2013年5月31日金曜日

ヒトの進化による難産

まず下の表をみてもらおう。

これは各動物の新生児の脳の重さの、成体の脳の重さに対する割合である。

これが小さい程、脳が未発達の状態で生まれてくるということになる。




これをみると、ヒトの赤ちゃんは少なくとも脳に関する限り超未熟児であることが改めて分かる。

その原因は2つある。

(1)進化によりヒトの脳が大きくなったこと。

それにより頭部が大きくなったために、出産時に支障を来すまでになった。

そのために、お母さんとしては十分に脳を大きくしてから赤ちゃんを世の中に出してやることができなくなってしまった。

(2)進化により二足歩行を始めたこと。

と言っても、産道を大きくしたらいいのではないか、と安直に考える向きもあろう。

確かに女性の方が骨盤は幅広くお産をするのに都合がいい。

上、男性。下、女性。
女性の方が骨盤の開口部が大きいのが分かる

しかし、骨盤の開口部の大きさには限界がある。
内臓がずり落ちてきてしまうから。

ということで今、女性はぎりぎりの状態で新生児を出産している。

産道の大きさ(白枠)に対して、胎児の頭の大きさ(黒い部分)はギリギリ


それこそ、正しく二足歩行を始めたことによる弊害。

二足歩行をすることにより大きい頭を支えやすくなったのは確かであっても、二足歩行はさまざまな問題(病気)を人類にもたらした。

椎間板ヘルニアもその一つ。

四足歩行ならこれほど背骨に荷重がかかることもなかった。

二足歩行に起因する重力による弊害から逃げるには海に戻るしかない!(笑)

そうもいかないから、お風呂にでもゆっくり浸かろう(*^ω^*)
二足歩行のペンギンもそう考えてる筈w

2013年5月30日木曜日

いつ生まれるの!?

ヒトの妊娠はだいたい40週前後であるが、個人のばらつきが非常に大きく、いつ生まれるかを正確に予測するのは困難である。

まずもって、ヒトの赤ちゃんはそれよりも早く生まれてくる早産でも、もうほとんど支障ないくらい体の構造は出来上がっている。

妊娠期間の約2/3で体の重要な部分は完成している。

では、その後の1/3の期間に胎児は何をしているかというと、ひたすら脂肪を蓄えている。

以前のブログで紹介したが、人間の赤ちゃん程、脂肪を蓄えて生まれてくるサルはいない。

あかちゃんがぷくぷくなのはそのせい。
(その合目性に関しては以前のブログを参照)

http://ushitaka7.blogspot.jp/2012/12/blog-post_18.html



でも赤ちゃんとしても、いつまでもお腹の中にいるわけにはいかない。

大きくなった赤ちゃんはますます多くの栄養をお母さんに要求する。

それにお母さんは応えられなくなる。

その時が、出産適齢期と考えられている。

それを過ぎると、要求にお母さんが応えられなくなる訳だから、赤ちゃんは自分が蓄えた脂肪を逆に使って凌がなくてはならないため、出産予定日を超えて生まれてくる赤ちゃんは、却って脂肪の蓄えが少なくなる。

これを理解すると、なぜお母さんの栄養が足りていなかったり、双子や三つ子の出産時には妊娠期間が短くなるかを理解できる。


とにかく、赤ちゃんは「飯、よこせー!」と迫り、それが満たされなくなると「こんなところにいつまでもいられっか!」と言って腹を蹴破って出てくるのである(笑)

