2013年4月30日火曜日

吸血コウモリの互恵主義

コスタリカの吸血コウモリは昼間は木のうろのなかですごし、夜間は大きな獲物を探して飛び回る。

彼らは獲物の動物を見つけると皮膚から気付かれないように血を吸う。



しかし吸血コウモリの食生活は不安定であり、獲物を見つけられなかったり、十分量吸えなかったりということが時々起こる。

二晩連続して失敗すると餓死する危険にさらされる。

しかし、普段は必要量以上に血を吸えるため、余分に血液を飲み、お腹を空かせた他のコウモリに分け与える。それも血のつながっていないコウモリに。

まるで、困っている友人を助けるがごとく。

利己的な遺伝子理論からしたら、この吸血コウモリの利他的行動は説明がつかないようにみえる。

しかし、詳しく調べた結果、興味深いことを研究者は見出した。

過去に仲間に血を分け与えたコウモリは、その相手から困った時に血をもらうことができた。

逆に分け与えるのを拒否したコウモリは、自分が困った時に逆に相手にされなかった。

お返しもするが、仕返しもするというわけだ。

つまり、コウモリはちゃんとお互い個体認識して互恵関係を築いている。

抜け駆けするような者は生き残れない社会なのである。

これは「無限回繰返しの囚人のジレンマ」ゲームから導かれる結果と同じものである。

ここから導き出されるのは、利他的行動は自分が生き残るための行動であるということだ。

生物にとって、遺伝子にとって、その戦略が自分のためであるならば、喜んで他人を助けましょ! (・∀・)ノ という話。

これを身も蓋もない話と言う勿れ。

何十億年も生き抜くためには、遺伝子は計算高くならざるを得なかった。

バンパイアといえば、やっぱロザバン(・∀・)ノ
第三期やらんもんか

2013年4月28日日曜日

こわい漢字(40)館に帰(歸)るとは?

そして、前回の官に「食」偏がプラスされてできた漢字が「館」。



「官」は古代中国殷で、戦さの際に占いや呪術に使う祭肉を祭る御霊屋を表していた。

その場所で、その役目に当る将官たちは食事を摂って寝た。

そのため、「官」の建物としての意味はその後「館」が引継ぐことになった。

もともとは「館」は政府の公館の意味として限定的につかわれていたものの、その後一般の私人の大きな邸宅も「館」と呼ぶようになった。

そして、「帰」も実はこの祭肉に関係する。

「帰」の旧字(正字)は「歸」。

二枚の祭肉(タイ)に「止」と「帚」が加わっている。

「止」は足の裏からできた漢字で、ゆく、すすむ、を表すが、ここでは「もどってくる」という意味に用いられている。


帚は酒をふりかけて御霊を安置する廟を掃き浄めるために用いられたため、「廟」の意味があった。

つまり、帰るとは、戦を終えた軍隊が帰還して先祖の御霊を祭る廟に肉を安置して、無事帰還したことを先祖の霊に報告する、ということ。



家に帰った際の「ただいま」にも「只今、無事帰還しました」という気持ちが籠る。

今日も、みなさんが無事帰還することを祈っていますよ (^o^)/

ゲームの中に閉じ込められてしまった魂は無事帰還できるか?


2013年4月27日土曜日

こわい漢字(39)「官」

本日も小山鉄郎著『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』から一席。

当ブログでのこの漢字シリーズも結構長くなった。
これを読んで漢字の成り立ちに興味をもった人は是非にご購入下さい。
とても楽しい一冊。



今回も二枚の肉の話のつづき(笑)

現在でも役人の意味がある「官」。

大学の先生は以前は国家公務員で「教官」と呼称されてきたが、10年程前の独立法人化後は「教員」と呼称が変更になった。

本当にこの独法化は各大学を過酷なサバイバルゲームに突き落とした(この愚痴はいずれ、笑)。

それはさておき、

この「官」は先祖の御霊を安置している御霊屋(みたまや)を表す「宀」と「追」の辶の中の字(タイ)(二枚の肉)を組み合わせてできている。



この字は元々は戦の際の祭肉を安置する聖なる場所を表した。

そこから、その祭肉をつかさどる軍隊の将官の意味となり、そしてその後さらに、役人一般の意味へと転用されるようになった。


教官が怖いのは、もともと軍隊の由来だから仕方ないと諦めて下さい(^-^;


大学教員、職員の中にも学生にすごくつっけんどんな態度をとる人がいるが、役人根性は早々と捨てましょうね(笑)

ガリレオ、高視聴率(・∀・)ノ

2013年4月26日金曜日

タカ派とハト派

「囚人のジレンマ」ゲームと同様に知られているのが「タカ派ハト派の戦略」ゲーム。

ライオンでもヘラツノジカでもトドでもハーレムをつくる動物の多くはハーレムを奪いにくるオスに対して死守するオスも死に物狂いで戦うが、一般的に相手を殺すところまではいかない。

