それも子供を産まなくなった後も。
前にも取上げたように「おばあちゃん仮説」と言って、女性は子供を産まなくなっても、自分の子供や、さらに孫の面倒を見ることによって、包括的適応度(総合的に見た際の自分の遺伝子を残す適応度)を上げていることが明らかになってきている。
今回、サイエンスに載った論文で同様な結果がシャチでも見られることが報告された。
メスのシャチは30〜40代で出産を終えるが、最長90代くらいまでは生きる。
このように生殖年齢を過ぎてもメスが長生きするのはヒト以外には一部の哺乳類だけである。
シャチのメスは結婚しても群を離れない。
一方、オスは結婚するとお嫁さんの群で暮らすようになる。
お母さんシャチとしては、息子を産むと他の群に自分の遺伝子を送り込むことができる。
政略結婚的?なメリットがある。
そのため、お母さんとしては息子の生存は一大関心事。
生殖年齢を過ぎたお母さんを失った息子のシャチを追跡調査したところ、その後の1年間の死亡率がお母さんを失っていないシャチの13.9倍になった。
これは娘の場合の5.4倍を大きく上回った。
つまり、生殖年齢を過ぎたお母さんが、息子の生存にかなり貢献しているということ(勿論、娘に対してもそれなりに)。
でも言い換えれば、母親が死んだら頼り切っていた息子は生きていけずに後を追うように死んでしまった。。とも見える。
息子にとって母は偉大だ。
(母を訪ねて三千里)
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