2013年2月16日土曜日

怖い漢字(22)「依」霊魂の依り立つところ

今回も衣にまつわる話の続き。

古代中国殷では(この文頭句も板についてきた笑)、衣は霊の宿るところと考えられてきた。

それを如実に表す漢字が「依」。


これは「人」に「衣」がかけられた形。


古代中国殷では特に父祖、祖先を敬った。

生きている間も、そして亡くなった後も。

一方、死んだ父祖の霊魂の方も、古代インドの仏教のように転生もしなければ、地獄や天国にいくこともなく、現世の子孫の周りに居残り、子孫を守護すると考えられた。

それが祖霊。

父が亡くなった際には、息子は父の霊が憑っている着せ掛けられ父祖の霊を引継いだ。

そのため、「依」は霊が取り憑く、よる、の意味になった。


これと同じ発想でつくられた漢字が末裔の「裔」。

「衣」の下の「冏(けい)」は衣掛けの台。

つまり、これは衣を衣掛けにかけて祖霊を祭っているかたち。


そのため、「裔」は「すえ、ちすじ」の意味になった。
人には依って立つもの、依存するものが必要です
UCガンダム、3月2日episode 6



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