利害関係が相反する両者が出会った際に動物は、戦う方が得策か、逃げる方が得策か、これをゲーム理論化したのが「タカ派ハト派の戦略」ゲーム。

「タカ派の戦略」→どちらかが大怪我して動けなくなるまで徹底的に戦う。
「ハト派の戦略」→自分より強そうだなと思ったら、すっと引き下がる。

とする。

ピカソ「鳩」


タカ派的に振舞う方がいいだろうと単純に考えがちだが、そう簡単ではない。

これをゲーム化するに当り次のような配点を与える。

<ゲームの得点>
①タカ派とハト派が戦うケース
必ずタカ派が勝つ(タカ10点)
●敗者のハト派は引き下がるだけでダメージは受けない(0点)

②タカ派同士が戦うケース
勝率50%、タカ派同士は徹底的にダメージを与えるので負ければ(-50点)
勝ってもダメージをかなり受ける(10点)

③ハト派同士が戦うケース
勝率50%で、勝てば10点、負ければ0点
●しかし、お互いじっとしているだけでなかなか決着がつかないので時間的ロスが生じ(-3点)、

集団中のタカ派の割合をP(0<P<1)とすると

※タカ派の得点
タカ派に出会った時=(10 - 50)÷ 2= - 20点
ハト派に出会った時=10点
タカ派の平均得点=(- 20点 × P)+10点×(1-P)=10 - 30P

※ハト派の得点
ハト派に出会った時=(0+10)÷ 2 - 3 = 2点
タカ派に出会った時= 0点
ハト派の平均点= 2点×(1-P)+ 0点 × P = 2 - 2P

両者の割合が平衡状態になるのは、平均得点が等しくなったときだから、

10 - 30P = 2 - 2P ∴P = 0.28 →(タカ派28%、ハト派72%)

以上の計算でタカ派が3割弱、ハト派が7割強を占めるときが安定状態になる。
(この割合は最初に仮定した得点の配点により勿論異なってくる)

ただし、この単純化したゲームでは、相手の出方によって自分の出方を変えないという前提になっている。

実際の集団内では、人も含めて、相手を認識し、こいつはどういうやつかを分かってふるまうため、こんな単純な話にはならない。

人だけではない。

このいい例を中米のコスタリカに棲む吸血コウモリにみることができる。

(次回につづく)

連想ゲーム、吸血コウモリ、ヴァンパイア、BLOOD+!(・∀・)ノ



2013年4月25日木曜日

囚人のジレンマ(3)150人がちょうどいい人の集団サイズ

昨日の続き、

あまり大きい集団になると、あまり付き合いのない人もでてくるようになり、結局はかかわり合わないような人が出てくる。

その結果、助け合いというシステムが働きにくくなる。

それでは、一体、人類はどのくらいの集団のサイズで暮らしてきたのだろうか?

哺乳類の中で比較的頭のよい生物の脳の新皮質の大きさとその生物の集団のサイズには正の相関がある。

複雑な社会を作ってやっていくには、その集団にいるメンバーの個体識別が必要であり、そのためには頭脳がある程度よくなければならないから。

このようにして、導き出されてきた人類の集団サイズは約150人。

つまり、人類の脳は150人くらいの集団の個々人を識別するキャパしかないということ。

典型的な狩猟民族の集団をしらべてみると150人程度、アドレス帳に載っている人の数も150人程度、陸軍中隊の人員数なども150人くらいであることが知られている。

150はお互いによく知り合うことのできるマックスの数ということだ。

人類は長い間、このような顔見知りばかりの集団で暮らしてきた。


互恵主義は、人々が互いを認識し合うことができてこそ成り立つ。

自分を助けてくれる相手、助けてくれない相手、あるいは敵を覚えていて、次の機会にはそれによって自分の振舞い方を決める。

認識できなければ、恩返しすることも、復讐することもできない。


客商売の職業に就かれている人は、アドレス帖に人名が多いと思うが、さぞや大変だと思う。

アドレス帳もケータイももってない巨人はどうする?

2013年4月24日水曜日

囚人のジレンマ(2)都会ではなぜ人間関係が殺伐としているか?

昨日「囚人のジレンマ」のつづき

昨日の話は、囚人がこのゲームを一回行うときの振舞い方を考えた。

これは実社会に当てはめて考えると、次に絶対出会いそうもない、利害が一致しない他人と巡り会った際の場合、の話と考えることができる。

囚人だって刑期を終えたら出所する。

自分は裏切らなかったのに相手が裏切った場合には、その相手に復讐することは十分あり得る。

もしそこまで考えていれば怖くて相手を裏切れないだろう。
(「囚人のジレンマ」ゲームでは復讐はないものとして考えている)

ジョジョ第5部
マフィアを相手に裏切る勇気!(・∀・)ノ


大都会に暮らしていると、町で出くわした他人と次にまた出会うことはほとんどない。

つまり、都会の方が、相手を裏切っても(そこまで露骨でなくても、親切にしなくても)自分が次に被害に遭うことは少ないために、つまり、一回こっきりの「囚人のジレンマ」の囚人として、人は振舞う傾向にある。