ペルソナ4、巽完二
見かけほど悪じゃないw

2013年5月29日水曜日

母は我が子を試す

今日は長谷川眞理子著『ヒトはなぜ病気になるのか』から。



妊娠、出産、子育て、は母親にとってとても大変なイベントである。

そのため、生まれてくる子供が育つ力のない弱い子であれば、コストをかけてまで生むことを母胎は望まない(お母さんの意識とは別にして、生物学的に言えば)。

そのため、生まれてくる子がちゃんとした生命力のある子かどうか母胎は確認する。

その方法とは…

妊娠は、母親の脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモン(LH)によって維持されている。

このホルモンは黄体を刺激して黄体ホルモン(プロゲステロン)を作らせ、それにより流産が防がれる。




しかし、胎児にとっても流産は勿論困る。

胎児も黄体を刺激してプロゲステロンを作らせるために、ヒト胎盤性性腺刺激ホルモン(HCG)を母胎の血流に分泌する(胎児も必死!)。

その時、胎児からのその働きかけが十分でないと母胎は胎児に育つ気がないと判断して流産に至る。

さらに、妊娠八週目になると胎児は自分でプロゲステロンを作り出せるようになり、母親に頼らず自分で流産を防げるようになる。

その時期になると、母親はプロゲステロンを作ってくれなくなる。

そう、その頃になると母親はもはや助けてくれない。

生きたくば自力でわが母胎にしがみつけ!、と。


では、力のない胎児の場合には、、、

そう、自分でHCGをつくることもできずに妊娠初期に流産に至る。

着床した受精卵のうち約30%は10日以内に自然流産に至っているという。

そのほとんどの場合は、染色体異常や発生異常が原因であり、正常にHCGをつくれないために流産に至る。


このように、妊娠は母胎と胎児の共同作業であり、そこには過酷な母の試験が待ち受けていた。

つまり、現在、この世に生れ出た人達はみな、そのお母さんの試験にパスした優秀な人達ばかりということ (^-^)

アニメもゲームも我慢、受験期の試練…
にパスできなかった人にも幸がありますようにw

2013年5月28日火曜日

病原菌は待ち伏せる

病原体が宿主を弱らせて殺してしまうと、その病原体もその遺体の場所に留まらざるを得ない。

そしてじっと次の宿主がそこを通りかかるのを待ち伏せるしかない。

車が故障したため、次にそこを通りかかる車を待っている運転手に似ている。

宿主を乗り潰すがごとき、病原菌の所業 w


その待っている間、空気中でも死なないようにある程度耐久性がないといけない。

宿主を殺してしまう病原性が強い病原体の方が、宿主が行き倒れる危険性が高い訳だから、外界で生き抜く力が強くなくてはならないと考えられる。

事実、そのような相関が認められる。

                            外界での生存時間
感染した人10万に1〜10人死亡させる病原菌(強毒性)  数時間〜数日
     10人に1人死亡させる病原菌  (弱毒性)        10年以上

後者の病原性の強いものの代表例は、天然痘ウイルス、結核菌、ジフテリア菌。


これは人間に感染する病原菌に限る話ではない。

ミツバチの幼虫に感染する芽胞形棹菌の一種、アメリカ腐蛆病菌(Bachillus larvae)もそう。

この菌に感染するとミツバチは100%死ぬ。

そしてこの細菌の胞子は驚くことに外界で50年以上生存できることが確認されている。

地縛霊がずっとそこに留まっているようなものか (^-^;)

ご存知、化物語、八九寺真宵
地縛霊のみなさま安らかに成仏してください


2013年5月27日月曜日

寄生虫のあやつり(4)

槍型吸虫という寄生虫はアリとヒツジを宿主としてその間を行き来する。


ヒツジに寄生して糞便とともに排泄され子孫を拡散させる。

その糞から一度カタツムリを介して、カタツムリの体液を舐めたアリの体内に取り込まれる。

ここからが本題。

アリに取り込まれた槍型吸虫は、アリの神経系を操ってアリを草原の草の葉のてっぺんまでのぼらせる。

そう、ヒツジがアリごと葉を食べるように。

そして再度ヒツジの体内に戻れる。




マラリアもそうだが、複数の宿主を渡り歩く寄生虫は、この宿主を渡り歩くという循環を完結しなくてはならない理由がある。

それぞれの宿主で変態を繰返して生活環を完結するから。


また、吸虫ロイコクロリディアム(leucochloridium paradoxum)はカタツムリに寄生するとカタツムリの神経系を操って、同様にカタツムリに草の目立つところまで登らせる。

その寄生虫の目的はカタツムリを次の宿主になる鳥に食べさせるため。

しかし、それだけではない!

