今回は本書から。
日本の至宝、白川静氏は、本場中国でも間違って解釈されてきていた漢字の成り立ちを解明した。
その最たるものが「口()」(サイ)の発見である。
これは「くち」を表すものと考えられていたが(後漢の『説文解字』の時にはすでに)、神に捧げる祝詞を入れる器であることを白川は示した。
それにより、理解される漢字の一つが「器」、正字は「器」。
これは「犬」の周りを「口」が4つ取り囲んでいる。
これを「くち」と考える限り、この字の成り立ちは分からない。
「器」は「」4つの間に生け贄の犬が置かれた形なのだ。
漢字は古代中国殷(紀元前17世紀頃 - 紀元前1046年)でその原型が作られたが、後漢(25年 - 220年)の頃にはその成り立ちが不明になっていたからこそ、『説文解字』がつくられた。
勿論、間違った解釈も混ざってしまった。
白川は、漢字の大本である甲骨文字、金文にさかのぼって漢字の変遷を調べた。
今回紹介する「王」もその由来が『説文解字』では間違えて解釈されていた。
曰く、天地人(横の三本の線)の三才を貫いて(縦の一本の線が)まとめ治めるものと。
しかし、甲骨文字での「王」をみればそれが違う事は分かる。
「王」は王が持つ大きな鉞(まさかり)の刃の部分を表している。
玉座の前におかれた鉞は王の強い霊力、権力の象徴である。
強い力で民を統治する者が「王」なのだ。
ヒートホーク(まさかり)
ザク、ザコキャラの王
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