2014年2月4日火曜日

ヨーロッパ人はどこから来たのか?

それまでは、農業で人口が増えた中近東の人々がヨーロッパに移動していったと考えられていた。

つまり、農耕民族が先住民族を駆逐して行って、民族の置き換わりが起こったという説だ。

もしそうなら、DNAの集団の遺伝学的多様性は一万年そこそこの筈であった。

それを支持する状況証拠として、現代のヨーロッパで使われている言語のほとんどは、インド=ヨーロッパ語族に属する。

東方の民がヨーロッパに移動してきたと考えてもよい。

もちろん、文化として言語が他民族に伝播したという考え方もできなくはないが。

言語学に詳しくないのでこれは私見だが、
単なる文化と違って、言語というのはかなり根本的な強固な文化であり、他民族と接しているからといって、おいそれと他の言語に置き換わるということは考えにくい。

大陸でも異なる民族が異なる言語をしゃべっている。韓国では中国と何千年も濃密な接触があって、ほとんどの文化は中国の影響を受けているが、言語は頑に韓国語である。

日本人もしかり。

日本ほど、他国の文化を容易に受け入れて我がものにするという国は他に知らないが、その日本であっても、単語は外来語を受け入れても、文章そのものを英語に変えようということはない。

一度、小さい時に習得した言葉から他の言語に変えることの難しさは、英語教育をこれだけやっても、日本人の英語苦手意識をみれば、いかに言語文化を変革するのが困難かはわかるであろう。

第二母国語として英語やフランス語を採用している国は、上からの押しつけ、他民族との意思疎通のためにやむなくそのようになっているだけで、そのように強い権力と要請がない限り、日本語が英語に取って代わることは将来もあるまい。

しかし、DNA分析が行われた結果、現在のヨーロッパに住む人々は一万年を遥かに超える分岐をもって広がっていることがわかった。

比較的最近まで狩猟採集民族であったバスク人も、その他のヨーロッパの人と同じであった。



つまり、狩猟採集から農耕に変わる際に他民族に置き換わりが起きたという従来の説は正しくないことが示唆された。

1995年にサイクスがこれを発表すると、それに対して多くの反論が起こった。

ミトコンドリアDNAの配列だけの結果で、従来の説をひっくり返そうとしたのだから、その反動も大きかったというわけだ。

それにサイクスは再反論すべく、自説を補強する材料を準備しなくてはならなくなった。
(明日につづく)

それは違うよ!!
ダンガンロンパ

2014年2月3日月曜日

狩猟民族から農耕民族へ

今日もブライアン・サイクス『イヴの七人の娘たち』より。

人類が初めて植物を栽培し、野生動物を家畜化したのは約1万1千年前の中近東、チグリス、ユーフラテス川の肥沃の三日月地帯と呼ばれる地域だ。メソポタミア文明として習った。


一人の人間が狩猟で生きて行くには狩り場として10キロ四方が必要であるとされる。

しかし、農業を始めたことで同じ面積で50倍の人口が養えることになり、人口が飛躍的に増加しただけでなく、獣を追いかけて移動する必要がなくなったために、定住することになり町が形成されるようになった。

さらに、農業の生産性があがると人手が相対的に下がると、農業以外の専門職業が生まれた。

その後ほどなくして、農業はヨーロッパに伝わるやいなや、狩猟民族はヨーロッパから姿を消した。

かつてクロマニョン人がネアンデルタール人にとって変わったように、ヨーロッパで狩猟民族は農耕民族に駆逐されたのであろうか?

それとも文化として農業が他民族に伝わっただけだったのであろうか?