都会で人間関係が殺伐としているのはそのためである。


しかし、その相手と今後も出会い続ける場合、そう、クラスメートだったり、田舎の近所の人だったりした場合には、相手を裏切るようなことを一度したら、その後、相手がどうでるか分からなくて、そんなことはしにくくなる。

北朝鮮がもし核爆弾をアメリカに向けて一発でも発射しようものなら、アメリカは全力で総攻撃して北朝鮮に復讐し恐らく北朝鮮は壊滅するだろう。

つまり、これは、ゲームが複数回繰返してプレーされる場合の「囚人のジレンマ問題」ということになる。

これを突き詰めると「無限回(いつ終わるか知らされていない)繰返し型の囚人のジレンマ問題」となる。

複雑な数式もあるが(wiki参照)、そのような場合には、生物は他者と協調的に行動する方が得策ということになり、一見利他的行動をとるようになるだろう、ということが直感的に理解できる。

たとえば、雨の降る日に傘を忘れた友達を見つけたらその子に傘を貸してあげる。

そうすれば、次に自分が困っているとき、その子はきっと自分を助けてくれるだろう。

もしその子がそうしなかったら、次の時はその子を助けてやらなければ良い。
もちろん、傘を貸す時にこんな風に理詰めで考えてはいない。

そのように振舞うことが回り回って自分のためになるということを本能で知っていて、そのように行動する。

そう「情けは人の為ならず」。

我々は、そのようにして進化してきた生物の子孫なのだ。


カンタの恋はその後どうなったのでしょうね (^-^)





2013年4月23日火曜日

囚人のジレンマ(1)相手を裏切る方が得!

昨日のつづき。

もっともよく知られたゲーム理論の1つが「囚人のジレンマ」である。

以下、長くなるがwikiからの抜粋。

http://ja.wikipedia.org/wiki/囚人のジレンマ


問題

共同で犯罪を行った思われる囚人A、Bを自白させる為、警官は2人に以下の条件を伝えた。
  • もし、お前らが2人とも黙秘したら、2人とも懲役2年だ。
  • だが、お前らのうち1人だけが自白したらそいつはその場で釈放してやろう(つまり懲役0年)。この場合自白しなかった方は懲役10年だ。
  • ただし、お前らが2人とも自白したら、2人とも懲役5年だ。
この時、2人の囚人は共犯者と協調して黙秘すべきか、それとも共犯者を裏切って自白すべきか、というのが問題である。 
なお彼ら2人は別室に隔離される等しており、2人の間で合意を形成できない状況におかれているとする。 
囚人A、Bの行動と懲役の関係を表(利得表と呼ばれる)は以下のようになる。
囚人B 協調囚人B 裏切り
囚人A 協調(A 2年、B 2年)(A 10年、B 0年)
囚人A 裏切り(A 0年、B 10年)(A 5年、B 5年)


囚人2人にとって、互いに裏切り合って5年の刑を受けるよりは互いに信頼し協調し合って2年の刑を受ける方が得である。

しかし囚人達が自分の利益のみを追求すると、互いに裏切り合うという結末を迎える。 
これがジレンマと言われる所以である。

このようなジレンマが起こるのは以下の理由による。まずAの立場で考える。

1. Bが「協調」を選んだ場合、自分 (=A)の懲役は2年(「協調」を選んだ場合)か0年(「裏切り」を選んだ場合)だ。だから「裏切り」を選んで0年の懲役になる方が得だ。
2. Bが「裏切り」を選んだ場合、自分 (=A)の懲役は10年(「協調」を選んだ場合)か5年(「裏切り」を選んだ場合)だ。だからやはり「裏切り」を選んで5年の懲役になる方が得だ。
以上、AはBがどのような行動をとるかによらず、Bを裏切るのが最適な選択と言える。
よってAはBを裏切る事になる。

しかし、それはBにも同じ事が言えるので、BもAと同様の考えにより、Aを裏切る事になる。
よって実現する結果は(裏切り, 裏切り)となる。

重要なのは、相手に裏切られるかもしれないという懸念や恐怖から自分が裏切るのではなく、相手が黙秘しようが裏切ろうが自分は裏切ることになるという点である。

このため、仮に事前に相談できたとしてお互い黙秘をすると約束したとしても、それに拘束力が無い限りは、裏切ることになる。

このように、功利的に数学的に考えた結果は、決して生物は利他的に行動せず、お互いが傷つけ合うだけという結果になってしまう。

はて、どこで計算を間違えたのだろう? (´・δ・`)??

