2012年7月16日月曜日

スイスの鉄道

スイスは鉄道大国。

国鉄に当るSBBを始め、あちこちの観光地、名山の山頂に向けて鉄道網が発達している。

スイスと言えば山。

有名なベルナーオーバーラント地方のアイガー、メンヒ、ユングフラウ。
近くの町、グリンデルワルト、インターラーケンからすぐに接近できる。



残念ながら山頂には登れないが、かなり近寄れるルートがハイキングコースになっている。
(アイガー北壁と言ったら、これまでに超難関ルートでクライマーの命を奪い続けてきた)


このユングフラウの山の中腹まで、電車で行けてしまうのが素晴らしい。
ヨーロッパ最高標高にある駅、ユングフラウヨッホ駅まで。

3454m(富士山3776mに迫る)なので、駅に着いて階段を駆け上がろうすると空気が薄くてヘタる。

そこからはヨーロッパ最大のアレッチ氷河が見下ろせる。



スイス人は時間に正確。列車もちゃんと正確に来る。そこも日本と似ている。

ユーロッパ大陸の各国は鉄道でつながっている。
スイスまでは折角正確に運行されていても、イタリアに入った途端に突然遅れる。

そこまで、国民性を反映しなくてもいいのに(笑)

(イタリアに舞台を移してのジョジョ第5部)


イタリア人の陽気ないい加減さも肩が凝らずによいけど。








2012年7月14日土曜日

スイスのパン

スイスはEUに参加していない。
ドイツ、フランス、イタリア、オーストリアという大国に囲まれて独立を貫き、自主独立の気風がある。

昔のスイスは貧しく、昔は外国に傭兵でかけて外貨を稼いでいた。
スイス傭兵は勇猛で頼りにされていた。

今でも徴兵制度はあるし、持ち家を建てる時には地下核シェルターを義務づけている。

(主婦にも大人気のスイスアーミーナイフ)


その一つに、スイスのパンもある。

美味しくないなぁ、というのが第一印象だったし、その印象は今でも変わらない(慣れはしたが、笑)。
(スイスの料理全般に関しては別の機会に)



(ハイジでは美味しそうだったのに・・)


おとなりのフランスに行った時にはパンがおいしくてその落差に驚いた。


その原因の一つは小麦粉にあった。

スイスは食糧安保として小麦粉を2年間分備蓄している。
実は、パンに使われるのは備蓄されていた2年前の小麦粉なのである。

自国を守る覚悟はこういうところにも現れている。


農水省が食糧安保という時には農業生産者の目線ばかりの胡散臭さがぷんぷんするが、日本人は少なくとも主食の米に関して、スイスの覚悟をば見倣うべきであろう。

現在は米の保管技術も進んでいる。
新米に出回わる季節になっても感激が近年薄れつつあることからもそのことが分かる。

おこめは日本人の命綱。

(けいおん!!より、唯)


2年前の古々米を食べる位の覚悟を。



(ハイジといっしょに考えよう、食糧安保)

2012年7月13日金曜日

ミトコン(4)巨きくなれた

細菌は巨大化できなかったが、真核生物は巨大化した。

なぜか。

真核生物の場合は、エネルギーを沢山欲しければ、発電プラントであるミトコンドリアを沢山持てば良い。
巨大なミトコンドリアは必要ない、小さくても沢山のミトコンドリアがあればよい。

さらに、ミトコンドリアの内膜はクリステと呼ばれる構造があり、リアス式海岸のように高度にひだひだになっているのは有名。

クレステを発達させることで内膜の表面積を増やすことができる。
昨日紹介したように、表面積に比例してエネルギーを作り出すために、このひだ構造が発達しているのだ。



このように、沢山のプラントを細胞内に抱えることで、真核生物はぶくぶく大きくなることが可能になった。

(北斗の拳より、ぶくぶくのハート様)


これもミトコンドリアという発電プラントを真核細胞が獲得できたから。

(ミトコンドリアのおかげで巨きくなれた!)


