2012年5月30日水曜日

染色体上のごみ

生物の研究者(自分も含めて)は、生物は合目的にできているという前提に立って議論する。

何億年もかけて進化してきた今の形、遺伝子に対して、それなりに生き残るのに必要な意味を求めてよいのでは、というスタンスである。

それはある程度正しい態度だと考えている。

しかし、生物は常に変化しているものでもあるという視点も忘れてはなるまい。

人間においても、その進化は非常に微々たるもので気付かれないだけで、我々のこの形が究極の形である訳ではない(つまり、完全に目的に叶ってはいない部分もあるということ)。

現に、ちょっと食べるものが柔らかくなったからという理由で、顎が小さくなり親不知が生えない人が多くなってきている(当方も一本も生えていない)。

このような事例は沢山あり、人間も暫時的に変化している。


前置きが長くなったが、

今回は染色体上にある増殖するゴミの話し。

トランスポゾン、動く遺伝子、というのがゲノム中に存在する。ヒトゲノム中にもある。

それは、どこからか(恐らくはウイルス由来)生物のゲノム中に侵入し、ゲノムを蝕むもの。。

これはある配列をもつDNAなのだが、自分を複製してゲノム中で増殖する。
宿主の形質にプラスになるような働きはしない(完全にないわけではないが)。

働かず、自分はコピーをちゃっかり次世代に残すと言う、いい気な居候のようなものである。

これが、ヒトの場合にはゲノムの40%くらいをこの居候が占拠しているというから、驚きである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/トランスポゾン

もう居候どころか、ゴミである。

一旦増えた、トランスポゾンは減らない。コピーをつくっては違う場所に押し入ってゆき増える一方である。

どうなる、ヒトゲノム!?
って将来が心配になる。

このゴミも進化とかどこかで役立ってんじゃね、的に考える向きもあるが、やっぱり、ゴミはゴミでしょ。

かなりゲノムに負担、迷惑をかけている。
複製の手間だけでなく、こいつが遺伝子部位に挿入されると遺伝子が破壊される!

それを利用して植物では品種改良も行われている(当時はトランスポゾンのことなぞ全く知る由もなく)。


トランスポゾンが移動、挿入されてできた朝顔の新品種。

http://www.shigen.nig.ac.jp/shigen/news/n_letter/2006/newsletter_v2_n3.html

ゴミの日に出せたらいいのだが。。



おー、今回は清々しいくらいアニメが全然絡んでこなかった(笑)

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