2012年12月31日月曜日

島の生物

生きて行くのに必要に迫られて動物は無理して体を大きくしている。

捕食者に食べられないように、等々。

もし体を大きくしなくても十分に生きていられるのであれば、大きくならないでその分のエネルギーを子づくり(自分の遺伝子を増やす)に回すであろう。

それを示す好例がある。

以前ブログで書いたが、

大型の動物が島に隔離されると小型化する傾向がある。

http://ushitaka7.blogspot.jp/2012/06/blog-post_08.html

例えば、ゾウとか。

太古、地中海の島に住んでいた150 cm大のゾウ

ゾウが体を大きくしているのは、捕食者からの圧力がある。
体が大きければ補食されにくい。

島だと肉食獣は生きにくい。

餌になる動物が少ないために生を全うできないからである。

捕食者がいない環境ではどうなるか、

圧力から解放されるとやすきに流れるのが道理。

小さくなる傾向に走る。

宿題をやりなさいと言うお母さんがいないようなもの(笑)


今年もあともう少し。
一年が慌ただしさのうちに暮れる。


2012を彩った名作アニメをレビューする。

ぶっちぎりのクオリティだったFate/Zero


上質なホラーだったAnother


ハマった人類は衰退しました


相変わらずのハイクオリティーだった偽物語


祝アニメ化、ジョジョ

意外と良かったBTOOOM!


当然、Q


まどマギ劇場版(残念ながら見られてません‥‥)



ガンダムユニコーンも佳境へ

コードギアス亡国のアキトも今後が楽しみ!


来年もアニメが豊作でありますように!笑


2012年12月30日日曜日

クリスマス飾りは出しっ放し

昨日のつづき


日本ではクリスマスがおわるや否や、お正月飾りに変わる。

しかしヨーロッパでは、クリスマスが終わってもクリスマス飾りは取り外さないでそのまま年を越す。

クリスマスの余韻を楽しむように。

バーゼルのクリスマス

ヨーロッパ人にとっては、クリスマスが圧倒的に重要だが、それに対してお元日はさほど重要ではない。クリスマスで最高潮に盛り上がって疲れてしまうのか笑

クリスマス休暇がある一方、1月1日が休みだが2日はもう仕事がある。

日本人の場合、クリスマスは恋人と過ごしてもお正月は実家に帰って家族で過ごす。

ヨーロッパではその逆で、クリスマスは実家に帰って家族で過ごし元日は恋人と過ごしたりする。

あまりにも、ヨーロッパのそっけない元日は日本人には寂しい。

エヴァQ、しばらく(数年、笑)この余韻で楽しむしかない


2012年12月29日土曜日

なぜクリスマスとお正月が立て続けにやってくるのか?

日本ではクリスマスが終わると、一斉にデパートは正月飾りになる。



日本人にとって、お正月とクリスマスがどちらも楽しいイベント。

その間が1週間しかないことが、年末独特の慌ただしさと気ぜわしさを盛り上げるのを手伝っている(笑)

しかし、もう少し間があるとクリスマスの余韻が楽しめるのにと思う。

イエスさんも違う季節に産まれたらよかったのに、、気が利かない(笑)


クリスマスは、もともとは冬至を過ぎて太陽の復活を祝う庶民の風習に、後付けでイエスの誕生日(不明)を祝うという意味付けが加わったようである。

一方、現在の太陽暦の原型のユリウス暦は紀元前45年に制定されたが、新年開始1月1日は冬至後の最初の新月の日と定めた。

まぁそういう理由から、 冬至を基点とするこの2つのイベントは必然的に近くなってしまう。もったいない。。

エヴァはさすがに時間空き過ぎですが


2012年12月28日金曜日

背が高いオスはモテる?

またハーレムをつくる生物ではオスは体が大きくなる。

雄同士が戦ってハーレムを勝ち取るため、どうしても体のデカいヤツが有利になる。

するとそういうデカい家系の子孫が増える。

ハーレムをもつ、ライオンやトドは今後もっと巨大化するのであろうか?

一方、一夫一妻性の動物はどうか?