さらに、カタツムリの通常細い触角を色鮮やかな膨らんだ触角に変形させてしまう。

そう、まるで鳥の好物のイモムシのように変形させられる。

分かりやすいように、右の触角が元々の。
左の触角が寄生虫により変形された色鮮やかなもの


カタツムリは草の上に登ると、悪霊に取り憑かれたように狂ったようにそのイモムシのような触角を振り始める。

そう、いかにも僕を食べてと鳥にアピールするように。

すると、鳥はその触角をイモムシと誤解して啄んでいくのである。

その後、寄生虫は鳥の中で卵を産んで、糞とともに卵がばらまかれて、その卵をまたカタツムリがたべてカタツムリの体内で孵化する。



この吸虫は鳥にはほとんど悪影響を及ぼさない。

というのも鳥はこの吸虫にとっては、自分を広めてくれるお得意様なのだ。

では、カタツムリさんにもやさしくしてあげてとミサカは憐憫の情を催します
レールガン


2013年5月26日日曜日

こわい漢字(47)応(應)

「応」の正字「應」。慶応大学も慶應大學。

「應」は、「人」が胸(心)に「隹(とり)」を抱いている形、それを「广」(まだれ)が包んでいる。



ここで言う鳥は鷹。

「广」は崖面を利用した洞窟型住居(窰洞)のこと。


ここでは鷹を大事に育てられている家のこと。

古代中国殷では、鷹は神意を占うために鷹狩りとして用いられた。

日本でも。

その鷹狩りでお伺いをすると、その結果、神は神意としてそれに「応えて」くれた。


TYPE-MOONのお祭りアニメ、カーニヴァルファンタズム
この世にアニメがなかったら、、、応える


2013年5月25日土曜日

こわい漢字(46)獲、穫

以前紹介した、一羽の鳥を手で攫んでいる形「隻」。

これは今では「ひとつ」の意味であるが、元は「獲」の元字であった。

「隹」を「又(手)」で捕まえていることを見ても分かろう。

しかし、獲物である獣をつかまえることを分かりやすくするために「獲」が生まれた。

猟犬を使って動物を狩りをしたため、「犬」(犭)を加えた。



その後、全てのものを「とる、える」の意味になった。

一方、農作物をえることは「犭」の代わりに「禾」が使われて区別することで「穫」が生まれた。



なので鳥「隹」が入っていても、田圃の稲を荒らす鳥を捕まえるとか言う意味ではない(笑)


今期アニメの収穫はまあまあか w

寄生虫によるあやつられ(3)

今回はポール・イーワルド著『病原体進化論』(新曜社)。

病原体(寄生種)は宿主と複雑な関係を築いている。


以前も寄生虫による宿主の操られるさまを見た。

総じてエグい。

http://ushitaka7.blogspot.jp/2012/10/blog-post_29.html


本日のメニューは、

アブラムシに寄生するコマユバチ。


別の昆虫に卵を産みつける寄生昆虫は多い。

これもその一例。

このハチはアブラムシに卵を産みつけてその幼虫がアブラムシ体内を食べ、食べつくすと成長を終えて成虫となり、中から飛び出してくる。

しかし、あまり成虫が外に飛び立つのに季節が整っていないと、成虫になるのを遅らさせる。その時、ハチの幼虫はアブラムシを休眠させる。

しかし、その時、ハチの幼虫にとってもその時は危険なときでもある。

アブラムシが自分ごと他の捕食者に食べられてしまうかもしれない。

そうならないように、ハチの幼虫はアブラムシの神経系を操って、葉を丸めさせてそれをシェルターにしてその中に非難する。

まだどのようなしくみでハチの幼虫が宿主の神経系を操っているのかは分かっていない。

人間の神経系を操る昆虫がいないことに感謝! (^ ^;

敵機の神経系を操るディスィーブ
ラインバレル

2013年5月23日木曜日

利己的な遺伝子による利他的な行動(結論)