(明日につづく)

ライアーゲームはまさにゲーム理論を駆使したもの
デスノもそうだが、頭脳戦は面白い (^-^)


2013年4月22日月曜日

ゲーム理論

数学では1+2の解は3、1つである。

しかし正解が1つとは限らない現象にも数学は活躍している。

それがゲーム理論。

ゲーム理論
相互作用を及ぼしあう複数、又は単独の主体の振る舞いに関して研究する応用数学の一分野。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ゲーム理論

樹木はなぜあんなに大きいのだろうか。

トトロの木

それは、他の樹木が横に繁っていたら十分日光が当たれないために、高いところに葉を付ける必要があるためだ。

しかし、そのために余分なエネルギー(太い長い幹をつくる)を使わなければ、上に出て日に当たれない。

そのように樹木Aが大きくなれば、樹木Bもそれに対抗してより高く伸びなければならず、さらにAも(以下略)

もし、森林を構成する樹木でみんなで会議を開いて、「そんな無駄な軍拡競争はやめて、1メートルの背丈を守って光合成しましょうよ」と取り決められたらどんなにお互い助かることだろう。

このように、生物は他者の振舞い方で自分の振舞い方を変えなければならない。

このような数学を扱うのがゲーム理論である。

人間社会においても

① 軍拡競争
② 安売り競争
③ 防犯装置(盗みをする人がいなければお金をかけて警備会社と契約することもない)
④ 買い占め
⑤ 株(いつ売り抜けるか、他人を出し抜けるか)

などが良い例である。

このゲーム理論が、なぜ生物は一見、利他的行動とみえるような行動をとるのか、という不思議に答えを出してくれる。

(明日に続く)

利己的な行動ならば数式を持ち出すまでもなく分かるが、



2013年4月21日日曜日

こわい漢字(38)「遣」

「派遣社員」の「遣」、つかわす。

この字の「辶」の中の字は、二枚の祭肉を両手で捧げ持つ形。

「辶」は進む、という意味なため、「遣」は二枚の祭肉を両手で捧げ持ちながら進軍する形。


つまり、古代中国殷でのこの字の本義は「軍隊を派遣する」ことだった。

派遣社員も派遣させられる先が戦場(ほんとの意味の)でなくてよかった。


その後、すべてのものに対して「つかわす」の意味として広義に使われるようになった。

さらに日本では
「気を遣う」、「お金を遣う」
などのように「つかう」の意味にも用いられるようになった。


この「遣」に言偏(「言」、神に対して誓う)を付けてできたのが「譴」(ケン、せめる、とが)。

「譴責」のように、過ちを責めるという意味に用いられる。

敵に罰を加えるように、神様に向かってこの祭肉に祈る儀式から来ている。

なので、「譴責」は相手を呪術をもって祈り殺すようなもの (^ ^;

色々と物議を醸しているエヴァQ、ブルーレイ
4月24日発売
お金を遣うのはここw


2013年4月20日土曜日

こわい漢字(37)「追」

今回も


「タイ、シ」と読むこの部首が入っている漢字を採上げる。

前回触れたように、この字は軍隊が出征する際に奉じている二枚の祭肉を表している。

古代中国殷では、二枚の肉を祭ってそれを用いて今後の戦さを占った。



この字が入っている「追」。

この「タイ」に、「ゆく」という意味をもつ「辶」を加えてできている。

逃げる敵をこの二枚の肉を捧げながら追撃するところから、この字が産まれた。



この字は本来は軍事的な意味合いで本来は用いられていたが、その後一般的な「おう」の意味に使われるようになった。

さらに後代に時間的に「おう」の意味に使われるようになり、「追悼」、「追善」のような言葉が産まれた。

警察官が犯人を二枚の肉を持って「追」いかけている姿を想像すると楽しい ヽ(*´∇`*)ノ


大学にも多くの新入生が入ってきた。

「追試」とか余分な試験をしなくてもいいように是非お願いしたい、先生もいい迷惑なので笑

本日Steins:Gate劇場版封切り
浜松と沼津でやるのに静岡でやらない、この不条理な世界線
これもシュタインズゲートの選択か
しょうがなく沼津まで追撃しにいく

生殖細胞は自己チューか? (´・δ・`)??

