サケは一時にたくさんの卵を残して死ぬが、同じサケ科のマスは毎年卵を少しずつ産むが卵を産んでも死なない。
(1回の産卵数)×(産卵回数)が最大になるように種によって産み方を変えている。
通常、生物は若いうちから子供を産んで産めなくなるとそこで死ぬ。
生と性(生殖)はある程度トレードオフの関係にあると考えられている。
人間の場合、結婚した方が長生きする。
しかし、10人を超える子供を産んだ女性と、2人の子供を産んだ女性で寿命がどう違ってくるかという研究は人では知らない。
生殖により負荷がかかると当然、寿命に悪影響が出てきそうだ。
その逆で生殖を先延ばしにすれば、寿命が延びるのでは、と考えてそれを実行した研究者がいた。
といってもショウジョウバエという小さなハエを使っての実験だが。
今回は「老化の進化論 小さなメトセラが寿命観を変える」(みすず書房 マイケルローズ著)から。
研究は至ってシンプル。
メスのハエが若いうちに産んだ卵は全て廃棄し、比較的年を取ってから産んだ卵だけを次世代に育てる。
ということを繰返した。
その結果、出産時期が遅れるものの、そのハエの家系は長生きになった。
旧約聖書に登場する969歳まで生きたメトセラにちなんでメトセラとそのハエは名付けられた。
人間に喩えると、40才近くなるまで子供をつくらずに、年をとってから子供をつくる。
それを繰返すようなもの。
この繰返しでなぜ長寿になるかというと、
ハエにしろヒトにしろ、子供をつくる時までその生物は生きていなくてはならない。
もし、30代で発病して死んでしまう様な病気の遺伝子をもった人は子供を残せない。
つまり、より病気になりにくい遺伝子をもった人が増えることになる。
その結果、その後も病気になりにくく結果的に寿命も伸びる。
というのが簡単な説明。
しかし、話はそれだけでななかった。
長生きのハエの家系は老化も遅れた。
ある種の病気は老化に関連して引き起こされる(成人病もそれに当る)。
そのため、長生きになっただけでなく、メトセラハエでは相対的に老化が遅れるハエの家系が選抜された。
これを人類全体で試すことはできないが、晩婚化が進んでいる日本では今後、さらに寿命が延びる予感が…
二次元に嫁探しに行ったきり帰りが遅れる、晩婚になる、長寿になる、キタ━(゚∀゚)━!
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