2013年9月11日水曜日

なぜ人類の女性は常に発情しているのか?

今回も竹内久美子の『男と女の進化論』から。

この本は発刊からすでに20年近く過ぎているので、進化学の内容として古いものになっているのが残念だが、その当時の学説が知れて面白い。

さて、犬でも猫でも発情期があり、いや、ほとんどの哺乳類には発情期がある。

哺乳類でメスに決まった発情期がない(つまり、いつも発情している)のは人間だけという。

この特殊性に関して、彼女の展開する論理は以下のようなもの。

近縁種のチンパンジーでは、発情期間が長く、発情期間のメスはオスから食料を分けてもらえる代わりに交尾を許すことが観察されている。

つまり、人間の女性が常に発情するようになったのは、昔、男に体を任せる代わりに男から食料をわけてもらえる慣習があり、そのため、発情期間の長いメスがより子供を残しやすくその子孫がふえたのではないか。


はい、先生質問です!
では、なぜ全ての哺乳類のメスでそうならないのですか?

人間だけなぜそんな特殊性を身につけたのですか?


と自分なら突っ込む。

質問を変えよう。

なぜある特定の時期だけに哺乳類の発情期が存在しているか?

ヒグマのメスは穴の中で冬眠中に出産する。

そして春になり、雪解けの季節となりたくさんの食べ物にありつけるようになる頃に、親子共々穴から出てきて子育てをする。

つまり、子育てをするのに適した季節(餌が豊富にある季節)がまずあって、そこから逆算されて発情期が設定されているのだ。

いくら、発情しているとオスから食料を分けてもらいやすいからと言って、エサがない時期に発情してオスに体を許しても見返りはない。

さらに、もし餌が少ない時期に子供を出産することにでもなれば一家全滅だ(子供はおっぱいで育つとしてもお母さんの食料は必要)。

つまり、人類の女性が一年中発情できるようになったのは、おそらく、どの季節に子供が生まれてもその子供を育てるだけの食料を人類が調達できるようになったためなのだ。

つまり、食料調達が前提であり必要条件なのだ。

ある時点で人類は年間を通して、まんべんなくある程度豊富な食料を調達することが可能になったと思われる。

サルのような樹上生活者ではそうはいかない。

木の実のなる時期は決まっているから。

おそらく、人類がハンターになり肉食を始めたことがきっかけであろう。

いつでも子育てできる状況が整えば、発情期間の長いメスの方がより多くの子供を残せる。

しかして、女性は常に発情しっ放しとなった。

この仮説を検証するには、肉食、草食問わず、一年中餌が豊富にある野生生物と餌の偏りが大きい野生生物での発情期間を比べれば良い(誰かやって)。

加えて「昔、男に体を任せる代わりに男から食料をわけてもらえる慣習があり、そのため、発情期間の長いメスがより子供を残しやすくその子孫がふえたのではないか」云々には賛同できない。

チンパンジーは乱婚制であり、人間は一夫一妻制である。

人間の場合、夫と妻が常にお金(食料)を仲立ちにして男女が交接しているか、といえば違う。

一夫一妻制は、そのような危うい契約で成り立っているのではない。

竹内久美子の本は「面白ければよかろうなのだ」的なところがあり、諸処、論理的に甘いところがある。

突っ込みながら読むのが好きな人にはよい本か(笑)

突っ込みどころ満載なマンガ、アニメであっても
面白ければよかろうなのだァァァァッ!!
ジョジョ、カーズ

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