2013年11月20日水曜日

メスとオスの血が混じらないアリ

クローンアリの話のつづき。

今回取り上げるアリはさらに特殊。

それはコカミアリとウメマツアリ。

ウメマツアリ

昨日紹介したヤマトシロアリは、女王アリはオスの遺伝子を入れずに、自分のクローンである次期女王アリの卵を産む。

コカミアリとウメマツアリも、自分の遺伝子のみからなる未受精卵が次期女王アリになる(オスの遺伝子は入らない)。

自分の遺伝子にオスの遺伝子を混ぜるのは、次世代に王になるオスの卵を産む時と子供をつくらないワーカーの卵を産むときのみ。

この仕組みを採用している遺伝子からみたメリットとしては、自分の遺伝子は100%子供に伝えることができると同時に、ワーカーには遺伝的多様性が確保でき、病気によるコロニーの全滅回避、分業のしやすさを担保できる、ということにあろう。

しかし、オスもさるもの。

仕組みは不明だが、受精卵のうちでオスアリ(将来、王になる)になるものは、発生の過程でメスの遺伝子が消されてしまい、オスのクローン(ホモ接合体)が生まれる。

そして、子供を作らないワーカーには、オスメスの遺伝子が混ぜった受精卵が使われる。

まとめると

女王アリ  母の遺伝子のみ受け継ぐ
王アリ   父の遺伝子のみ受け継ぐ
ワーカー  父母の遺伝子を受け継ぐ(子供は産めない)

つまり、メスとオスは交尾し受精も行うが、両者の血(遺伝子)は将来引き継がれる子供の中では混じり合わない。

つまり、お互い、遺伝子をやりとりすることがなく、あたかも別種の生物のように異なる遺伝子を持つ。

オスにとっても、メスがその気ならこちらにも考えがある的な対抗手段を発達させたものと考えられる。

オスとメスの争いは全ての生物の悩みの種か(笑)

何を願うか、悩むなぁ

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