「がん」は悪性疾患一般の総称として用いられることが多いのに対して、「癌」は、肺癌・胃癌・大腸癌・乳癌など上皮性の悪性腫瘍のみに限定して用いられ、肉腫や白血病・悪性リンパ腫は含まれない、と使え分けがなされることが多いので(つまり「がん」の方が「癌」より意味するところが広い)、今後は「がん」を使う。
(2)静岡がんセンターの研究(その2):オーダーメイド医療に向けて
がんだけでなく、personalized medicin(個別化医療、オーダーメイド医療、テーラーメイド医療)という方向で医療が進んでいる。
①患者の全ゲノムの配列を調べることの重要性
これまで体質と言われていた個人の遺伝子の違いが薬の効き、副作用の有無の個人差を生じさせていた。
患者の全ゲノムの配列を明らかにすれば、患者にあった薬を処方できるようになる。
②がん細胞の全ゲノムの配列を調べることの重要性
一口に肺がんと言っても、どんな遺伝子が変異してがん化したかは千差万別である。どの遺伝子が変異しているかを知れば、それに対する戦略も定まる。
ゲノミクス(DNAの網羅的解析)はそのために使われ、それを可能にする次世代シークエンサー(DNA配列解析装置)がすでに実用化されている。ただ、まだ医療現場で使用されるまでには至ってはされていない。
(ロッシュ社の次世代シークエンサー、1500万円)
まだ解析における費用も高いが(30万円)、今後値段は飛躍的に安くなる事が予想されている。
静岡がんセンターでは、それを医療に取り入れようと研究している。
DNAシークエンサーの使い道はそれだけではない。
どのような遺伝子ががん細胞で発現しているかということも、がん細胞の個性を調べるのに重要な手掛かりを与えてくれる。
そのために、がん細胞で発現している全RNAを解析しようという試みがトランスクリプトミクスと呼ばれるものである。RNAを逆転写してDNAにして、それをシークエンサーにかける。
まだこちらの取組みは本格化していないが、それを実用化すべく研究は活発化している。
次回はこのシリーズの最終回、がん免疫治療について。
静岡がんセンターでは、それを医療に取り入れようと研究している。
DNAシークエンサーの使い道はそれだけではない。
どのような遺伝子ががん細胞で発現しているかということも、がん細胞の個性を調べるのに重要な手掛かりを与えてくれる。
そのために、がん細胞で発現している全RNAを解析しようという試みがトランスクリプトミクスと呼ばれるものである。RNAを逆転写してDNAにして、それをシークエンサーにかける。
まだこちらの取組みは本格化していないが、それを実用化すべく研究は活発化している。
DNA配列が同じでも、その細胞から同様な遺伝子が同様なレベルで発現しているとは限らない。
(我々の体細胞も全て同じ遺伝子をもっているが発現している遺伝子は違う)
(我々の体細胞も全て同じ遺伝子をもっているが発現している遺伝子は違う)
つまり、DNA配列だけをみても細胞の個性は分からないということだ。
そのためにも、トランスクリプトミクスのがんへの応用は急務だ。
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