2013年12月6日金曜日

真核生物の誕生と寿命の誕生

大腸菌のような原核生物(バクテリア)は細胞の大きさも小さい。

我々、ヒトを含む真核生物の細胞の大きさに比べて。

真核生物は10マイクロメートル、それに対して、原核生物はその1/10の大きさ。


体積では1/1000の違いとなる。

ゲノム(全DNA)のサイズも約1000倍になった(大腸菌とヒト)。


ゲノムサイズと細胞サイズの正の相関は、真核生物の種間でもおおよそ成り立つ。

よく知られているように、現在の栽培コムギは6倍体である。

野生の2倍体のコムギから、人間が選抜して現在の大型のよく実が実るものができた。


ゲノムサイズが大きくなると、そこから供給されるタンパク質も増える。

つまり、単位時間に供給できる細胞を支える部品がふえることになる。

そのため、細胞サイズを大きくすることが可能だ。

ゲノムサイズが小さいとそうはいかない。

しかしゲノムサイズが大きくなり部品がふえるとゲノムの変異も増える。

部品がふえると個々の部品の歩留まり率は同じでも、それが集まってできる製品の歩留まり率は指数関数的に低下する。

部品の数には限りがあると考えられている。

以前のぶろぐを参照。

より進化した生物は誕生するか?
http://ushitaka7.blogspot.jp/2012/06/blog-post_27.html

そのために、二倍体化が必要であったと考えられる。

二倍体になれば、片方の遺伝子が壊れてももう片方が働いてくれる。

ゲノムサイズの巨大化のために、二倍体化は必要だったのだろう。

しかし、そのままでは、いずれもう片方の正常の遺伝子も壊れるだろう。

そのためには、折角二倍体化したゲノムを一度半分にして、またそれを接合させて二倍体にして組み合わせを新しくしてその遺伝子の組み合わせを試すこと、異常な遺伝子を排除することになった。

それが「有性生殖」の起源であると私は考える。

それは、ゲノム、DNAの目線で考えるとさらにクリアな考察となる。

ゲノムにとっては細胞は、自分が増えるための単なる乗り物である。

車がボロボロになって、自分の複製もできなくなっては本末転倒である。

車(細胞)がボロボロになる前に、新たな車に乗り換える。

多細胞生物では「細胞」を「生物個体」と読み替えればよい。

つまり、真核生物となりゲノムが巨大化したからこそ、それによってわれわれは、ゲノムによって常に乗り換えられる存在となり、寿命、死が誕生した。

我々は複雑な生物になるために、死を副産物として享受することになった。

QBと契約することによって魔法少女が誕生する

0 件のコメント:

コメントを投稿