そして真核生物自身は細胞壁を持たなくてよいため、アメーバーのように細胞形態を自由に変化させ、他の細胞を貪食作用で食べてしまうことも可能だ。
これにより、他の細胞を食して栄養を得るという動物型細胞が出現することになる。
大きければ、それだけ貪食の際に有利。


(マギカより、貪食作用)

かくして、真核細胞は大きくなることも可能であったし、大きくなることの有利性もあったため、巨大化の道を歩み出すことになった。


2012年7月12日木曜日

ミトコン(その3)こぶりはお得

原核生物(細菌、バクテリア)はどのようにエネルギーを作っているのか。

呼吸で電子伝達系を駆動して、水素イオンを細胞の外にくみ出すことで、細胞内部と細胞外部のpHの濃度勾配を形成させる。呼吸のエネルギーで水を汲み上げているようなもの。

それを膜を介して再度、細胞内に落とす際に、エネルギー(ATP)をつくる。
つまり水(水素イオン)力発電。

(ダムよ、泣くな)


しかし、細胞膜の外にくみ出した水素イオンはそのままではすぐに環境中に拡散してしまう。



そのために、細胞が用意したのは細胞壁のバリアー。
これなら細胞膜の近接した空間に水素イオンを溜めておける。



ただし外部が酸性の環境であればそれも必要ない。
事実、酸性温泉にすむテルモプラズマは細胞壁をもっていない(水素イオンを汲み上げる必要もない?)。


(エヴァより、温泉ペンギンPENPEN)


細胞が大きくなると、表面積が大きくなりエネルギーが沢山作れることになって一見ハッピーのようにみえる。
しかし、その時には細胞の体積も大きくなりエネルギーの消費もふえてしまう。

表面積が直径の2乗に比例して大きくなるのに対して、細胞体積は直径の3乗に比例して大きくなる。

つまり細胞が大きくなる程、エネルギーを作るより使う方がふえてしまうために効率が悪くなる。

この観点から、原核生物にとって小ぶりの細胞の方がお得!なのである。

(ハルヒちゃんより、こぶりのあちゃくらさん)


そのため、巨大な原核生物は存在しない。


さらには、細胞壁をもったために細胞はアメーバーのように変形できないから、小さい細胞を呑み込んで食べるという動物細胞型の捕食行動もできないため、その点でも巨大化するメリットもあまりなかった。
(大きくなれば食べられにくいかもしれないが)。


では一方、真核生物はそれをどのように解決したのか?
(つづく)






2012年7月11日水曜日

ミトコン(その2)史上最強のベストカップル

飛行能力は、翼竜、鳥類、コウモリ

遊泳能力は、魚、魚竜、イルカ



脊椎動物にあって、このように飛行能力、遊泳能力は何回も独立に獲得された。

このように、それに意味があれば、異なる生物は何度でも似たような進化を行う。

このような収斂(しゅうれん)進化を考えた時、宿主細胞への細菌の共生による真核生物の誕生も何回もあってもよさそうである。

しかし、実際には真核生物の遺伝子を調べた結果、全ての真核生物は同じ単一先祖起源だった。

つまり、細胞とミトコンドリアが共生に成功したのはこの20億年の中で一回しか起こらなかった。

そのくらい、この共生は有り得ないくらい幸運だったのだ。

(このくらい喜んでもよい)


もしくは、太古に様々な共生(ルームシェア? 同棲?)が試みられたが、我々の先祖さまの細胞の前に儚くも駆逐されてしまったのかもしれない。

なんにせよ、我々の宿主細胞とミトコンドリアの関係は20億年に1度のベストカップルなのだ。
そして我々は、そのベストカップルの子孫なのだ。


(アクエリオン越えの、20億年の愛)


それにしても、真核生物は原核生物(細菌)を取り込むことでどうして大きく進化できたのであろうか。

なぜ、細菌はいつまでも微生物のままなのだろう?

(つづく)

2012年7月10日火曜日

ミトコンドリア(その1)運命の赤い糸

ミトコンドリア、



ミトコンドリアは太古、真核生物の先祖に棲みついた細菌であった。

しかし今ではその遺伝子DNAのほとんどは核に移譲し自律的には増殖できない。
そしてせっせと呼吸を行って、エネルギー産生をして細胞に供給する従順な一器官に成り下がっている。


