2012年6月7日木曜日

かわいいが加速する

昨日の続き。

モンゴロイドは人類進化の最先端を走っていると言ったが、

 日本人はその中でもトップランナーに躍り出んとしている。



日本人が世界一マンガ、アニメ好きな民族であることは周知の事実。


日本人の好むアニメ顔には特徴がある。
日本のマンガやアニメの女子は、顔に比して目が大きいのが著しい特徴であるが、これはまさしく幼女顔。顔のバランスもまさに幼女顔。こんな顔のリアル女子はいない(目が大きいのは男性キャラも同じ)。


                (涼宮ハルヒ)


の眼の大きさを現実に近づけた画像を見つけたが、これはきもい(ふいた)。








ローゼンメイデン、真紅は設定自身がすでに幼女。





これは日本人好きな言葉「かわいい」そのもの。


ご当地ゆるキャラにしても同じ。


                    群馬のぐんまちゃん



http://zeroone01.jp/zisseki_seisaku.html

今やご当地ゆるキャラは雨後のなんたらのごとく各地で増殖中である(微妙なキャラが多すぎるぞ!)


日本人が「かわいらしさ」を美的価値観の最上位に置く傾向が最近ますます激しくなっているように感じる。

ユルキャラ、かわいい、に通底するものは、癒される、守ってあげたくなる、という、赤ちゃんやペットに対する気持ちに似る。


人間がこれまで猿として辿ってきた歴史、数百万年を考えると、現代人程日々ストレスに曝されることはかつてなかってであろう。


当然、野生動物であっても常に捕食者に狙われている危険性はあったにせよ、四六時中、捕食者から逃げ回っていたら、飯を食う間も、子供を育てる間もな買った筈である。多分、今よりはずっとストレスが少なかったに違いない(食糧の確保に日々追われていたとは言え)。


デスクにかじりついて、日がな締切の迫った書類と格闘する時代は近代のものである。


今の人類(特に勤勉な日本人)は大いなる癒しを必要としている。


別の生物学的観点から、この日本人のネオテニー性向を更に考えてみたい。


(明日につづく)





2012年6月6日水曜日

モンゴロイドは人類進化の夢をみる

生物が進化するための原動力としてようせい進化がある。

                  銀河の妖精こと、シェリル嬢


「妖精進化」ならファンタジーなのだが「幼生進化」。
「ネオテニー」とも呼ばれる。

例えばホヤの幼生は魚型で遊泳するが、岩礁等に辿り着くとあのよく知られた固着性の生物に変化する。

                 (ホヤの幼生)


                  (ホヤの成体)


この幼生の体型で性成熟(卵や精子を作れるようになる)するようになったものが魚類の先祖になったと考えられている。


われら人間はお猿がネオテニーで進化したと考えられる説がある。

例えば、チンパンジーの幼児が人間に似ていることから唱えられている。

             大人のチンパンジー

                 子供のチンパンジー



そういう説があるという話しでまだ確定したわけではないので、その合目性も皆目不明である。
(人間がなぜ毛皮を脱ぎ捨てかに関してはまたいつか)


その中でも、我等モンゴロイド(黄色人種)は、コーカソイド(白色人種)に比べて、ネオテニーが一段と進んでいると言われている。


1. テルマエ・ロマエで有名になった「平たい顔」。彫りが少なく平板なのは子供の顔だ。
2. 体毛が少ない(中でも弥生系の関西人は)。
3. 男も女もメリハリのない体型。

よく西洋人が東洋人を子供と見間違えたり、年齢不詳に感じるのはまさしくこのような、子供の特徴をモンゴロイドが備えているからである。

このようにモンゴロイドは人類進化の最先端を走っている(苦笑)。


ではなぜ、モンゴロイドでネオテニーが加速しているのか? その合目性は?


