2013年6月5日水曜日

ヒトに残された性淘汰の証左

昨日からジェフリー・ミラー『恋人選びの心』(岩波)からトピックスを紹介している。




授業では、個体の生存にかかわるいわゆる「自然淘汰」と対比させて「性淘汰」を位置づけたが、本来は「自然淘汰」に含まれるものである。

ただ「自然淘汰」−「性淘汰」を表す「生存淘汰」に相当する良いタームがない。


我々の体、心、嗜好性、には先祖から受け継いでいる性淘汰の証左が数多く見出される。

次の特徴をもつものは性淘汰の産物であろうと考えてもよいものである。

(1)男女間で差のあるもの。

① 身体的特徴

男性のペニス、女性の乳房、臀部、etc。

ただし、性淘汰の産物と言っても必ずしも異性から好まれて進化したとは一概には言えない。

女性の乳房、臀部は男性から見て魅力的に見えると言うことは、男性が恋人選びの際にそれらを指標にしてきたことのよい証拠になりうる。

片や、男性のペニス(の特殊性)が女性の好みを反映した結果かどうかに関しては否定的な見解が優勢である。

人類のオスは他の霊長類に比べて大きなペニスを持っているが、それをもたらしたものは女性の好みというより、ライバルとの精子間競争に打ち勝つための乱婚制の痕跡ではないかと考えられている。

デューラー『アダムとイヴ』


② 嗜好性

我々は異性のきれいな、皺のない膚を好む。

それは、肌のきれいさが「健康」、皺のなさが「若さ」の良い指標になるからである。

また女子からすると、自分から背の高い男子を選ぶ傾向があるし、男子はその逆。


このような男女間の嗜好は、性淘汰を産み出し助長する。


(2)ある生物種で顕著な特徴。

勿論、「生存淘汰」によるものもあろうが、近縁種を比べた場合に、ある種で特に見られるものに関しては、性淘汰を疑って良い。

例えば、上記でいうと、女性の乳房の大きさ、男性のペニスの大きさは、近縁種と比べると際立っている。

それが生存にかかわっているという証拠が見当たらないとすると、それは性淘汰で進化したと考えてもそう間違えではない。

生物の形や性質が異性の好みで変化させられてしまうという「性淘汰」って、本当に恐ろしいww

本当に恐ろしいものって何?

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