2013年11月25日月曜日

裏切り者は許さない!(つづき)

先日のつづき

複数のオスと交尾する女王をいただくミツバチでは、ワーカー同士が監視し合って、抜け駆けで卵を産んでもそれを排除する。

それは血縁度から説明できた。

女王が産んだ弟 > 異父妹の産んだ甥

しかし、この話はミツバチのように女王が複数のオスと交尾するアリやハチの種では成り立つが、女王が一匹のオスとしか交尾しない種類のハチやアリではこれでは説明できない。

なぜならば、妹の産んだ甥の方が女王が産む弟より血縁度が高いから(甥 > 弟)。

そのため、これは群選択説の助けを借りて説明せなばなるまい。

ワーカーが全員、卵を産むようになればコロニー全体の生産性が悪くなり、そのような進化が起らなかったのではないかという仮説である。

恐らくは、ワーカー産卵抑制の原因としてはこちらが大きいと思われる。

さらに疑問なのは、なぜそうであるならば、ワーカーをはじめから不妊にするような進化をミツバチは遂げなかったかである。

ワーカーが不妊なら、最初からワーカーの産卵問題は起きなかった筈。

事実、完全なクローン集団を形成しているキイロヒメアリのワーカーは卵巣をもたず不妊(徹底的に集団内の裏切り行為を抑制しているようにみえる)。

恐らくは、ワーカー(姉妹)が不妊でない積極的なメリットが何かある筈だ。

例えば、女王が死んだときに、ワーカーが代わりをするとか…

なかなかEVAに代わるインパクトのある作品はない

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