昨日のがん細胞の話のつづき。

正常細胞の中にもがん細胞と同じ自己チューに見える細胞がいる。

それが「生殖細胞」。

死なない動物はいない。

全ての臓器も個体の死とともに死ぬ。

しかし、生殖細胞のみは、その沈みゆく舟から脱出して次の新しい舟(子供)に乗り込む。

しかし、もともと生殖細胞とそれ以外の体細胞は一つの受精卵から分化したものである。

全ての細胞が死ぬのを嫌がって生殖細胞になりたがったら、動物の形になれない。


それは、染色体や遺伝子においてもそうである。

2本ずつある相同染色体のうち、卵子が形成される時に極体に入るものと生殖細胞に収まるものに分かれる。

極体に入った染色体には未来はない。

染色体が次世代に生き延びるためには、是非とも卵子に入らなければならない。



相同染色体のうち、どちらが生殖細胞に入るかはランダム(確率は半分)だと考えられている。

しかし、マウスやショウジョウバエの場合、「分離歪曲遺伝子」と呼ばれる遺伝子があって、必ず卵子に入ろうとする。

しかも、この遺伝子は生物個体に対してなんら役立つ様な働きをもっていない。

つまり、彼らはなんら生物個体に貢献しない生物を利用するだけの究極の自己チュー遺伝子と言ってよいだろう。

では他の遺伝子はなぜ自己チュー遺伝子の振舞いを許しているのか、もしく自ら自己チューにならないのか。

これらに対して答えはまだ出ていない。

しかし言えることは、一見調和がとれているようにみえる遺伝子達の間にも緊張状態が存在する。

みんな、仲良くしましょうよ (*^ω^*∩

刀語、これから二人の仲の良い旅が続く


2013年4月19日金曜日

利己的な細胞、がん

ある日、体のいろいろな部分がぶつぶつ文句を言い始めた。

「俺たちばかり働かせて、腹はなまけてばかりじゃないか。そのくせ、俺たちがとってきたものを食っていやがる」

そこで手や口や歯や、腹が降参まいった、というまで何にも食べ物をとらないことにした。

しかし、腹がおなかをすかせれば、同時に手や口や歯やも弱っていった。

お腹はお腹で仕事をしていた。

受け取った食物を消化して他の部分に栄養を与えるという大事な仕事をしていたのだ。

かように、一つでも体の臓器のどこかが反乱を起こしたら、生物個体はたちゆかなくなる。

つまり、臓器は自己チューではいけない。

相互扶助(利他的)の精神でいかなければならないと自分も立ち行かなくなる。

個は全体のために、全体は個のために、の精神だ。

かたや自分のことしか考えない細胞が「がん細胞」である。

がん細胞は活発に増殖するために、血管を自分に導き血液から養分を搾取する。

そしてその結果、正常な細胞に肝心な栄養がいき届かなくなる。

それにより、最終的にその生物個体は死ぬ。

もちろん、それによりがん細胞も死ぬ。

利己的に振舞うと、最終的に自分も死ぬということを誰か、がん細胞に教えてあげて欲しい。

要は、細胞は、利己的に振舞わないように遺伝子のレベルで箍(たが)が嵌められており、遺伝子が変異してしまいその箍が外れてしまったのががん細胞だという言い方もできる。


利他的行動に走りたがるものもいる
Fate/Staynight、衛宮史朗




2013年4月18日木曜日

母親と胎児との対立、もっと飯をくれー!

遺伝子が利己的であるならば、その乗り物である生物個体に対しても利己的に振舞うようにコントロールする。

例えば、母親と胎児の関係にしてもそうだ。



母親は自分の遺伝子をもつ子供なんだから、慈しみ大事に育てる筈と単純には考えられる。勿論、本能的にはそうインプットされている。

しかし冷静に考えて、母親からみたら胎児は半分は他人の遺伝子を持っている、遺伝子的に半分他人。

胎児からみても同様で、母親は遺伝子的に半分他人。

遺伝子からみたら、自分が乗っている生物個体が一番可愛い。

つまり、胎児から見たら、母親よりも自分がかわいい。

もし片方が死ななければならないとしたら、どちらも自分が生き残りたいと思うだろう。


胎児はホルモンを使って母親の血液を自分の方に迂回させ、母胎の組織への流れを減少させる。

また、胎児は自分により多くの栄養を回してもらうために、母親の血糖値を増加させようと、胎盤を介して胎盤性ラクトゲンを分泌する。

胎盤性ラクトゲンはインシュリンの働きを阻害する。

インシュリンは血糖値を下げる働きをもつため、つまり、胎盤性ラクトゲンは母胎の血糖値をあげることになる。

そのため、しばしば母胎は必要以上に血糖が増加し糖尿病になってしまう。

それに対抗するため、母親は自分の血糖値が上がりすぎないように、インシュリンをより多く分泌しそうさせまいとする。

しかし欲張りな胎児は血糖値を下げさせまいと、さらに胎盤性ラクトゲンを分泌し、母親も負けじとインシュリンをさらに分泌し、と、とめどない軍拡競争が続く。

このように、仲が良さそうに見えて、栄養を巡って母親と胎児の静かな熱い戦いが繰り広げられている。

そのため、胎児は母親のお腹に寄生したエイリアン(あの怖い映画『エイリアン』の)に喩えられることもある。


ここで興味深いのは、この胎盤性ラクトゲンは父親由来の遺伝子からつくられてくるということ。

つまり、父親は母親から栄養をできるだけ搾取し自分の遺伝子をもつ胎児を大きくしようと企む。

ヒトのように一夫一妻性をもつ動物種はマイナーであり、全体の数%しかいない。

そのため、父親にとって胎児の母親は、ゆきずりの恋をした相手、という存在にしか過ぎず、大事にしたいパートナーでは決してない。

つまり、母親は、父親・胎児の連合軍と戦っていることになる。

このように自分の血(遺伝子)を分け与えた子供にさえ反乱を起こされている母親、ってかわいそう。

せめて、産まれて物心がついたあとはお母さんに優しくしましょう  (^ ^;

仲が悪そうにみえて、実はいい。

2013年4月17日水曜日

利己的遺伝子に「徳」はあるか?

今回から数回にわたり、『徳の起源』(翔泳社、マッドリドレー著)についてみていく。

残念ながら現在絶版だが電子版で読める

このブログで何回も繰返し言及している、

「生物個体は遺伝子の乗り物である」とリチャード・ドーキンスが分かりやすく解説しているように、遺伝子は生物の設計図などではなくて、遺伝子こそが生物の本体である。

その遺伝子は、常に利己的に振舞おうとする。生き残るために。

いや、そのように利己的に振舞えた遺伝子(DNA)こそが、後世に子孫をふやすことができたため、結果的に現在この世に存在する遺伝子は「利己的」という美質をより研ぎすましてきた。

では、と人は問う?

