはなんぞ?というやっかいな問をまた一つ人間は背負い込むことになった。

命!



2012年11月17日土曜日

本日開演:えゔぁまつり

ヱヴァQ初回をさっそく見た。

ネタバレになるので内容は書けないが、見てからどうこう是非言って欲しい!

次回最終章でのカタルシスに向かっての大きな展開であることは確か!

と信じる(`・ω・´)


今日は東京に行くのでEVA STORE TOKYO-01にも寄ろっと (^o^)/

http://www.evastore.jp/real/test/index.html

えゔぁまつり中

2012年11月16日金曜日

エイズとペストとふっくら体型とプレゼント

西洋人の中にはエイズウイルスに感染しても発症しない人がいる。

2種の異なる病原菌がたまたま同じ機構で細胞に感染する場合には、そのうちどちらかの病原菌にかかりにくい家系の人は、もう一つの方の病原菌にもかからないことになる。


実は、エイズウイルスもペスト菌もマクロファージと呼ばれる白血球の細胞表面にあるケモカイン受容体と呼ばれるタンパク質を足場に細胞に侵入する。

ヨーロッパを何度も襲ったペストの嵐を生きのびた人の中には、このケモカイン受容体が変異してペストがマクロファージに侵入されなかった人がいた。

その人の子孫は、エイズウイルスにも感染しないという理屈だ。

大昔の先祖に吹き荒れた嵐の記憶が遺伝子にも刻まれており、子孫の病気の発症に大きく影響を及ぼすいい例だ。


この例がどちらの病気にも対抗できるよい遺伝子だとすると、肥満の遺伝子はちょっと話しが異なる。

飽食の時代と言われる現代こそ肥満しやすい遺伝子は悪者扱いされるが、食糧が豊富でなかった長い人類の歴史の中で(お猿だった時代も含めて)、食べた養分をあまり浪費せずに皮下脂肪に溜め込むという遺伝子をもっていた人は生存に極めて有利だったはずだ。

肥満の原因遺伝子はすでに見つかっているが、その遺伝子は先祖が子孫に残してくれたかけがえのないプレゼントである。


(Evaは数年に1度のビッグプレゼント笑)
とうとうEVA03も明日です

自分はやせ体型なので、今、急に飢餓の時代になったらひとたまりもない。
どうしてこんなやせ体型の遺伝子が残っているのか大いに疑問だ(´・ω・`)

そう遠くない将来、人口爆発による食糧問題で世界は大変なことになると思っている。

再び、ふくよか遺伝子(肥満遺伝子、っていうネーミングもなんだかなぁ)がこの世の春を謳歌する日がきっとまたくる!


ジョジョ第5部巨漢ポルポのスタンド、ブラックサバスはイカしてた


2012年11月15日木曜日

なぜ生理なんてものがあるの?

ヒトの生理はなぜ28日周期なのか、そもそも生理があるのはヒトだけなのか?

受精卵が降りてこないと肥厚していた子宮壁の内膜が剥がれて、出血と共に排出されるのが生理。

受精が行われなかった場合、無駄になった子宮内膜を排出する、いわゆる生理がある動物は実は一部の類人猿とヒトだけ。


その他の動物はどうなのかというと、

受精が行われなかった場合、無駄になった子宮内膜が体内に吸収される動物もいる。
これらはいわゆる生理出血がない。

この仲間には、イヌ、ウシ、ブタ、ネズミなどがいる。

彼らにできてなぜ人間でできなかったのかは不明。


さらには、交尾刺激がきっかけで排卵が初めて起きる種もあり、このような種では子宮内膜の更新の必要がないため、そもそも生理が起きようがない。

この仲間には、ネコやウサギなどがいる。


(キティにもミッフィーにも生理がない)



女性は生涯およそ200回の生理がある。


面倒くさい生理がなぜヒトにはあるのか。


しかし、人類の祖先において女性は生理に今の女性程悩まされることはなかったと見られている。

江戸時代の平均的な女性の初婚年齢は16才程度であり、その後、すぐに子供を産み子育てにすると、授乳期は今より長く3年くらい、その間は子供は生まれないので、約3〜4年に1人産むことになるが、平均寿命が30才くらいだとすると5人程度。


つまり、ほとんど生理に悩まされることなく生涯を終えていたことになる。


しかるに、晩婚化と避妊により生理に常に悩まされることになった。
性周期は受精を効率よく行うためのシステムであるが、今やそれが裏目に出ているというわけ(´・ω・`)

(コーブレ、アニメの3ヶ月周期は大事です)








2012年11月14日水曜日

弥生人侵攻(2)


人類進化によく使用される遺伝子の指標としてミトコンドリアDNAが使われる。
ミトコンドリアが母系由来するため、ミトコンドリアDNA解析から見えてくる民族形成の歴史は母系の歴史ということになる。

