この研究から見えてきたのは、ダニというストレスに対して、オスの尾羽の長さとシンメトリー度が敏感に反応する、ということ。
オスの尾羽の長さがのびるのは、オスの第二次性徴時、もしくは換羽期である。
つまり、ツバメの場合に第二次性徴はストレスに弱いということだ。
この結論をさらに検証すべく、次に彼が調べたのがチェルノブイリでのツバメ。
ご存知のように旧ソ連(現在のウクライナ)のチェルノブイリで1986年に原発事故が起こった。
放射能によりそこに棲む生物(残念なことにヒトも含めて)の遺伝子が傷つけられた。
チェルブイリの事故の前後でツバメの尾羽が調べられた(事故前のサンプルは標本)。
その結果、事故後にオスの尾羽は短く、シンメトリー度も悪化した。
つまり、オスの尾羽はここでもストレスに弱いことが示された。
尾羽をきちんと成長させるのには、いい遺伝子(いい素質)といい環境(餌をたくさんたべるとか、ダニにやられないとか)の両方が必要なのだ。
ストレスに弱いシンジ君のシンメトリー度は?笑
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