クジャクのオスの羽がなぜ美しいかを逆転の発想で説明した「ハンディキャップ理論」を提唱したのがイスラエルのアモツ・ザハヴィ。
他にも彼の提唱した有名な仮説に「キツネさん、キツネさん理論」がある。
鳥のヒナがピーピー鳴いているのを、普通なら「お母さん、お母さん、おなかがすいたよ、エサを早くちょーだい」と鳴いていると聞くだろう。
しかし、ザハヴィは真相はこうだと言う。
「キツネさん、キツネさん、ここに柔らかくておいしい鳥のヒナがいるよ、食べにおいでよ」
もちろん、これは親に対する脅しである。
「ぼくにエサを早く持ってこないと、鳴き続けてキツネを呼ぶよ。ぼくが食べられてしまってもいいの?」と。
そうなると、親鳥はヒナを黙らされるために、せっせとエサを運ばなくてはならない。
親鳥にとって、自分の遺伝子をもつヒナをキツネに食べられることは絶対にさけたい。
しかし、ヒナにとってもこれは背水の陣の作戦である。
本当に自分がたべられたら、元も子もない。
もしこの理論が正しければ、キツネが本当に近くにいると分かったらヒナは鳴き止むはずである。
実際にそうかどうかはともかく、面白い仮説である。
子供による親への脅しは人間でも頻繁に見られる。
道ばたでひっくり返って泣き叫ぶ子供の行動も一種の脅し。
竹内久美子は、小児喘息も親から自分に注意を引くための一種の脅しではないかとうがった見方をしている。
しかし自分も疲弊するだろう、本当にそう?
知略を尽くした戦いは面白いけど
デスノ
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