2013年5月27日月曜日

寄生虫のあやつり(4)

槍型吸虫という寄生虫はアリとヒツジを宿主としてその間を行き来する。


ヒツジに寄生して糞便とともに排泄され子孫を拡散させる。

その糞から一度カタツムリを介して、カタツムリの体液を舐めたアリの体内に取り込まれる。

ここからが本題。

アリに取り込まれた槍型吸虫は、アリの神経系を操ってアリを草原の草の葉のてっぺんまでのぼらせる。

そう、ヒツジがアリごと葉を食べるように。

そして再度ヒツジの体内に戻れる。




マラリアもそうだが、複数の宿主を渡り歩く寄生虫は、この宿主を渡り歩くという循環を完結しなくてはならない理由がある。

それぞれの宿主で変態を繰返して生活環を完結するから。


また、吸虫ロイコクロリディアム(leucochloridium paradoxum)はカタツムリに寄生するとカタツムリの神経系を操って、同様にカタツムリに草の目立つところまで登らせる。

その寄生虫の目的はカタツムリを次の宿主になる鳥に食べさせるため。

しかし、それだけではない!

さらに、カタツムリの通常細い触角を色鮮やかな膨らんだ触角に変形させてしまう。

そう、まるで鳥の好物のイモムシのように変形させられる。

分かりやすいように、右の触角が元々の。
左の触角が寄生虫により変形された色鮮やかなもの


カタツムリは草の上に登ると、悪霊に取り憑かれたように狂ったようにそのイモムシのような触角を振り始める。

そう、いかにも僕を食べてと鳥にアピールするように。

すると、鳥はその触角をイモムシと誤解して啄んでいくのである。

その後、寄生虫は鳥の中で卵を産んで、糞とともに卵がばらまかれて、その卵をまたカタツムリがたべてカタツムリの体内で孵化する。



この吸虫は鳥にはほとんど悪影響を及ぼさない。

というのも鳥はこの吸虫にとっては、自分を広めてくれるお得意様なのだ。

では、カタツムリさんにもやさしくしてあげてとミサカは憐憫の情を催します
レールガン


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