ここ数週間紹介してきた『徳の起源』(翔泳社、マッドリドレー著)の帯文には、

「利己的な遺伝子」で説明できない、人間の本性を「遺伝子功利主義」で解きあかす。

とある。





しかし、ブログに付き合っていただいた人にはお分かりなように、動物やヒトの利他的にみえる行動(多分、このことを「利己的な遺伝子」で説明できない、と言っているとおもうのだが)はすべて、「利己的な遺伝子」理論で説明がつく。

(1)人が血のつながっていない他人に親切にするのも助けるのも、人間関係(持ちつ持たれつの)を良好に保ち、自分の生存をプラスにするため。

(2)プレゼントをするのも、それを通して社会的な名声を得てそれを利用して、女性を口説きたいため(古典的な食べ物で女性を釣る笑)。

しかし、ここでちょっと待てよ!と疑問を差し挟むかもしれない。

① プレゼントは男性だけでなく、むしろ女性同士の方がプレゼントをし合うのでは?

その通り、しかし、これは(1)の理論で説明できる。もしA子さんがB子さんに誕生日プレゼントをしたのに、B子さんがA子さんにプレゼントのお返しをしなかったら、その結末は… はい、血を見るより、もとい、火を見るよりも明らか(笑)

② 匿名の善意はメリットがあるのか?

確かに。匿名の寄付とか。今度の東日本大震災のような誰が寄付したか分からない、と自分の名声にはプラスにならない。

と思える。

しかし、中国にはこんな諺がある。

陰徳陽報 

人知れず善行を積めば、必ずよい報いとなって現れてくるということ。

つまり、なんだ、結局は、自分(自分の家族)に良い報いがくることをねがって陰徳を積むのか、というオチ。

いやいや、自分はそんな利己的なことを考えて陰徳を積んでいるのではない!ケシカラン!と息巻く御仁もいるだろうが、まあ、話を聞いて欲しい。

孟子が人間性善説の根拠に挙げている

「もし、見知らぬ子供が井戸に落ちそうになっていたら助けてあげようとするだろう」

にしても、結局は(1)のケースに相当するが、その時、ヒトは打算的になって行動しているだろうか。

いや、そうではない。咄嗟に助けてあげる。そう、反射的に。それが本能なのだ。

遺伝子が恐ろしいのは、我々生物個体にそれと気付かれずに我々を操っているところ。

誰も遺伝子が見つかるまで、自分たちが遺伝子のマリオネット(操り人形)だなんてこれっぱかりも思っていなかった。

自分がそう思っていないところで我々の行動を操ることくらい遺伝子にとっては朝飯前。

自分は男の子だから女の子を好きになろうと思って、恋愛の対象を女の子に絞る!、なんてことはだれもしていない。

そういうものなのだ。

そういうことをしてきた個体の子孫なのだ我々は。

結論!、利己的でない利他的行動はあり得ない。


だからと言って、他人の親切を、自分の親切を、その価値をことさらに低く見ることは必要ない。

もしその善意に裏があったとしても(遺伝子が純粋にいいやつじゃなくても)、それはわれわれの人間社会の潤滑油としてはとても貴重な行動だ。

それができない人間に比べたら、人に親切にできる人間の方が百倍良い。

(明日からは別の話題を紹介する。話がどうしても世知辛くなって困る。スンマセン笑)

首を吊ろうとしている先生を見つけたら迷わず助けてあげて欲しい!
きっといいことがありますよ (^o^)/
絶望先生

2013年5月22日水曜日

利己的な群れ

ニシンやイワシは大量の群を作って行動する。

最近は水族館でもこのような群をみることができる。



なぜ、そのような小型の魚は群をつくるのかというと、別に一人が寂しいとか、集団行動を強いられるとか、ではない。

それは捕食者から己を守るためである。

外側にいるより、中に潜り込む方が捕食者には食べられにくい。

そのため各イワシが、中に潜り込もう、潜り込もう、とするために集団がコンパクトになってばらけない。

つまり各個体の利己性が逆に集団行動を可能にしている。

ムクドリの群も同じ。




ムクドリの大群に関しては、夕方に街路樹に集ってうるさく鳴くだけではなく、フンを落として迷惑を被っている。群も大抵にして欲しい(笑)

女子が群れるのも、男性から身を守るため(かも笑)。

女子の群れ
魔法先生ネギま!