なぜ、そういった遺伝子に操られているはずのヒトが、他人を思いやったり、他人を助けるようなことをしたりするのか。

池で溺れている子供を見かけたら飛び込んで助けようとする。

多くのひとが東日本大震災後に義援金やボランティア活動という形で、被災地の人達を助けた。

そもそも、社会という構造自体が人と人が助け合って成り立っている。

この本の問題提起もまさにそこにある。

遺伝子は「利己的」なんかじゃない!のでは?

ここで結論を言ってしまうのもネタバレ的興醒めなので、その先の結論は伏せておくが、多くの人が感じるそのような素朴な疑問に答えようとしているのが本書。

次からそれをみてゆく。

アニメでは友情という徳は王道

2013年4月15日月曜日

ゲイ遺伝子!

これまでの臭いの話のネタ本の著者、山本大輔さんは動物の恋愛行動に関与する遺伝子の研究者である。

彼は、メスに興味を示さなくなるオスの遺伝子変異を見つけた。

メスに対して興味を失ってしまうため、その遺伝子は「サトリ(悟り)」と名付けられた。

しかし、そのオスは全然悟ってはいなかったのだ。

というのは、実はその遺伝子変異を持ってしまったオスはオスに興味をもつゲイだったのです。

同じ時期にこの遺伝子は米国の研究者によっても「fruitless」(フルートレス、実を結ばない)と名付けられ、残念ながら今はこちらの名前の方が通りがよい。

変異のない正常の「サトリ」遺伝子はオスの脳で働いて、脳をオス化させる。

サトリ遺伝子は転写遺伝子であり、脳をオス化するのに必要な遺伝子の転写を行う。

しかし、サトリ遺伝子が変異してその機能が失われてしまうと、オスであっても脳がオス化できずに、メスになってしまう。


体と脳の性は別々に形成されるため、また、サトリは脳でしかはたらかないため、このオスの体は正常のオスと変わらない。


そのため、いわゆる「体は男だけど心は乙女」というハエになってしまう。

そのために、オスに恋する乙女になってしまう。

サトリのオス達、みんなでつがって楽しそう笑

一方、メスを同性愛者(レズビアン)にする突然変異も見つかっている。

一つの遺伝子が毀れただけで、それでジ・エンドだ。

幸運なことに、ヒトではまだ男性を同性愛者にしてしまう遺伝子変異(それをもっている男子は100%女の子の脳になるような変異)は見つかっていない。

見つからないことを祈りたいが…


ゲイ、これもこの世界線における真実
シュタインズゲートの選択

2013年4月14日日曜日

こわい漢字(36)肉と師匠の関係 (^o^)

肉、二枚を表している字が


字が打出せなかったが、肉の意味をもつ「タイ、シ」と読む

肉だったんだ、この漢字(笑)

古代中国殷では、戦に出軍する時、自軍を守護するために二枚の肉を携えて行った。



この漢字が「師」の元の字である。

「師」は肉に横に刀を置いた形。



軍隊を分けて行動する際には、この剣で肉を切ってその分隊に分け与えた。

この大切な祭肉を切る権限を持つ者が「師」。

今でも軍隊の分団の呼称に「師団」が残っている。

そして、「師」はその後、引率者として「先生」の意味にも使われるようになった。

やっぱり、師はエライ! 師を敬い給え (・∀・)ノ

ついに始まりましたね、このアニメ
絵柄はマイルドになった笑
コミックの絵柄のままじゃあまりにも、だからw

こわい漢字(35)「宰」

主宰者、とは物事を司るものの意であり、「宰相」と云えば国を司る日本で云えば首相、総理大臣のことになる。

「宰」は「」と「辛」からなる。

」は祖先を祭る宗廟のこと。

この場合の「辛」は犠牲の動物を切る大きな包丁のこと。

宗廟で犠牲の肉を宰割するするものは、その家の家老であり、それを宰相と呼んだ。

そのため、「宰」はつかさどる、おさめる、という意味に用いられるようになった。


肉を切る、太刀を振るう者。

そう考えると、一国を司る首相が、時には非常に国民に大長刀を振るうのも本義にあっているということか(苦笑)

沖縄の基地固定化につながる決定をいとも容易く米国と合意する阿部政権の非情さには恐れ入る。

非情にならなきゃできないこともあるっちゃある

2013年4月12日金曜日

ブルース効果は何かに役立ってんの? (´・・`)


昨日の話の繰返しになるが、

ネズミのオスは交尾後に6時間はメスと一緒にて自分の臭いをメスに刷り込む。
それがないと、次にメスが不用意に別のオスの臭いを嗅がされてしまうと、折角交尾したのに、受精卵が子宮に着床できない。

それだけでなく、着床後も別のオスの臭いを嗅がされると流産してしまうこともその後、分かってきた。



では、メスがそのオスの臭いを忘れてしまったらどうなるのか?