それを検証するために、またDNA解析の出番となった!
(明日につづく)

現在の日本には、ガンダムの民とエヴァの民が混在しているww

2014年2月2日日曜日

こわい漢字(120)加と嘉

今日も、小山鉄郎『白川静さんに学ぶ 漢字は怖い』より。

昨日に引き続いて、「力」に関連した漢字。

まず「加」。

これはもともとの漢字では「力」が「口」、甲骨文におけるサイ(サイ)、祝詞を入れた箱と組み合わせてできている。



「力」を意味する鋤を当時、祓い清めて用いていた。

農機具を祀る風習は日本にもあった。

農業は努力だけではなんともならない。

天にあっては日照、適切な降雨、風水害からの回避、地にあっては害虫、病害からの回避の末に、やっと収穫を得られる。

農具を祀る背景には、人事ではどうしようもないこれらのことがらを神にお願いして何とかしてもらいたいという切実な願いがある。

つまり、人事(労働、「力」で表す)に天の加護(「口」)を加えることで農作物の産生を高めることが、「加」。

この「加」に「鼓」の篇が乗っている字が「嘉」。

お祓いの際に鼓を打ち鋤を浄めることを表している。


その後、善い儀式全般のことを表し、「よい」、「よみする(よしとして褒め称える)」を表すことになった。

百合にロボットを加えた、神無月の巫女

2014年2月1日土曜日

こわい漢字(119)男

男が怖いか、と問われればそうかもしれない。

野卑でデリカシーがなくて粗暴で、とアンチな言葉を並べればいくらでもでてきそうだ(^ ^;

だけれども、その中で特別な人ができる不思議。

それはさておき、

古代中国殷はれっきとした農業国家であった。

中学で習ったように、およそ古代文明と言われるものはすでに農業を何らかの形で獲得していた。

そうでなければ、多くの人口を抱える国家なるものは形成できない。

この日本列島に、狩猟採集の縄文時代にはおよそ10万人しか生存していなかった事実を考えてほしい。

ということで、今日は農業に関する漢字。

それが「男」。

「男」は「田」に「力」。

田んぼで汗だくで力仕事をするのが男、というもの。

戦争の前線で戦って死ぬのが男、とかいう漢字よりはなんぼかマシか(苦笑)

その「力」という漢字は、土を耕す鋤(すき)から出来た文字。



鋤を用いて土を耕すのは力の要る仕事である。

そこから、「ちから、つとめる、はげむ」の意味がうまれた。

「男」はこの田圃で働くひと(農人)、というよりは、もともとは農耕の管理者を意味していた。



それが「男爵」ということばに残っている。

当時はいわゆる「男」のことは「士」と呼び、「男女」は「士女」と言った。

また、下層階級の男は「夫(ふ)」と呼ばれ、「農夫」という形で残っている。

しかし、その後、身分の高い順に、卿、大夫、士、と男の序列が呼慣らわされるようになったのは、戦士階級が没落して、農夫の管理者である大夫の地位が向上して、「夫」と「士」の順位が逆転した。

現在使われるような「男」としての意味に「男」が使われるようになったのは、春秋戦国時代。

ガンダムのアムロ

エヴァのシンジ
どちらの主人公もテンプレの男らしくないところが、良かったww

2014年1月31日金曜日

ネアンデルタール人は絶滅したか?(2)

ネアンデルタール人と現生人類の間に性的な交流があって、その両者の子孫が残され、現在もその混血の遺伝子をもっている人が生き残っているかどうか、はとてもロマンを掻立てられる問題である。

現生人類は約25万年前に誕生したと考えられている。

つまり、ネアンデルタール人と少なくとも25万年前には分岐したと考えられる。

ミトコンドリアDNAの中で類縁関係で調べられるDループと呼ばれる領域のではおよそ1万年につき一塩基の変異が生じるとされる。

これを考慮すると、もし、ネアンデルタール人と現世人類が再び交雑したと考えると、現代のヒトのミトコンドリアDNAのDループ中におよそ25カ所の変異が幅がなくてはならない。

