2013年11月2日土曜日

こわい漢字(93)需める

今回も小山鉄郎『白川静さんに学ぶ漢字は怖い』から。



旱魃になると巫祝長である王は雨乞いをして、雨が降ればいいが降らないときには焼き殺された。

それを表しているのが、「饉」のような字に残されている。

今回は、それに関連した字。

漢文で「而うして(しこうして)」と使われる「而」。

これは頭髪を切って結髪していない巫祝を表している。



接続詞としての使われ方は仮借(かしゃく)である。

「仮借」とは、その語を表す字がないため、既存の同音あるいは類似音をもつ字を借りて表記することをいう。当て字の一種。

例を挙げると、「我」は、矛の一種を表す字であったが、仮借により「われ」を表すようになった。

ちなみに中国人は、漢字を忘れて書けない時にどうするのか?

日本人なら、ひらがなで逃げられる。

そういう時、中国人は仮借で逃げる。同じ音の簡単な漢字を当てる。

関連として「需要」の「需」。訓読みでは「もとめる」。

これは巫祝が雨乞いしている、雨をまつ、もとめるという意味に。


そして、「儒教」の「儒」は元々は雨乞いをする巫祝のこと。


儒者は雨乞いに関わる下級の巫祝だった。

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