2013年5月21日火曜日

贈り物はなんのためにあるの?

昨日のつづき

男性が大物狙いをするのは社会的評判をあげて、妻以外の女性と関係をもちたいがためである。

仕留めたハザ族(タンザニア)の男は大物(キリンとか)の一番美味しい肉の部分をとる権利をもっている。





その一番美味しい上等な肉をこともあろうに、家族ではなく口説きたい女性に贈る。

口説かれた女性は関係を結ぶことと引き換えにそのプレゼントを受け取る。

かように、優れたハンターの愛人になることは女性にとっても実質的にメリットはある。

それにしても、女性はなぜ社会的評判の良い男性(有名人)に惹かれるのであろうか?
(勿論、男性だって女性タレントに弱い笑)

評判の高い男は、自分を裏切る可能性が低い。

女性を裏切った場合、それは男の評判を落とすことに繋がるから。
(と本には書いてあるが、芸能人の浮気性を見たら本当に気にしているかどうか疑問)


贈り物も社会的評判を維持するためにある。
(もちろん、見返りを期待する賄賂的な性格も贈り物にはある)

そのため、プレゼントをもらった際のお返しにはそのプレゼントの価値に相当するお返しをしないと逆に評判を落とすことにもなる。

プレゼントをやり取りする時に値段を気にするのは理由があるわけだ。

ケニアのある部族では、贈り物をもらうと相手の目の前でそれを丹念に調べ始める。

馬をもらえば、馬の口の中まで細かく調べる(笑)

それは、このギフトがどのくらいの価値があるかを調べなければならないからだ。

プレゼントに関しては、各国同じ悩みを抱えているようだ(笑)

レールガン
神より与えられしプレゼント(異能)は大事に使おう

2013年5月20日月曜日

なぜ男は大物狙いをするの (´・δ・`)??

再び『徳の起源』(翔泳社、マッドリドレー著)のつづき。




ハザ族の男性は、キリンなどのいわゆる大物狙いに血道を上げる。

小さい獲物なら簡単に手に入るのに、大物を狙うためになかなかうまくいかず手ぶらで帰ることがしばしば。

そしてたまに大物が手に入ると、気前よく他人に分けてしまう。

なぜこんな非効率なことをするのか。

たとえ話を一つ。


灯台はとても役に立つが、灯台を立てるにはお金がとてもかかる。

そんな灯台を誰が立てようとするのか?

みんな、誰かが建設費用を出してくれればよいのに、と思う。

それを解決するキーワードが、社会的名声(社会的注目)である。

狩りの上手な男は、かなり大きな社会的見返りを得ることができる。

大きい動物を仕留め、その上、その肉を惜しげもなく他人に与える。

なんて素晴らしいできたヤツなんだ!と。

そして、なぜ、その名声を手に入れたいと男が血道をあげるかというと、女性にモテたいがためだ。

実際、ハザ族の狩りの名手はモテる。妻以外の女性にも。

これはハザ族に限ったはなしではない。男性における普遍的な話である。

つまり、男性が大物狙いするのは、家族のためではなく、他の女性と関係したいがためだということがみえてくる。

また、承太郎登場。

ホント男って!(苦笑)

2013年5月19日日曜日

こわい漢字(45)一つと二つ

鳥「隹」を一匹、手「又」で捕まえている漢字が「隻(せき)」。

ここから「隻」はひとつを表す。



あまり使わない漢字だが、片目のことを隻眼と云う。

織田信奈より、伊達政宗


そして、一石二鳥じゃない、一手二鳥を表しているのが「雙」(双の旧字)。




残念ながら、一手三鳥、以上の漢字は存在しない(笑)

画数が多くなり過ぎて、古代中国殷の人もウザかったんだろう、たぶん (^ ^;


実際いたらとっってもウザいだろう、ハルヒ

2013年5月18日土曜日

こわい漢字(44)唯、雖

古代中国殷での鳥占で用いられた鳥、「隹」。

その占いで下された結果に関しては、もちろん素直に従わなければならない。

何事にもはいはいと従うさま、他人の言いなりになるさま、を示す「唯々諾々」(いいだくだく)、「唯諾」に使われる「唯」は承諾の意味を表す。

祈祷の器である祝詞を入れた「口(サイ)」は神様に御神託を得るのに用いられたもの。

それに「隹」を添えて、鳥占で得られた御神託に従う、そのようすが「唯」なのだ。




その御神託が邪魔されたら?

