2014年3月4日火曜日

双子の一人はいなかったことに

バー小体、カナダの研究者マーリー・バーが発見した。



1949年、彼はネコの神経細胞を観察していたところ、細胞核内に黒い斑点が見られることに気がついた。それもメスネコの細胞だけに。

その後、ヒトでも女性の細胞だけにそのバー小体が見つかった。

女性細胞のバー小体

後年、そのバー小体は不活性化したX染色体であることが分かった。

http://altair.sci.hokudai.ac.jp/infgen/nsmb2013/


女性の細胞にはX染色体が2本ある。

そのうちの1本が不活性化することで、X染色体は1本しか使われないことになる。

このため女性の細胞中でも、もともとX染色体を1本しかもたない男性の細胞と同じく、細胞で使われるX染色体は1本になる。

染色体の数が1本多いだけで致命的になることは、ダウン症候群をみれば分かる。

つまり、X染色体の数合わせのために女性細胞のX染色体は眠らされるのである。

さらにマーリー・バーは、興味深いことを見つけた。

クラインフェルター症候群のヒトの核にもバー小体を見つけた。

クラインフェルター症候群の患者さんは、XXYの性染色体を持つ。

異常なXXをもつ卵子にY染色体をもつ精子が受精したためだ。

その場合には、Y染色体をもつが男性になるが、XXのうちの1つが不活性化する。


ただ、クラインフェルター症候群の男性は、女性的な特徴が第二次性徴時に現れることもある。

見崎鳴と藤岡未咲
Another

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