自然淘汰でそうなったのか(例えば、西洋人は長らく狩りを行っていたのに対して、東洋人は農業を早くから始めたためマッチョでなくてもよくなったというようなことはない)、性淘汰でそうなったのか(例えば、西洋人の女性はマッチョ好き、男性はグラマラス好き、それに対して東洋人は男女とも幼児体型が好きというような話しは聞かない。ある程度このような傾向はあるようにも思うが。これについては次回)、納得のいくような仮説はまだない。


たまたま猿がネオテニー化したのが人間であるように、たまたま、さらにネオテニー化したのがモンゴロイドなのかもしれない。


一般論として、ネオテニーがどのような場合に起こるかということもまだよく分かっていない。
大人の体になる必要がなければ、幼児体型のまま性成熟することのメリットはある(変態、形が変形する方の変態です、にはエネルギーと時間が必要だから)。


でももしそうならば、西洋人もネオテニーが同様に進んでも良い筈だ。


これに関しては、またいつか面白い仮説を考えて提出したい。




*最近(2008年)脊索動物であるホヤとナメクジウオの遺伝子から、ナメクジウオの方がホヤよりも大元の生物であることが示唆された。つまり、ホヤ → ナメクジウオ → 脊椎動物(魚)、ではなくてホヤも魚と同様にナメクジウオから進化したことがわかった。


ということは、これまでに考えられてきたような、ホヤから幼生進化でナメクジウオや脊椎動物が進化したわけではないということのようだ。







2012年6月5日火曜日

静岡がんセンター見学リポート(第4夜):がん免疫治療

静岡がんセンター見学リポートの最終夜は、

(3)がん免疫治療。

本来、免疫は外部から侵入してきた異物、微生物に対して発動される防御機構である。

免疫系は乳幼児の頃に自己非自己を学習し発達する。
その頃までに自己と認定されたもの以外は免疫の攻撃対象になる。

細胞ががん細胞化すると細胞表面上のタンパク質や糖鎖構造に変化が生じる。

つまり、うまく免疫細胞ががん細胞を認識してくれれば、患者本人の免疫力で癌細胞をやっつけられるのではないか、というのがこの療法である。

実は我々は気付かないだけで、がん細胞が体のどこかでいつも生れているが、それががんの細胞塊として認識されるようになる前に、自前の免疫で退治されているのではないかと考えられている。
その免疫系をすり抜けて大きく育ってしまったものががんになる。

ここで言う、免疫細胞療法とは、がん患者さんから免疫細胞を取り出して培養し、がん細胞に対して攻撃するものをうまく選択して増殖させて、また患者にもどすことで、患者さんの免疫力を後押ししてあげてそれでがん細胞をやっつけようという試みである。

http://www.seren-clinic.com/2011/01/11/ より

この考えに立てば、免疫力の強い人は病原菌による病気にかかりにくいだけではなく、がんにもなりにくいということになる。免疫力を高めることはがんに対しても重要である。

免疫力を高めるための色々な手だてが流布されているが、その中でも

睡眠をとる、笑う、体温を下げない、等は気をつけたらいいと思う。
笑う(ようなことを経験する)ことによってストレスが軽減するということが大事なのだろう。

また免疫力を高める健康補助食品には要注意!!


がんに効くとされるアガリクス、冬虫夏草、プロポリスは確かなものではない。


http://ja.wikipedia.org/wiki/アガリクス


がん患者とその家族の藁にもすがるような思いにつけ込むような商品は、以前取上げたアンチエイジングに全く効かないコラーゲン商法よりずっとたちが悪い。


4回連続で、静岡がんセンターにおける最先端医療の現場を取上げてきたが、痛感するのは、まだまだがんは怖い病気であるということである。

がんセンターの総長が、自分が生きている間に現在救えない40%のがんの割合を下げることは難しいであろう、と率直に述べていたのが印象的であった。

2012年6月4日月曜日

静岡がんセンター見学リポート(第3夜):オーダーメイド医療

「がん」は悪性疾患一般の総称として用いられることが多いのに対して、「癌」は、肺癌・胃癌・大腸癌・乳癌など上皮性の悪性腫瘍のみに限定して用いられ、肉腫や白血病・悪性リンパ腫は含まれない、と使え分けがなされることが多いので(つまり「がん」の方が「癌」より意味するところが広い)、今後は「がん」を使う。

(2)静岡がんセンターの研究(その2):オーダーメイド医療に向けて

がんだけでなく、personalized medicin(個別化医療、オーダーメイド医療、テーラーメイド医療)という方向で医療が進んでいる。



①患者の全ゲノムの配列を調べることの重要性

これまで体質と言われていた個人の遺伝子の違いが薬の効き、副作用の有無の個人差を生じさせていた。
患者の全ゲノムの配列を明らかにすれば、患者にあった薬を処方できるようになる。

