2014年3月6日木曜日

生き残るのは片方だけ

遺伝子は、子孫に「多様性」というプレゼントを贈るために、面倒な有性生殖を行って遺伝子をシャッフリングし、また染色体同士も減数分裂時に組換えを行う。

しかし、有性生殖で得をするのは常に核にある遺伝子だ。

細胞中には核の他にもミトコンドリアがもつ遺伝子がある。
(植物の場合には、葉緑体の遺伝子も存在する)

ミトコンドリア遺伝子は配偶子(精子や卵子)が接合した後にも、別々のミトコンドリアの中に存在するDNA同士は寄り添うこともなければ、組換わることもない。

むしろ、配偶子が接合した後、ミトコンドリアのDNA同士が相手を殺し始める(DNA分解酵素を相手のDNAに浴びせかける)。

以前このブログで取り上げたが、核DNAはつきあうミトコンドリアDNAを一人と決めている。

つまり、ミトコンドリアDNAは核DNAのパートナーとなるために、生き残りをかけて戦うのである。

まるで、女性を巡って決闘する男性のように。

昨日のクラミドモナスでは、戦いで95%のミトコンドリアDNAが分解されてしまう。

もし、双方のミトコンドリアDNAの力が五分五分なら、相打ちになってしまうかもしれない。

これでは、ミトコンドリアDNA自身のためにもならないばかりか、核DNAにとっても困った事態なのである。

核はそうならないために、どちらかのミトコンドリアDNAが有利になるように肩入れする(例えば、最初から接合時に持ち込まれるミトコンドリアDNA量をアンバランスにするとかで)。

それが「性」だ。

つまり、核に味方してもらってミトコンドリアDNAを残す方の性が「メス」、ミトコンドリアDNAを残せない方の性が「オス」と呼ばれている。

異型配偶子をつくるヒトでは、精子は受精時にミトコンドリアDNAを卵子に持ち込めない。

入るのを許可されるのは核のDNAだけだ。

これをみても、現在の細胞のシステムは核DNAの「オレ様」状態なのだ。

オレ様、千秋さま
のだめ
なつかしいw

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