2012年6月23日土曜日

弟も妹もいらない!

比喩でなく、母親は身を削って胎児を育てる。


ヒトの母親は短期間に子供に投資するため、体への打撃は他の近縁種より大きい筈。
そのため、立て続けに次子を出産するのはさけたいところ。
昔は授乳期間が3年くらいと今より長く、授乳期中は妊娠しないため出産は先送りになる。

このお乳を与えていると妊娠しないというシステムは、手数のかかる子が次から次へと生まれてくることを避ける意味で母親にメリットがある。哺乳類では総じてそうである。


ライオンのハーレムを別のオスが横取りした際に、前のオスの乳児を殺すのもそのせい。
折角、死闘を尽して乗っ取ったのだから、すぐにでも自分の子供をメスに産ませたい。
しかし、子供を育てている間はメスは発情しない。そのため、前のオスの子供を殺してしまう。
メスは自分の遺伝子を持った仔であるのだから、殺されたくない筈であるが、体格差のあるオスには勝てない。斯くして、ハーレムの主交替の際には悲劇が起こる。




しかし、授乳期が長いことは子供からみてもメリットがある。


年の近い弟(妹)が誕生すると、これまで独り占めしていた母親の自分への投資が減じる


もう十分に普通にご飯が食べられる年になっても幼児がいつまでもお母さんのおっぱいを欲しがるのは、次の子が産まれてくるのを彼らなりに拒んでいるからである。


運悪く弟(妹)が生れてしまった場合に、お姉ちゃん(お兄ちゃん)が急に赤ちゃん返りしたり、ぐずったりするのも、できるだけ母親の注意と投資を自分に振り向けさせようとする彼らなりの策謀である。



これを「けなげ」とか思うのは親が子供にマインドコントロールされている証拠。

親からの集中的な投資がなくても良くなる頃には、兄弟同士の争いは穏やかになると予想される。

自分らは仲の良い兄弟だったと思える人は幸いである。
自分は遺伝子の操り人形じゃない、と。
(一見、利他的に見える行動が本当に利他的かどうかに関しては研究が進んでいる。いずれまた)





そもそも、赤ちゃんが泣くのは僕(しもべ)である親を傅(かしず)かせるため。
赤ちゃんは無力故に僕が必要なのだが、笑顔(アメ)と泣き(ムチ)だけでしもべを操るのは大したもの。上手に赤ちゃんの気持ちを忖度してあげないと小皇帝は烈火のごとく泣き叫ぶのだ、「この無能ものめが!」と。うまく忖度できた時には「よしよしほめてつかわすと笑顔で褒める。

(黒執事、セバスチャン)


あー、セバスチャンのような有能な執事が欲しい!



0 件のコメント:

コメントを投稿