②がん細胞の全ゲノムの配列を調べることの重要性

一口に肺がんと言っても、どんな遺伝子が変異してがん化したかは千差万別である。どの遺伝子が変異しているかを知れば、それに対する戦略も定まる。

ゲノミクス(DNAの網羅的解析)はそのために使われ、それを可能にする次世代シークエンサー(DNA配列解析装置)がすでに実用化されている。ただ、まだ医療現場で使用されるまでには至ってはされていない。


(ロッシュ社の次世代シークエンサー、1500万円)

まだ解析における費用も高いが(30万円)、今後値段は飛躍的に安くなる事が予想されている。

静岡がんセンターでは、それを医療に取り入れようと研究している。

DNAシークエンサーの使い道はそれだけではない。

どのような遺伝子ががん細胞で発現しているかということも、がん細胞の個性を調べるのに重要な手掛かりを与えてくれる。

そのために、がん細胞で発現している全RNAを解析しようという試みがトランスクリプトミクスと呼ばれるものである。RNAを逆転写してDNAにして、それをシークエンサーにかける。
まだこちらの取組みは本格化していないが、それを実用化すべく研究は活発化している。


DNA配列が同じでも、その細胞から同様な遺伝子が同様なレベルで発現しているとは限らない。
(我々の体細胞も全て同じ遺伝子をもっているが発現している遺伝子は違う)

つまり、DNA配列だけをみても細胞の個性は分からないということだ。

そのためにも、トランスクリプトミクスのがんへの応用は急務だ。

次回はこのシリーズの最終回、がん免疫治療について。

2012年6月3日日曜日

静岡がんセンター見学リポート(第2夜):腫瘍マーカー開発

静岡がんセンターのシンボル


富士山と病院のもてなしの「心」をマッチさせたもの。

静岡がんセンターの研究所で行われている研究だが、

(1)新規腫瘍マーカーの開発

癌の治癒率を高めるためには、癌が転移する前に早期に発見することが大事である。

日本で腫瘍マーカー(癌細胞に特徴的な指標となる物質)は約40種類が保険で認められているが、その中で癌の早期発見に役立っているのはたった1つのみという。



http://ganjoho.jp/public/dia_tre/diagnosis/tumor_marker.html


その1つは、男性の前立腺がんの早期発見に利用されているPSAというタンパク質である。

ではその他の腫瘍マーカーが全く役に立たないかというとそうではなく、癌治療の経過観察には役立っている。

http://www.beckmancoulter.co.jp/campaign/blue_clover.html#2



癌の早期発見に役立つための腫瘍マーカーの開発研究に世界中が鎬を削っている。
静岡がんセンターでも、採取した血液で早期発見できるような腫瘍マーカーの開発に力を入れている。

それは"omics"(オミクス)と呼ばれる大規模解析手法を利用したもの。

ゲノミクス(DNAの網羅的解析)
トランスクリプトミクス(転写されたmRNAの網羅的解析)
プロテオミクス(発現しているタンパク質の網羅的解析)
メタボロミクス(アミノ酸等の有機化合物の網羅的解析)

この中で、腫瘍マーカー開発に役立ちそうなのは、プロテオミクスとメタボロミクスである。

プロテオミクスでは、早期発見の診断マーカーに使える、癌細胞特異的に分泌されるタンパク質や、細胞表層に現れるタンパク質を見つけようとしている。

メタボロミクスでも、癌細胞特異的な代謝産物の変化を捉えて、早期発見の診断マーカーに使おうとしている。

癌の治癒率を上げるためには、早期発見に使える診断マーカーを一つでも増やす必要があるが、癌細胞と言っても多種多様な癌細胞がある。どんな遺伝子が変異して癌になっているかで、個性が千差万別である。

そのため、どんな遺伝子が変異して癌になっているかで、その腫瘍マーカーも異なってくると予想される。

つまり、腫瘍マーカーも今後何百種類の開発する必要があるだろう。


このように、上記の取組みと並行して、癌細胞の個性を的確に迅速に判断するための技術の開発が必要となる。

これに関しては、次回。



2012年6月2日土曜日

静岡がんセンター見学リポート

昨日、静岡東部の長泉町にある静岡がんセンターを見学してきた。

癌に深く関わるTOR、RAS、DNA修復、アポトーシスの基礎研究している者として、実際に癌患者さんと日々接して、癌の治療に全力で当られている方々のお話を伺いたかった。