そこから生まれたのが字が「雖」(いえども)。

これは「口」の下に「虫」がいる。

この虫は神への占いを邪魔する呪虫。



神意を伺いたいのに、それができない!

そうしたいのは山々なれど、とそんな気持ちを表す逆接の「いえども」が「雖」。

シュタインズゲート
近隣では沼津でしかやっていないと雖も行かねば!(・∀・)ノ

2013年5月17日金曜日

マンモス狩りと信頼関係

ネアンデルタール人はマンモス狩りをしなかった。

なぜなら大型動物の狩りには非常に危険が伴うから。
近寄って槍を突き刺そうとするものなら、反撃されて踏みつけられかねない。

大人数で取り囲むにしろそれは同じ。

マンモスを見つけても怖がって遠巻きにして誰も近づこうとしない。

できるだけ他人にやらせようとする。

それでは信頼関係が生まれない。


人類もかつてはそうだった。

我々ホモ・サピエンスの祖先もマンモス狩りを行うようになったのは高々3万年前であると考えられる。

その時期、マンモス狩りが可能になるある発明がなされた。

それが投槍器(アトルアトル)。

槍をひっかけて遠くまで槍をとばせる。

http://www.youtube.com/watch?v=-VlOpwsj09c

投槍器は氷河期のほぼ全大陸で大型動物の狩猟に使用されていたが、獲物である大型動物の減少とそれにともなう農耕、牧畜への移行、さらにのちになって現れた弓矢や投石器によって淘汰され、多くの地域で投槍器は忘れ去られ使われなくなった。


しかし現在でも、アマゾンに住む部族では使われている。


これによって人類は、危険ではない遠方からマンモスを仕留めることができるようになった。

これによって、男はお互いを信頼しあって共同作業ができるようになった。

仕留めることができれば、一度に大量の肉が手に入る。

それはその集団の共有財産となる。

武器の発明により人類の互恵主義が発達したというのも皮肉だが、いかにも人間的というべきか(苦笑)

武器がありゃーいいてえもんじゃない笑
Fate/Zero、アーチャー




2013年5月16日木曜日

狩りが男女の体の違いをもたらした

ホオダレムクドリ。

手前がオス、奥がメス

ニュージーランドに棲息していた(1907年に人間のために絶滅してしまったために、過去形)。

図をみてもらえば分かるように、オスメスでくちばしの形が異なる。

オスは短く固いくちばしをもち、腐った木をつついてその中の虫を探し出した。

メスは大きく曲った細いくちばしをもち、岩野裂目に潜む虫を探し出した。

このように、オスとメスはくちばしの違いを産み出すことで、餌をオスメスで分業して探すことが可能になっていた。


人間もホオダレムクドリと同様ではないか、と考えている研究者がいる。

オスメスの体型の差を性差という(体型だけに留まらずメンタルとか嗜好に関しても)。

昔、人類は体型に関する性差はなかったが、何かが原因で男性は体が大きく筋肉質になった。

ゴリラも同様な性差をもつが、その原因はゴリラの一夫多妻の結婚形態が原因していると考えられている。

ライバルを倒してハーレムの王となりメスを独占するために、オスには腕力が必要である。

では一夫一妻の人類では、どのような別のきっかけで体型の性差が生じたのであろうか?

