今日の大学院授業の補足。
哺乳類は乳児期には母乳しか口にしない。
母乳は卵と同様に完全食(それだけ食べていれば生きていける)であり、その中には乳幼児が必要とする全ての栄養が入っている。
糖分のそのほとんどは乳糖(ラクトース)で母乳中に7%含まれる。
乳糖は、ブドウ糖(グルコース)とガラクトースが結合した二炭糖である。
乳糖(ラクトース)
このブログでは珍しく化学式!(・∀・)ノ
乳糖は、小腸から分泌される乳糖分解酵素(ラクターゼ)により、ブドウ糖とガラクトースとの結合が切れる。
右辺、ブドウ糖とガラクトースに
ブドウ糖は、そのまま解糖系で分解してエネルギーになる。
もしエネルギーが欲しければ、乳糖ではなくて、ブドウ糖なり、ブドウ糖が二つ連結した麦芽糖(マルトース)が母乳の主成分でもよかった筈。
そうなっていないということは、ガラクトースに何かエネルギー以外の使い道があるということ。
実際、脳髄をつくるのにガラクトースがどうやら必要らしい(調べ切れなかったので、「らしい」笑)。
それはともかく、赤ちゃんは、ブドウ糖とガラクトースをそれぞれ利用しているということ。
そのため、この乳糖分解酵素をもっていない赤ちゃんは生きていけない。
糖分が補給されないから。
そういう遺伝病をもつ赤ちゃんはいない (^ ^;
そう、つまり全ての人類は正常な乳糖分解酵素をもっている。
そのため、乳糖分解酵素を持たないためおちちをのんでお腹をこわす赤ちゃんはいない。
では、なぜ大人が牛乳を飲むとお腹をおこわすかと云うと、
大人になるとその酵素が作られなくなるため(転写されない)。
日本人では牛乳瓶一本程度(200cc)ではおなかをこわす人はほとんどいない。
しかし、2本分(400cc)では10%の人が、3本分(600cc)になると50%の人がお腹を下痢をする。
これを「乳糖不耐性」とよぶ。
日本人を含むアジア人およびアフリカ人では80-90%のほとんどの人がこれに当る。
これがデフォルトなのである。
しかし、なぜか西洋人には10%程度しか見られない。なぜなんだろう?
(つづく)
アニメ耐性、というより好物 (・∀・)ノ
0 件のコメント:
コメントを投稿