それを検証するために、交尾後オスと6時間以上いっしょにさせたメスに神経毒を嗅がせて記憶を消去させた後に、その時のオスをあてがうという意地悪な実験を行った。

その結果、案の定、流産してしまうことがわかった。

つまり、オスのフェロモンを嗅ぐとメスが流産してしまうという反応はデフォルト(初期設定)であり、それが交尾後も一緒にいたオスである場合だけ起こらないように解除される。

ではこのブルース効果の適応的意義、合目性は何か?

オスのライオンが別のオスを倒してそのハーレムを乗っ取って新しいハーレムの主になると、前のオスとの間にできた子供は殺してしまう(ライオンの子殺し)。

これは、その新しいオスにしてみれば当然のこと。

せっかく乗っ取ったハーレムに、自分の遺伝子を持たない子供が育ったとしても全く自分にメリットはないし、逆にデメリットになるだけだから。

というのは、幼子に乳を与えている限りメスライオンの妊娠は妨げられるので、自分の子供をメスに宿すこともできないからだ。

メスにしたら自分の遺伝子を持った子供であるのに、その子殺しを黙って見守っているという話だ(切ない)。

ただ、メスにしても新しい主に早く順応する方がよい。

取り入って、第一夫人の地位を獲得するべく頑張った方が賢明だ。

ネズミの場合も、産んだところで新しいオスに殺される位なら、早めに流産した方がマシ(泣)、というのが、どうもブルース効果の合目性ではないかと考えられている。

悲しいね (;▽;)

『ぼくらの』のうつ展開
悲しいが好き


2013年4月11日木曜日

マジックタイム

オスはメスと違って、メスのお腹から産まれてくる子供が自分の子供であるとは限らない


そのため、一夫一婦制の場合には、つがいのメスに付き添うことによって他のオスが近寄らないようにガードすることになる。

一方、乱婚性の動物の場合には、オスはメスと交尾後に立ち去る。

しかし、あまり早く立ち去ると次のオスがやってきて、メスの受精のチャンスは次のオスにも巡ってくる(メスの膣内での精子競争になる)。

それは先につがったオスにしたら、困ったこと。

そのためには、つがった後にもメスのもとをしばらくは立ち去らないほうがよい、そう受精が完了する間は。

しかし、後から来るオスにとっては指をくわえてるだけかというとそうでもない。

もし、前に交尾したオスがたまたまそこを離れていた場合。

メスが前につがったオスと別のオスのフェロモンを嗅ぐと、受精卵が子宮に着床できずに妊娠が妨害される。

つまり、前のオスが不用意にメスから離れると、後から来たオスが前のオスの精子によるメスの受精を邪魔するというしくみ。

ブルースさんという人が見つけたため、「ブルース効果」と呼ばれる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ブルース効果

案の定、ブルースで画像ググってもプチとかが出てきただけ( ̄▽ ̄;)


ネズミの場合には、オスは交尾後に6時間はメスと一緒にいる必要がある。

そうでないと、メスに自分の臭いをちゃんと刷り込めない。

源氏物語の時代には、日本では男が女の元を夜だけ尋ねるという妻問婚(つまどいこん)が当たり前だった。

夜にでかけて朝方には後朝(きぬぎぬ)の別れ、とやらで帰る。

人間の世界にもマジックタイムってありそう(笑)

アニメの世界ではマジックより魔法そのものが溢れてる

ゲームしないが、魔法使いの夜、よさげです

2013年4月10日水曜日

フェロモンは氏より育ち

では、我々は自分と異なるMHC型のパートナーの臭いを嗅ぎ分けているのだろうか?

もちろん、自分のMHC型の臭いを知らなければ、異なるかどうか分からない。

自分の臭いくらいわかるんじゃね?

単純に考えればそうなる。

それを確かめるべく、下記のような実験が行われた。

ネズミが生まれると、別のMHCをもつ家系のお母さんに育てさせるというもの。

もし、自分の臭いを手掛かりにして、違うMHC型の臭いを判別しているのだとしたら、里子に出されたところで、結果は「ブレない」筈である。

しかし、実際にやってみたところ、結果は、お里の家系の臭いに左右されて、結婚相手を選ぶという興味深い結果になった。

つまり、自分が生まれ育った家庭の臭いで自分のMHC型を判別しているというわけだ。

流石にこれと同様な実験を人間を用いて行うわけにいかないので、まだヒトではどうなっているかは分かっていないが、多分、同様だろう。

氏より育ち!(^o^)/

はたらく魔王さま!
この4月からもブレずにこの路線でいきます!笑



2013年4月9日火曜日

MHC型と流産

前回までのおさらい。

我々(と言っても選ぶのは女子だが)は、フェロモンを手掛かりして、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)型の異なる相手を知らず知らずのうちに伴侶に選ぶ傾向がある(実際に夫婦を調べたところ)。