それが男の狩りと女の採集という分業にあるのではないかと研究者は考えている。

良きハンターになるためには、身体能力、狩りのための仕掛け、道具をつくること、方向感覚が優れていなくてはならない。

これらはすべて現在の男性が女性に比べて優れていると云われているもの。

男が狩りをすることに始まる男女の分業が男らしさをもたらした。

男が狩りをしなくなった現在、男がどんどん中性化してくるのは当然の帰結なのかもしれない(笑)

ジョジョ
男らしいブチャラッティ

2013年5月15日水曜日

なぜ乳糖は下痢を引き起こすの?

我々アジア人は乳糖を分解する酵素が大人になると作られなくなってしまうために(乳児の1/10程度にまで)、乳糖を豊富に含む牛乳を飲むとおなかをこわしてしまう。

しかしただ、分解ができない化合物が全ておなかをこわすとは限らない。

たとえ、女性がダイエット食品として好む、コンニャクのマンナンや寒天のアガロースなども多糖類で分解されないが(そのため栄養にならない)、それでおなかをこわすことはない。



乳糖の場合には、分子量が小さいために腸での浸透圧が大きくなる(一方、多糖類であるコンニャクマンナンや寒天アガロースは分子量が大きい)。

そのために腸管からの水分の吸収が妨げられる(逆に水分を呼ぶ)ために、軟便、下痢になる。

さらに悪いことに、大腸に棲むさまざまな腸内細菌がガラクトースを分解利用して有機酸を合成する。

それが腸管の細胞を刺激して腹痛を起こし、また腸内ガスを発生させるためお腹が鳴る。

ちなみに、コンニャクは腸内でほとんど分解されないために、そのまま便に含まれるため便の量がふえ便が早くでやすくなる、という便秘改善効果がある。

腸内細菌はいずれ詳しく。

セイバー「空腹は敵です。食事を摂りましょう、シロウ。」
腹が鳴ったら敵に気取られる笑

2013年5月14日火曜日

西洋人はミュータント!

人類の先祖がおサルさんだった頃は、木の実を主食にしていた。

それが狩りをするようになって、肉も食べるようになった。

その後、1万2000年くらい昔には現在のシリア周辺で農業が始まり、穀物を主食にするようになった。

それに遅れて少なくとも7000年前にはエジプトで牧畜が始まったとされる。

牧畜で、最初に牧畜化されたものはヤギとヒツジだったとされる。



ヤギはお乳を利用できる(ヒツジは毛糸と肉)。

その時以来、人類は多種の哺乳類の乳を利用することになった。

つまりこれまでの人類の長い歴史から見たら、乳(乳製品)を利用するようになったのはわずかここ数千年。

なので、人類の成人が乳の主成分である乳糖を分解して利用できなくても、むべなるかな、なのである。


しかし約8000年前に西洋人の一人の先祖に変異が起こって、大人になっても乳糖分解酵素が作られ続けて乳糖が分解できるなった変異体(ミュータント)人間が現れた。

大人になったらおねしょをしなくなる(乳糖分解酵素をつくらなくなる)のが普通なのに、おねしょをする(乳糖分解酵素をつくる)ようなもの。

こう書くと、全く逆の価値観になるが、このように、通常はいい変異というのはほとんど起こらず病気になってしまうのが関の山であるが、ごくたまに、このように変異がプラスに働くものもある。

牧畜が始まりその後牛乳を飲むようになると、その変異は優位に働いてヨーロッパ人に広まった。

ということは、乳糖が分解できない成人はちゃんと子孫を残せなかったということだ。

どんだけ、乳製品に依存しているんだ!ヨーロッパ人(笑)

確かに、スイスは聞きしに勝るチーズ大国だった。



何百種類と云うチーズ(ケーゼ)があり、日本にだってこんなにたくさんの豆腐の種類はない。

ちなみにチーズ工場に研究室の友人に連れて行ってもらったが、チーズの発酵臭でクラクラになった(腹いせに納豆を嗅がせて復讐をした、いやしてません)。

そのため、ヨーロッパ人は大量に牛乳を飲んでもお腹をこわさない。

西洋人、牛乳が飲めておめでとう!(・∀・)ノ

と乳離れしてるアジア人の一人としてはひがみでそう言っておこう(笑)