富士のお膝元にあってとてもよい立地条件にある。
長泉町は医療に力を入れていて、人口も地価も増加している。


草彅剛主演の『37歳で医者になった僕』(フジテレビ系 火曜日10時)でのロケ地にもなっている。
(このドラマのような頼りない医局ではありませんとの病院総長弁)



元国立がんセンターに勤務していた山口建総長は高松宮妃の侍医も努められた方。
安定感抜群、といった方。



地方のがんセンターとしてはベッド数、治療法、と言い、図抜けた規模と先端性を誇っている。
一台数億円もする陽子線療法の機械も3台ある。
(通常のガンマ線等の放射線と違い、陽子線は体の奥深くの腫瘍に届かせることができる)

それだけではない。

高松宮妃から感銘を受けたと言う「和の心」、「もてなしの心」を医療現場に取り入れて、患者のために、その家族のために、というコンセプトのもと、そのつくりは患者、家族本意。

医学的治療は癌医療の一部分と言い、全人的なケアを病院で取り組んでいる。

落ちついた雰囲気、豪華なホテルと見まごうばかりのロビー、談話室。

病院特有の臭いを消すために香りにも気をつかっている。
薔薇の花が庭一面に植わっているが、薔薇の香りがそれにも利用されている。



癌治療の現状を意見交換会の際に教えていただいた。

現在、生涯に癌にかかる割合は男性で1/2、女性で1/3。

そして、現在の癌の治癒率は60%だと言う。
この60%の治癒は手術と放射線治療によるもの。

癌はまだ(癌と診断された患者の)40%は助からない病気なのだ。
要は癌が転移してしまうとどうしても治せない。

現在使われている抗癌剤は全てこの転移してしまった患者さんに処方されるものだと言う。
現在使われている抗癌剤は、延命治療にはなるが、癌細胞を撲滅するには至らない。

がんセンターには病院に研究所が併設されていて、そこで未来の癌治療のための研究が行われている。

それについては明日のリポート後半で。

2012年6月1日金曜日

減速世界

一週間経つのが早い。

土日が短いのはしょうがないが(楽しい事はあっという間に終わる)、月から金もあっというまに疾走してゆく。楽しい事をしているか、仕事をしているかはあまり関係なさそうである。

この現象のよくある説明としては

(1)ジャネーの法則

時間の心理的長さは年齢に反比例する。 50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1であるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たることになる。

というもの。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ジャネーの法則

ただこれはそんなもんじゃね、という感覚を数式化してみせたが、本当に生物が微分で時間を感じているのか大いに謎。

(2)新規学習の有無による
子供は日々目新しい経験ばかりで覚えることが多くそのため時間が長く感じるが、大人は同じ事の繰返しであり時間を長く感じられないというもの。その理由が全く説明されていない。それに、大人でも新しい職場や環境に置かれても相変わらず時間は経つのが早く、この現象を説明できない。

退屈な授業は長いです、と学生が堂々と言っているから、退屈は知覚時間を延長する効果があるらしいしこの説明に矛盾する。

(3)心拍数の違いによる
子供は心拍数が早くそのため、思考・行動のペースが早く、一日が長く感じられるというもの。心拍数と思考スピードの相関にも無理があるし、子供の方が加速した時間を生きているという事実がない以上、ただのお話のレベル。危険なことに遭遇するとこれまでのことが走馬灯のように頭の中を駆け巡るというが、そのようなレベルで子供が常に大人より思考スピードが格段に早いということがあろうか?

運動させて心拍数の上がった大人では知覚時間は長くなるのか?

こんな簡単な実験やろうと思えば誰でもやれるし、それでポジティブなデータが出ればすぐに発表されるだろう。そんな話しがないところをみると、この説明もはななだ胡散臭い。


結局、まだこれに対する明確な答えはなさそうだ。

これに答えを出せない理由は、まだ知覚時間というものがちゃんと定義されて測定できていないせいもある。



『アクセルワールド』
神経に働きかけて思考を一千倍に加速するというアプリケーション「ブレイン・バースト」を手に入れてゲームの中で戦闘する話し。知覚時間が一千倍に長くなるということで、本来の時間が超スローになる。

この逆で、大人になると時間が短く感じるということはアプリケーション「ブレイン・シュリンク」をインストールし「ブレーキワールド」、本来の時間が加速する世界になるようなものか(笑)