しかし、このフェロモンを手掛かりによるMHC型の判別は残念ながら万能ではない。

実際に、MHC型の似た者夫婦も存在する。

で、そうなると実際に生まれてくる子供は似た様な(バラエティーの少ない)MHC型の遺伝子しか持たないため病気に弱くなる。

しかし、このMHC型の似た者夫婦にはさらに悪いことがあることが判明した。

それは流産。

それが知られるようになったきっかけは人工授精。

何度人工授精をやっても子供ができないカップルがいて、これを調べたところ、MHC型の似た者夫婦であることが分かった。

その後、自然出産においても、MHC型の似た者夫婦では流産が多いことが分かった。

つまり、MHC型が似ている夫婦は妊娠しにくい。

なかなか、子供ができないというご夫婦は似たもの夫婦過ぎるのかもしれない。

似た者すぐるw

2013年4月8日月曜日

フェロモンは微量で効く!(^o^)/

嗅覚には二系統ある(前回の続き)。

(1)自覚できる臭いを嗅ぐための嗅覚系(嗅上皮嗅覚系)通常の臭い用

(2)自覚できない臭いを嗅ぐための嗅覚系(鋤鼻嗅覚系)フェロモン用


自覚できる(1)の臭いに較べて、自覚できない(2)フェロモンはとても微量で脳に感知される。

これまでに調べられた、ネズミのフェロモン、ファルネセン(思春期を早める)やヘプタノン(発情期間を伸ばす)に関しては、

10の-11乗モルの濃度で感知される(これは数十ピコモルという濃度)。

一リットル中の空気中に0.000000002グラム(2ナノグラム、と言われてもピンと来ない)しか含まれていなくても感じられる。

一方、(1)の自覚できる臭いの方は、

10の-6乗モルというから、その10万倍濃くないと作用しない(臭わない)。

このようにフェロモンは、極微量で相手の脳に働きかけることができる。

それも相手に気付かれずに脳に働きかけ、それによって自分に従わせることができる。

フェロモンが怖いのはそこ (^ ^;

もしかしたら、知らず知らずのうちにフェロモンによって、まるで魔法をかけられたように他者に操られていることがある。

フェロモンの研究がいずれ進めば、他人をフェロモンで自由に操れるようになるのも夢じゃない(笑) (・∀・)ノ

絶テン
途中から毛色が変わった件笑

2013年4月7日日曜日

こわい漢字(34) 自分の名前の漢字の成り立ち「丑」

ここのところ週末に採上げている漢字の話は『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(小山鉄郎著、共同通信社、¥1,050)からのもの。廉価版(¥420)で新潮文庫からも出ている。

とにかく、こわいかどうかはともかく、普段日本人が何気無く使っている漢字が古代中国殷の風習に色濃く立脚しているものであることは知っていて損はない。買いの一冊だ。


この本を読んで、さらに漢字が知りたくなったら、上記の本のネタ本になっている『新訂 字統(普及版)』(白川静著、平凡社、¥6,300)、少々値は張るが、この値段でこの知識量は安い。



自分の名前の漢字の由来くらいは知っておきたいと思うのは、自分ばかりではないだろう。

自分の苗字に使われている「丑」だが、これはこの本を読まなければ死ぬまで知ることはなかったであろう。

これは、丑年とかに使われる「丑」は「牛」とは何ら関係ない由来をもつ。

そもそもが、十干十二支(干支)で使われている漢字は、古代中国殷で干支の制度を作る際に、記号として漢字が選ばれたに過ぎない。

しかし、なぜ12の漢字、子丑寅卯が選ばれたのかという経緯は伝わっていない。
何か理由があるはずだが。

そして、十二支に動物の呼び名を当てるよう(多分より親しめるように)になったのは、殷よりずっと後代の秦の時代。

だから、なぜねずみが「子」なのか詮索しても意味がない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/干支


さて、この「丑」であるが、爪を立ててものを強く握っている手の形。
牛とは全く無関係。


これを知ると、昔から疑問に思っていた、なぜ、「紐(ひも)」の字に「丑」が使われているかも腑に落ちた。


「紐」は組紐のことを指し、指先に力を入れて糸を寄り合わせて組紐に編んだもの。



更には、「鈕(つまみ)」(金属の蓋や印璽の取手部分のつまみ)も、指先に力を入れてつまみ上げるところからきている。

という関連した字までを総体的に理解できる。

今や、様々な電子機器で簡単に漢字が召喚できる世の中になった。

漢字に関して、以前より身近に感じることも可能である。

しばらく、まだこの漢字についてのシリーズも続ける。



最後にアニメを紹介するコーナーも続けるw
春アニメも始動したが忙しくてチェックができていない件


(一応初回だけは見ておく、リストメモ)
断裁分離のクライムエッジ
RDG レッドデータガール
カーニヴァル
はたらく魔王さま!
銀河機攻隊 マジェスティックプリンス
DEVIL SURVIVOR 2 the ANIMATION
惡の華
絶対防衛レヴィアタン
進撃の巨人
機動戦士ガンダムSEED DESTINY HDリマスター
刀語(再放送だけど大好きなので見る)
革命機ヴァルヴレイヴ