2012年8月31日金曜日

最強の猛毒は?(4)ボツリヌストキシン

そして真打ち登場。
生物由来の化合物として最強の毒素はボツリヌストキシン。

ボツリヌストキシン (Botulinum toxin) は分子量が15万ほどのタンパク質で、ボツリヌス菌が産生する毒素である。



ボツリヌス菌食中毒の原因となり極めて毒性が強い。
LD50は0.01μg/kg

ボツリヌス菌は嫌気性菌であり、通常は土の中に棲んでいる。
まれにソーセージ、寿司などに紛れ込んで食中毒を起こすことがある。


ボツリヌス菌

しかし、ボツリヌストキシンはタンパク質でできているために、加熱すれば変性して毒性がなくなるため、十分加熱すれば安全である。

ボツリヌストキシンは神経筋接合部などでアセチルコリンの放出を妨げる働きをするが、中毒症状としては、消化器症状(下痢・悪心・嘔吐など)に続き、頭痛や視力低下・複視などを起こし、その後自律神経障害、四肢麻痺に至る。



このボツリヌストキシンはプチ整形に利用されている
ボトックスという商標で販売されていて美容整形外科で使用されている。


ボトックス

皺を目立たなくしたり、小顔にしたりする目的で使われている。

顔の筋肉を麻痺させ、その結果、筋肉が衰えて縮小する。

(Fateより、セイバー小顔化計画)


しかし、副作用での被害として、顔面麻痺、頭痛、めまいが報告されている。


一方で、テロや戦争の化学兵器として使用されることが懸念されている。

実際に、湾岸戦争時のイラクが保有していたし、オウム真理教も研究していた。
しかし、噴霧で散布してもすぐに失活してしまうため、実際にテロや戦争で威力を発揮したことはない。よかった、よかった。

(未来日記よりレイ君、毒ガスごっこ)

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