2012年5月10日木曜日

男の内面

SRYのオス化スイッチによる男性ホルモンの合成は、外見だけには留まらず、内面(心を司っている脳の働き)も男性化させる。

外形に二型あるように、脳にも二型(オス型、メス型)が歴然としてある。
体にオス用、メス用の体があるように、脳にもオス用、メス用がある。
オスはメスが好きになり、メスはオスが好きになる。
教えられなくてもそのようになっている。

そのような生得的な行動を本能的行動と呼ぶが、これは紛れなく脳にオスメス二型あることを示している。

脳を二型化しているものもホルモンの働きであり、胎児(オス)では男性ホルモンによるまず外形がオス化し、その後脳もオス化する。

外形のオス化と心のオス化の時期のずれているため、うまく男性ホルモンがどちらの時期にも働いてくれないと、外形も脳もオスになってくれない。

性同一性障害で、体は男で心は女、というのは、そのように脳のオス化が正常に進まなかった場合に起こると考えられている。

そのように、胎児側に問題があり男性ホルモンがうまく働かない場合だけでなく、母胎側に原因がある場合もある。母胎からは通常あるレベルの女性ホルモンが送り込まれてくるが、ある種のストレスが母胎に過度にかかり、母胎の女性ホルモンレベルが増加するとより多くの女性ホルモンが胎児に流れ込む。

実は、男性にも男性ホルモンがあり女性ホルモンもある。女性も同様である。
ただし、男性では 男性ホルモン>女性ホルモン
女性では 男性ホルモン<女性ホルモン
なのである。

このバランスが重要だとすると、母胎から過度の女性ホルモンが男子胎児に流入するとへたをすると女性化する危険性が高まる。

生物学的性別が女性で性の自己意識が男性である場合、も同様にある時期胎児中の男性ホルモンのバランスがなんらかの影響で増えために、脳が男性化に傾いてしまったと考えられる。


生物の男と女はかように体も心も定まったものではなく、揺らぎやすいものなのである。


細胞の仕組み、器官のしくみの巧妙をみるにつけ、なぜ、こんな危なっかしいシステムで次世代の子孫が左右されるようなシステムになっているのか不明である。男女に01で必ずきれいに制御されるシステムがなぜ進化の過程で得られなかったのか。


性同一性障害に進化的な合目性があるのか、はたまた、何か裏に隠れたメリットがありトレードオフの関係にあるのか?


ワニのような爬虫類は卵の孵化時の温度でオスメスが決まる。勿論、オスメスになるための遺伝子はあってもそれが温度の影響を受けるのだ。魚類の中には成長の度合いで性転換するものがある。


生物学は合目性を問う、問える学問である。


うつろい易い性の問題はまだ解決されてはいない。





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