2012年6月5日火曜日

静岡がんセンター見学リポート(第4夜):がん免疫治療

静岡がんセンター見学リポートの最終夜は、

(3)がん免疫治療。

本来、免疫は外部から侵入してきた異物、微生物に対して発動される防御機構である。

免疫系は乳幼児の頃に自己非自己を学習し発達する。
その頃までに自己と認定されたもの以外は免疫の攻撃対象になる。

細胞ががん細胞化すると細胞表面上のタンパク質や糖鎖構造に変化が生じる。

つまり、うまく免疫細胞ががん細胞を認識してくれれば、患者本人の免疫力で癌細胞をやっつけられるのではないか、というのがこの療法である。

実は我々は気付かないだけで、がん細胞が体のどこかでいつも生れているが、それががんの細胞塊として認識されるようになる前に、自前の免疫で退治されているのではないかと考えられている。
その免疫系をすり抜けて大きく育ってしまったものががんになる。

ここで言う、免疫細胞療法とは、がん患者さんから免疫細胞を取り出して培養し、がん細胞に対して攻撃するものをうまく選択して増殖させて、また患者にもどすことで、患者さんの免疫力を後押ししてあげてそれでがん細胞をやっつけようという試みである。

http://www.seren-clinic.com/2011/01/11/ より

この考えに立てば、免疫力の強い人は病原菌による病気にかかりにくいだけではなく、がんにもなりにくいということになる。免疫力を高めることはがんに対しても重要である。

免疫力を高めるための色々な手だてが流布されているが、その中でも

睡眠をとる、笑う、体温を下げない、等は気をつけたらいいと思う。
笑う(ようなことを経験する)ことによってストレスが軽減するということが大事なのだろう。

また免疫力を高める健康補助食品には要注意!!


がんに効くとされるアガリクス、冬虫夏草、プロポリスは確かなものではない。


http://ja.wikipedia.org/wiki/アガリクス


がん患者とその家族の藁にもすがるような思いにつけ込むような商品は、以前取上げたアンチエイジングに全く効かないコラーゲン商法よりずっとたちが悪い。


4回連続で、静岡がんセンターにおける最先端医療の現場を取上げてきたが、痛感するのは、まだまだがんは怖い病気であるということである。

がんセンターの総長が、自分が生きている間に現在救えない40%のがんの割合を下げることは難しいであろう、と率直に述べていたのが印象的であった。

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