性淘汰では、メスがオスをどのような観点で選ぶかで、オス(ひいてはその生物)の形態が変化してゆく。もしメスが大きなオスに魅力を感じるならばやはり大きなオスの方がハズレが少ない(より子孫を残せる)。

ただし一夫一妻性だと、どのオスにとっても子孫が残せるチャンスがより大きくなるため、一夫多妻性の動物に比べて、当たり外れが少なく性淘汰による生物の進化は緩やかになる。

昨日みたように、一般的に動物は体が大きい方が生き残りやすいので、メスからしてみたら、その他の条件が同じならば大きいオス方がより魅力的に見えることになるだろう。

人間の場合も、背の高い男性がモテるのはそういう生物学的な意味がある。


大きく力の強い人の方がライオンに食べられにくい(笑)

しかし、大きい人の方が長生きか?と言われるとそういうデータはなさそう。

なにか、大きい人には隠されたデメリットがあるのかもしれない。
でなければ、人間はもっと巨大化してもいい(現在進行形で、そうなりつつあるのかもしれないが)。


動物には、物理的な上限の他に最適な大きさがあるのであろう。
(餌の問題とか。つづく)

マクロスF、『ライオン』名曲です


このライオンも聴いてみたいよ笑






2012年12月27日木曜日

大きい方がお得?

昨日の続き

体の大きさに上限があったとしても、そのことで動物は小さい方がいいということにはならない。

体が大きいことのメリットとしては、

肉食性のものであれば捕食者を襲いやすい。
捕食者に襲われにくい(例えばゾウを倒せるライオンはいない)。

その他に

病気に強い。
飢餓に強い。

子供はなぜ病気で死にやすいかというと、まだ病原菌に対する免疫が整っていないということもあるが、それだけでなく食中毒とかでも子供が死にやすいのは、要はからだに余裕がないから。

例えば、100個細胞があって10個やられるのと、1000個細胞があって10個やられるのでは体に与えられるダメージが違う。

子供の方が飢餓にも弱い。体に栄養の蓄えがないから。

ラオウは多分、飢餓にも強い。


それに加えて、恒温動物では体が小さいものは代謝が高いために(小石が冷めやすいのと同様に熱が体表面から奪われやすいため)常に食べ続けていないと体温を保てない。


なので、体の小さい動物は総じて短期間の飢餓に弱い。


一般的に大きい動物ほど一頭当りの餌を食べる量は増えるので、餌が豊富にあるところでないと生きられないのは確か。

そのため、餌が慢性的に少ない場所(離島とか)では体のサイズがでかい動物は生きにくくなるが、これはまた別の話し。


2012年12月26日水曜日

体のサイズ

動物の体のサイズはどのように決まっているのであろうか?

例えば、ゴキブリやクモ。

ゴキブリはなぜ人と同じくらいの大きさにまでならないのであろうか?
(嫌いな人は想像しないで下さい)

逆に、なぜ人間はゴキブリ大の大きさではないのか?


動物のサイズは、食べ物、性淘汰、多種との関係だけではなく物理常数(重力等)でも決まる。

人は同じ体格のまま巨大化してウルトラマンのサイズの40 mにはなれない。



地球には重力があるから、自重で骨が折れてしまうため。

クジラが巨大化できたのも水中での浮力があったればこそ。

水中でないとウルトラマンは生きられない!


外骨格生物である昆虫も、外骨格の物理的な強度の制約があり、陸上での巨大化は無理なのだ(メデタシ、メデタシ)。

タカアシガニも水中であれば巨大化もできた。
外骨格生物であろうバルタン星人も同様


つまり、陸上では重力があるために動物の大きさに上限が生じる。

しかしその上限に向かって体が大きくなるような進化が起こる。
それは、やっぱり大きい方がメリットがあるからである。
(明日に続く)




2012年12月25日火曜日

無呼吸症候群の人は長生き?

今回は『ゾウの時間...』の続き。


一回の拍動の時間
一回の呼吸の時間
血液が体内を一巡する時間
胎内にいる時間
産まれてから性的成熟に達する時間
寿命

などの生理学的時間が体重の1/4乗に比例する。


ということは、ある生理学的時間を別の生理学的時間で割って出た解では体重の項は消えるため、体重によらず全ての動物(哺乳類)において同じになる。

(寿命)÷(拍動の時間)を計算すると20億回になる。

つまり、寿命の長さによらず動物では一生に心臓は20億回打つことになる。

(寿命)÷(呼吸の時間)では5億回。

なんかこう数字を出されると、鼓動や呼吸の一回一回が愛おしくなる。


ゆっくり呼吸したら寿命は延びるのか?