一方、男系継承されるY染色体を調べれば男系の歴史が分かる。

もし弥生人が縄文人を武力で蹂躙しながら北進したとするとその過程で、弥生人の男性が縄文人の女性を蹂躙し自分のものにするようなことがあった筈である。

そのような子孫は弥生系の父のY染色体を持ちつつも縄文系の母のミトコンドリアDNAをもつことになる。


事実、ヨーロッパ人の侵攻があった中南米では、現在の子孫に原住民のミトコンドリアDNAの比率に対して、ヨーロッパ系のY染色体の比率が多い。


しかし、日本ではY染色体とミトコンドリアDNAに関してそのような極端な偏りはなかったことが分かった。

ということは、おおむね、弥生人は縄文人社会に友好的に溶け込んでいったということだ。やれやれ
(承太郎)

ヤマト朝廷の蝦夷討伐という歴史もあるが、これにしても弥生系が縄文系を討伐、というよりは、時の政権が服従しない民を討伐という側面が強い。
その後、壬申の乱から戊辰戦争まで弥生系と縄文系という対立軸で争いは起こっていない。


一方、同じ島国である大ブリテン島(イギリス)はそうなっていない。


イギリスは中央部の大部分がイングランドと呼ばれ、その他、ウェールズとスコットランドに別れて自治も認められている。この区分はそっくり、民族の違いに相当する。


紫部分がケルト人、黄色部分がゲルマン人。

先住者であるケルト人と5世紀に移住してきたゲルマン人は衝突しながら現在まで混じり合うことなく対立してきた。


日本人の弥生人と縄文人が時間をかけて比較的平和裡に混じり合って日本人ができたことは、我々にとっては幸せな歴史と言えよう。


2012年11月13日火曜日

弥生人侵攻

今回の福島の原発事故で町を追われた人達はどこに新たな町をつくるかで苦しんでいる。

渡来人である弥生人は、先住者であった縄文人とどのように溶け込み混血が進んで行ったのであろうか、、ということも近年のDNA解析で徐々に分かりつつある。

まず、弥生人が朝鮮半島から九州北部に渡ってきたことは、九州北部に弥生系と思われる遺伝子をもつ人が多いことからも裏付けられている。

その後弥生人は日本列島を北上して縄文人との混血が進んで行ったとすると、九州から北に離れたところでは縄文人の遺伝子が色濃く残っていると予想されるが、果たしてそのような結果が遺伝子鑑定から見えている。

沖縄やアイヌの人達は縄文人の両子孫として、その血のつながりは深い。

  (D系統が縄文人系統、沖縄と東北に多い)


一方、弥生人が持ち込んだ「わたしお酒飲めないです」遺伝子(アセトアルデヒド脱水素酵素ALDH2遺伝子異常)の分布は、近畿地方が多いことから弥生人が好んで近畿に住み着いた様子が伺われる。渡来系の子孫とされるヤマト朝廷の本拠地が近畿におかれたことからもそれは頷ける。




*弥生人系の特徴は、一重まぶたで顔が何方かと言えば扁平、男性なら体毛が薄い。方や、縄文人は、二重まぶたで顔の彫りが深く、男性なら体毛が濃い。


ただし、稲作に不適切な山間部には弥生人はあまり進出しなかったとみえ、岐阜県でも山間部の飛騨地方には平野部の美濃地方に比べて縄文の遺伝子がより多く残っていることが分かっている。

ではその転校生(弥生人)はどのように縄文人社会に溶け込んで行ったのだろうか?

友好的だったのか、敵対的だったのか?
荒っぽい公園デビューだったのか?

それもDNAが教えてくれる。
(以下次号)

(デビュー以来謎のClariS)


2012年11月12日月曜日

え? 恐竜は隕石衝突で絶滅したんじゃないの?


恐竜絶滅は隕石が原因とする説が有力である。









しかし恐竜の絶滅は隕石衝突の30万年後だった!?


恐竜が滅亡したのは巨大隕石が現在のメキシコに衝突した30万年後だった可能性が高いとの新説が登場。

ユカタン半島の「チクシュルーブ・クレーター」(直径約180キロ)が隕石の衝突によって形成されたのは6500万年前。1978年の発見以降、このクレーターは恐竜を含む全生物の約65%が隕石衝突によって滅亡した証拠と見られてきた。

プリンストン大学とローザンヌ大学の共同研究チームは、恐竜滅亡が間違いなくチクシュルーブ・クレーター形成の30万年後だったことを裏付ける新たな証拠を発見したと発表した

その上で、インドのデカン高原に分布する広大な溶岩台地デカン・トラップで起きた大規模な火山噴火が恐竜絶滅の原因かもしれないとの見方を示唆している。

大規模噴火に伴う煤塵とガスが太陽光を遮ったことが気候変動をもたらし、多数の動植物を死滅に導いた可能性があるとしている。

その他にも、恐竜が滅んだ原因として、被子植物の増加して餌となる裸子植物が減ったせいだとも、花を咲かせる被子植物のせいで昆虫が増えてそれを餌にする哺乳類が増えたからだのと説もある。

結局、恐竜絶滅は理由不明の振り出し状態に戻ってしまったよ(´・ω・`)


ヱヴァは不滅です(笑)