しかし、ヨーロッパのある地域の人々100人のDNAが調べられたところ、平均してたかだか3カ所しか個人差はなかった。

このことは、これらのヨーロッパ人がすべて現生人類か、すべてネアンデルタール人か、どちらかを示唆する(もちろん、後者ではない)。

つまり、混血はなかったとDNAは教えてくれる。

さらに、2006年から2008年にかけて行われたネアンデルタール人のミトコンドリアDNAの全配列解析からも現生人類との交配の証拠は見つからなかった。

しかし、2010年、アフリカのネグロイド以外の現生人類には、絶滅したネアンデルタール人類の遺伝子が1-4%混入しているとの研究結果が発表された。

この研究結果が正しければ、出アフリカ後に中東を経てヨーロッパからアジアにまで拡がって行った現生人類は約3万年前に絶滅してしまったネアンデルタール人類の血をわずかながらも受け継いでいることになる。

ミトコンドリアDNAは母系遺伝するので、ここから分かるのはネアンデルタール人の女性が現生人類との間に子供をなした、ということ。

人類の歴史を見ればわかるように、征服者が被征服者の女性を戦利品扱いして我がものにすることは多々ある。

現生人類がネアンデルタール人を征服して女性を略奪したという悲しい出来事が過去にあったのかもしれない……

バンパイアと人間の混血
リザ・ワイルドマン
怪物王女が終わって寂しい…

2014年1月30日木曜日

ネアンデルタール人は絶滅したか?

唐突に、ネアンデルタール人は絶滅したか?、と言われたら、

誰しも「イエス!」と言うだろう。

そりゃそうだ。下の図でみるようなネアンデルタール人は今はいない(似た人はいても)。

これでも女性だ

まず、ネアンデルタール人とは何者か、おさらいしよう。

ネアンデルタール人
1856年、ドイツのデュッセルドルフ郊外のネアンデル谷 (Neanderthal) 顔面や四肢の一部を除く骨が発見された。現生人類に比べて骨格は骨太で四肢は短かったものの、結構似ている。

尖った石器もつくり、火も用い、埋葬も行っていた。

埋葬された遺体とともに、ノコギリソウやヤグルマギクなど数種類の花粉が大量に発見されたことより、ネアンデルタール人には死者を悼む心があり、副葬品として花を遺体に添えて埋葬する習慣があったとの説が提唱されている。

ネアンデルタール人は25万年前にはすでにヨーロッパに住んでおり、住んでいた範囲は下の赤点で示すようにヨーロッパの幅広い地域に分布していた。



ネアンデルタール人が絶滅したのは2万数千年前。

その原因はよくわかっていないが、現生人類(当時のクロマニョン人)との戦いにより絶滅したとする説や、獲物が競合したことにより絶滅へ追いやられたとする説、気候が変動したことで食べ物がなくなり衰退したとする説、等、さまざまな説が提唱されている。

上記で「絶滅」という言葉を使ったが、やっぱり絶滅したんじゃないか、と言われそうだが、もう一つの説がある。

現生人類と混血しホモ・サピエンスに吸収されてしまった説、である。

つまり、ネアンデルタール人の血、遺伝子は現世人類に受け継がれている、という説である。

というのも、現世人類はすでに3万5000年前にはヨーロッパに進出されていたとされ、ネアンデルタール人と1万年近く共存していた。

これは是非、確かめなくてはいけませんねぇ。

ということでネアンデルタール人のDNAがブライアン・サイクスらによって調べられた。
(明日につづく)

だが男だ
シュタゲ、ルカ子

ポリネシアとサツマイモ

昨日のつづき

ポリネシア人は台湾から島伝いにひろがっていったことがDNA鑑定から明らかになったわけだが、謎が残った。

ポリネシアではサツマイモが栽培されている。

サツマイモは南米原産であることが分かっている。

そのため、当初、ポリネシア人が中米から渡ってきたと考えていたくらいだ。



しかし、DNA鑑定はうそつかない。

ということは、ポリネシア人が海をわたり中米に上陸しそこからサツマイモを持ち帰っていたということだ。

日本にも戦国時代の終わりころに西洋人によってサツマイモがもたらされた。

まず薩摩(鹿児島)に伝えられたため、サツマイモと呼称される。

コロンブスが新大陸を発見したことで、この他にも中米原産のジャガイモも世界に広まった。


西洋人は新大陸でいろいろ悪いことをしたが、これに関してはありがとう、と言う。

アニメの風は日本から広まる