それは正しいかもしれない。

どのようにして動物種の固有の寿命が決まっているのかはまだ不明な点が多いが、呼吸によって不可避的に出される活性酸素(反応性の高い酸素分子種)が細胞を劣化(老化)させ、そのダメージの積み重ねが個体の寿命を規定している、というのは恐らく正しい。

つまり、呼吸をゆっくりにして代謝を落とせば寿命を延ばせる可能性はある。

だからといって無呼吸症候群の人が長生きすることはなさそうだし、息を止めて寝るのはやめましょう。


ジョジョ、息の長いマンガ
ジョジョリオンはまだどのような展開になるのか全く不明



逆に、好きな人の前でばくばくと鼓動が速くなったら早死にするのか?(笑)

恋愛系のアニメは見ないので長生きしそうだ。


2012年12月24日月曜日

巨神兵東京に現わる

マヤ滅亡の日もくぐり抜け、地球はクリスマスイヴ(笑)

エヴァQの本編に先立ち同時上映されている『巨神兵東京に現わる』。



これはウルトラマンの円谷プロとナウシカのジブリとヱヴァの庵野というゴールデンチームの作品でこれだけでも映画館に足を運ぶ価値有り。



東日本大震災をくぐり抜けた日本人にとってこの映像は悪夢の再来である。

他国に比べて天変地異の多い土地柄で暮らす日本人にとって、諸行無常は血肉になっている。

改めてそれを思い起こしたのが今回の大震災。


庵野監督がヱヴァで何を描きたかったのかも改めて知らされる。



世界は創り替えられる。
圧倒的な力で。
不条理な力で。神という名の。


多くの異なる民族で「最後の審判」思想が共有されている。

人類にとって大厄災は恐怖であると同時に願望なのかもしれない、とさえ思う。
イヴの日に。

クリスマスツリー、魂と祈りを天上に送り届ける鎮魂の光の塔

*本日のブログは決してリア充の方々に対しての嫌がらせではありません(笑)
今年も生きてイヴを迎えられた喜びを再度噛み締めようではありませんか、みなさま。


2012年12月23日日曜日

こわい漢字(9)「戻(戾)」

今回も『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(共同通信社、小山鉄郎)より。

「戻」の旧字「戾」は「戸」に「犬」。



家の戸口に生け贄の犬を埋めて、外部からの悪霊の侵入を追い返した(押し戻す)ところから、もどるの意味に。

「器」も生け贄の犬から由来した漢字。

「器」の旧字は「口」(サイ、祝詞を入れる箱)4つの間に生け贄の犬が置かれた形。


器とは儀礼のときに使用されるうつわが原義。

今回も犬は死んでから大活躍でした(苦笑)

生きている犬だって活躍します!(笑)
ジョジョ、イギー



2012年12月22日土曜日

こわい漢字(8)「臭」

「臭」、旧字「臭」は「自」と「犬」からなる。

「自」は鼻を正面から見た形で、元々は「鼻」の意味だった。

その後「自」が自分の意味になってしまったために、新たに「鼻」が作られた。

「臭」は犬の鼻の意味で、犬が特に嗅覚に優れているためににおい、の意味になった。


戦後「犬」を「大」に変えたことは、この字義を全く無視した暴挙である。


それでいて「嗅」(かぐ)の方は「犬」のまま。このちぐはぐ。。

今回の犬の字は犬が殺されなくてめでたし、めでたし。





2012年12月21日金曜日

ゾウの時間、ネズミの時間、こどもの時間

生物のサイズが変わると何が変わるかを俯瞰した、本川達雄『ゾウの時間 ネズミの時間』(中公新書)は名著の誉れ高い。



一分間に心臓が拍動する回数は、でかい動物程少なく、小さい動物程多い。
ネズミの心臓は早鐘を打つようにトクトクと鼓動している。

それを色々な哺乳類で調べたところ

拍動の間隔は体重の1/4乗にほぼ比例するという結果になった。

つまり、体重が16倍になると拍動間隔が2倍になる。



これは拍動間隔だけではなく、

息をする時間間隔
血液が体内を一巡する時間
胎内にいる時間
産まれてから性的成熟に達する時間
ひいては寿命

に至る幅広い減少がこの「体重の1/4乗に比例」則に当てはまるという。

感覚的には理解はできる。

ネズミが寿命2年(250 g)
ゾウが寿命100年(5 t)