*ミトコンドリアは家畜化されているように見えて本当にそうか、逆にミトコンドリアが細胞を操っているのではないか、という話題は時折聞かれる(それに関してはいずれまた)。



http://www2.kpu.ac.jp/life_environ/cell_genome_bio/nkubo_jp.html


大学院生時代にミトコンドリアを研究していたため、今でもミトコンドリアには興味をもっている(今でも細々と研究を続けている)。

ミトコンドリアが細胞当りどのくらいあるかというと、ヒトの場合300〜400個程度。
人体には何と2京個(400 x 60兆細胞)。

元々、ミトコンドリはmito(糸)、chondria(粒子)という意味。元々は細胞中に見えている糸のような器官、ということでつぶつぶしているわけではない(よくあるミトコンドリアのイラストは間違っている)。

(酵母のミトコンドリア)

図では緑色にミトコンドリアが描かれているが、実際には、チトクロム類を豊富に含んでいるためどちらかと言えば「赤い糸」か。

(いのちをつなぐ赤い糸、ミトコンドリアのイメージ)



ミトコンドリは分裂と融合(フュージョン)を行うので数や形はそれにより変化する。

ミトコンドリアの分裂と融合がどのように制御されているか、その分子機構が解明されたのもここ10年くらい。出芽酵母でそのしくみの研究が進んだ(いつもの酵母自慢です、笑)。



(フュージョンは神、祝パンダ誕生)

このブログでも異種分野のフュージョンを更に強化したい(笑)



さきほど、ほとんどの遺伝子は核に移譲した、と述べたが、
ヒトのミトコンドリアのゲノムは16,569文字(塩基)しかなく、これは核ゲノム約31億文字の約20万分の1程度。

遺伝子としては、2種類のrRNA、22種類のtRNA、13種類のタンパク質の遺伝子しかもたない。



ミトコンドリアで働くタンパク質は約1500種類であることを考えると、99%以上の遺伝子は核に移譲してしまっている。

独立した細菌である枯草菌の遺伝子は約4000なので、共生する前から考えたら、0.3%しか遺伝子を保有していないことになる。


*植物では不思議とミトコンドリアゲノムが大きいが分かる。理由は謎。
タバコではヒトの3倍の36種類のタンパク質の遺伝子がある。



ミトコンドリアはなぜ遺伝子をこんなにも手放したのか?

それと、残ったミトコンドリア遺伝子のこの微妙な数は一体何を意味するのか?

なぜ全ての遺伝子を手放さないのか、手放せないのか? 

数回にわたりミトコンドリアの話しをする。


2012年7月9日月曜日

おしゃれの代償

今回は、NHK地球ドラマチック「“人間誕生”の手がかりを求めて」ネタ。




ヒトがいつ体毛を失って、いつ服を着るようになったかは、体毛も衣服も化石に残りにくいためよくわかっていなかった。 


それを教えてくれるヒントを与えてくれるのが、虱。 




(ウルトラセブンより、虱がモデルのクール星人)


ホモ・サピエンスが誕生したのは20万年ほど前だが、ずっとアフリカに留まっていた。
出アフリカを果たしたのは5〜7万年とされる。 
よほど、暖かくて食べ物もあったアフリカは居心地がよかったのだろう。




通常、1種の宿主に1種のシラミが寄生するが、ヒトは3種のシラミに寄生されている。 


ヒトは進化の過程でほとんどの体毛を失い、頭毛と陰毛が孤島化した。 
そのため、頭髪にはアタマジラミ、陰毛にはケジラミがすみつくことになった。
衣服を着るようになってからはさらにコロモジラミがすみついた。 


ケジラミがゴリラのシラミから分かれたのは300万年前。 


もしまだその時、ヒトがまだ全身体毛に覆われていたら、ケジラミとアタミジラミは同じ起源から別れても良かった筈。そうでないということはゴリラからシラミが移った時に、その時点で我々の祖先で頭毛と陰毛が孤島化していた可能性が高い。 


一方、2つの亜種であるアタマジラミとコロモジラミは共通の祖先から進化した

この分岐の時期を知れば、ヒトが衣服をまとい始めた時期が推定できる(ただしこの推論には異論もある)その結果は約7万年前。 


ということはかなり長い間(300万年前〜7万年前)、人類は裸で生活していたということになる。




(ギャートルズ)




この衣服の発明によりアフリカで生まれたヒトが寒冷なヨーロッパにも進出できた。

おしゃれできるのも、コスプレできるのも服の発明があったらばこそ(笑)


虱も喜んでいる筈(笑)


(Steins:Gateより漆原るか、コスプレにあらず