実際に計算してみるとずれてたりする(笑)

この「生理学的時間」がなぜ「体重の1/4乗に比例」するのか、まだ明確な理論はないらしい。

この理屈で言うと、体が小さく代謝の活発な子供の方が生理学的時間が短くなり、一日の体感時間が長くなる(ん、そうかもしれん)。


逆に代謝の落ちた老人程、一日が短く感じる、ということになるが、果たしてそうなのか?

代謝の高そうな子供達だった笑


ここでラストに『こどもの時間』がくると思った人、スルドいが残念ながら見てません(笑)

2012年12月20日木曜日

女性の中年太りにもメリットがあった

子供に脂肪を与えるために、女性には十分の脂肪が必要であると言った。

しかし、それならばなぜ子供を産むことがなくなった閉経後の女性で中年太りが進むのであろうか?

実は脂肪組織には断熱と浮力以外にも、女性ホルモン(エストロゲン)をつくり出すという働きがある。

脂肪組織は男性ホルモンを女性ホルモンに変換している。

女性ホルモンは主に卵巣でつくられるが、脂肪組織でもつくられる。

そのため、脂肪が多い女性の方が女性ホルモンが多い。

更年期になると卵巣で女性ホルモンが合成されなくなる。

しかし、中年になるときに脂肪細胞がふえてくれるおかげで、脂肪細胞由来の女性ホルモンが増えて、全体としての女性ホルモンの減少は緩やかなものになる。

それにより、老年期へとソフトランディングできる。

意味があるからこそ中年で脂肪は増加する、というわけだ。


一方、脂肪細胞が女性ホルモンを作るため、拒食症の女性は女性ホルモンが少なくなり、肌や骨が70才の女性なみになることもある。

じゃ、男性の中年太りは? って突っ込みたくなるよね、やっぱ (^ ^)

自業自得! 太った彼の末路は。。
BTOOOM!、今期イチオシ






2012年12月19日水曜日

毛がなくて困ること

雄ネコ同士結構、派手な喧嘩をする。

結構それで傷だらけになって帰って来る。

しかし、その後傷口はぴったりついて閉じて治ってしまう。
針で縫わなくても。

しかし人間の場合には皮下脂肪が厚いためそう言う訳にはいかず、傷が大きいとパックリと傷口があいてしまって、ヒドい場合には縫わなければ塞がらない。

しかし、縫合手術とかなかった場合には、傷が化膿していつまでも治らなかったり、それで命を落とすこともあったろう。

同様に皮下脂肪の厚い海棲の哺乳類も同じ。

皮下脂肪は傷の大敵なのだ。

皮下脂肪の厚さは手術の邪魔でもある。

その他にも、皮膚がんになりやすいとか、人間は皮下脂肪は厚い上に、体毛を失ったことでのリスクを背負って生きている。

ケイネスも体毛が守ってくれていればあんな手傷を負わなかったものを。。
Fate/Zero






2012年12月18日火曜日

赤ちゃんへの脂肪のプレゼントと生理停止

玉のような赤ちゃん。

という形容は皮下脂肪ぷくぷくの赤ちゃんに相応しい。

たま


以前のブログに書いたようにヒトは、特に女性は脂肪が多い。

モーガンはそれは水中生活に適応して体温保持のため、皮下脂肪を発達させたと考えている。

それは赤ちゃんにも顕著である。

平均して赤ちゃんは16%の体脂肪をもつのに対して、ヒヒの赤ちゃんのそれは3%しかない。

脂肪が多いと赤ちゃんのその後の生存率が高くなる。

そのため、お母さんはせっせと赤ちゃんに脂肪をプレゼントするわけだ。

しかしそのために、母体の負担はかなりのものになる。

赤ちゃんに栄養をどんどん吸い取られるから。

妊娠時、授乳時には女性の血中脂肪は50%以上も上昇する。

食事が足りない時でも、女性は自分の体を削ってまでも赤ちゃんに投資する。

しかしもし母体がひどい栄養失調にある場合には、そうなると母子ともに危険な状態に陥る(お母さんが死んでは元も子もない)。

それを避けるため、女性には安全装置がある。

そう、体脂肪率が一定以下に下がると妊娠できなくなる仕組みがある。

女性の平均体脂肪率は27%だが、22%以下になると生理がとまってしまう。

過度な食事制限をすると生理が止まってしまうのはそのせいだ。

食事を削ってまでの過度の趣味への投資は。。

2012年12月17日月曜日

熱帯地方での子供の死因と塩


ヒトは水分が失われると喉が渇いて水が飲みたくなる。

そのように、水分が不足したことを感知するシステムを持つ。

さらに水分が満たされればそこで水を飲むのを止める。

人間以外の哺乳類では塩分に関してもそれと同様なシステムをもつ。

塩分が不足するとそれを感知して、岩塩を舐めに遠くまで行ったり、土を掘り起こしてそれを食べたりする。ゴリラやチンパンジーも土を掘り食べることが知られている。

そして、必要な塩分が補給されればそれ以上摂取することはない。

それがヒトの場合にはそうではない。

塩分が不足してもそれと気付かず、またその逆に必要以上に塩分を摂り過ぎることも起こる。

これはとても不思議なことだ。

人が塩分摂取に困らない場所(そう海辺)で生活していたと考えなければ説明がつかない。

そして摂り過ぎた時には過剰量の塩分を体の外に排出していたのだろう。


熱帯地方の発展途上国では今でも数百万人という子供達が命を落としている。

その多くは下痢による脱水症状で命を落とすのであるが、その際に水に塩と砂糖を加えただけの飲み物を飲ませるだけで死者が半減するという。

つまり、そのような死者のほとんどは下痢により塩分を失うことによって落命している。

しかし死ぬ間際になっても塩分が足りないということに気付かないというのは生物としてとても困ったことだ。

逆に先進国では、特に日本人は、塩分の摂り過ぎで高血圧により引き起こされる成人病に悩まされている。

塩味は美味しいのだけれども。。

『千と千尋の神隠し』ハクの塩むすび


ヒトが水辺で進化したつけがこのような形で人類を苦しめているのか!


使徒襲来のさなかに





2012年12月16日日曜日

こわい漢字(7)犬の末路

昨日の続き。

犬が人と一緒に王墓に埋められて「伏」の字になった。

今回の犬の運命は・・・

「然」は「月」(にくづき)、「犬」と「灬(火)」(れっか)からなる。

「月」と「灬」で肉を火で焼いていることを表している。

犬の肉を焼いてそのにおいを天の神に届ける呪術的な行為を表している。




肉がもえることから「もえる」ことになった。

「然」は「燃」の元字である。

その後、「然」が別の意味となったため、「火」がさらに加えられて「燃」になった。

犬も埋められたり、焼かれたりと、大事にされていてもこの末路では。。


CØDE:BREAKER、「燃え」アニメ(笑)

2012年12月15日土曜日

こわい漢字(6)「犬」

今回も『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(共同通信社、小山鉄郎)より。
漢字の好きな人にはオススメです。


新潮文庫から廉価版も出ている

漢字が成立した古代中国殷では「犬」は生贄に捧げられる貴いものであった。

嗅覚が鋭い犬は邪霊が近づくのをいち早く察知して、吠えてそれを追い払うという呪術的な能力を兼ね備えていると考えられていたようである。

そのため、犬にまつわる漢字には生贄に関連したものが多い。


それを示す好例が「伏」。

なぜ、「人」と「犬」で「ふせる」の意味になるのか?

その当時、王が死ぬと地中の悪霊から墓を守るために武人と犬が埋葬された。

土に埋めることから、かくす、ふせるの意味になった。


始皇帝の兵馬俑が有名だが、生きた人間を埋めてしまうのが可哀想だという訳ではなく、恐らくは不死の軍団により守られたいという願望があったのであろう。

日本での古墳に埋められた埴輪は生贄の代わりと考えられている。


刀語、刀を集めて行く間に二人の距離は埋まってゆく






2012年12月14日金曜日

一度に15リットルも水を飲めるか!?

ヒトほど汗をたくさんかく陸棲の哺乳類はいない。

汗の意義としては体温調節がよく知られているところ。

恐竜全盛時に出現した哺乳類の先祖は小型のネズミ大のサイズだった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/エオマイア

そのくらいのサイズの動物は体温が上がりすぎた場合にも、汗をかかなくても、口からの喘ぎだけで体温を下げることができる。

小型の霊長類も全く汗をかかない。

暑いと犬もよく舌を垂らして喘ぐし、ゴリラやチンパンジーも呼吸数が増える。

しかし、人間は暑い時に喘ぐことで体温を下げない。

人間は体温を下げるのを汗だけに頼っている。

木蔭のない草原で草を食みつづけなければならないウマやウシは汗と喘ぎを併用する。

そして、その汗の量はヒトに比べればとても微量。
暑い場所に置かれてもだらだらと汗を滴らせることはない。

なぜなら、汗を流すことで貴重な水分が失われてしまうからである。

ヒトの場合暑いところで激しい活動をしていると一日に10〜15リットルも水分を失う。

水分が補給されないと、体内の水分の減少により熱中症、脳卒中、心臓発作の危険が高まる。

その割には一度たくさんの水を飲んで、飲みだめすることができない。
その結果、人はちびちび水を補給しなくてはならなくなる。


お酒ならたくさん飲める不思議。。
Fate/Zero


ペットボトルを持ち歩いて飲める現代ならいいが、水場が多くない場所では住みにくい。

到底、水の少ないサバンナでヒトが進化したとは考えられない。

人が湯水のように汗を流すのは、ヒトの祖先が汗を大量に流して水分とナトリウムが失われてもすぐに補給できる場所で進化したためと、エレイン・モーガンは考えている。

それは、まさしく水辺でヒトが進化した証拠であると。


ちなみにラクダは一度に体重の30%の水を飲みだめできる。
人でいえば、体重50 kgの人が一度に15リットルの水を飲む様なもの。
到底飲めない話しだ(笑)


『らくだ』、面白い落語です。



汗と塩分


汗は水分とともに塩分(ナトリウム分)も喪失させる。

内陸部では土壌に含まれている塩分は極わずかである。

植物にもわずかにしか含まれない。

そのため、動物は体中の塩分が不足すると岩塩を含む岩を舐めに来たりする。



人間にとっても塩は古来非常に貴重な物資だった。

汗を流す動物であっても汗のナトリウム濃度は低い。
ナトリウムを捨ててしまわないように、汗を出す前にナトリウムを再吸収するしくみがある。

しかし、人にはそれがない。


人間の場合、発汗をマックスに行うと3時間で危険水域まで塩分が失われる。

そして体内の塩分が不足すると、衰弱、痙攣が起こる。

それなのに、塩分が失われて危険が迫ってもそれに気付くこともできずに汗の出を止めるシステムも持たない。

なんたるお粗末なヒトの発汗システム。

ヒトは塩分が失われてもそれをすぐに補える環境(塩分が豊富な)に住んでいたと考えざるを得ない。

それもヒトが海辺で進化したことを示唆する。

青春、それは失って気付くもの
坂道のアポロン







2012年12月12日水曜日

手に汗握る

ひとはスリリングな場面に出くわすと手のひらに汗をかく。

これはわれわれが祖先から受け継いだ本能をまだ残しているためだ。

サルや類人猿は樹上生活をしており、枝から枝を渡り歩いている。

そこで枝を握り損ねたら落下して大怪我を負いかねない。



そのため手をすべらせないように、指紋と汗による湿り気により摩擦力を高めている。

お札を数える時に指をしめらせるのもそのため。

おサルさんも枝に飛び移る時に緊張する。その緊張が手に汗をださせるようになっている。

ヒトが緊張すると手に汗握るのもその名残(とっくに樹上生活をやめたのに体にそのしくみが残り続けている)。

ただし、ヒトの場合、過度の緊張により、手のひらから汗が出過ぎで手に握ったものが滑ってしまう。

そのために、投手は投球前にロジンバックで手の滑り止めに使う。
体操選手が鉄棒をする前にもロジンバックを使う。

過ぎたるは及ばざるがごとし、か。

手に汗握るアニメ