ヒトはチンパンジーと500万年前に分岐して、その後独自の進化をとげたが、その中でも二足歩行が知能の発達を促したと言われている。
しかし二足歩行を始めたおかげで、さまざまな困難な問題に直面した。
その一つが、内臓がずり落ちてこないように骨盤の内輪を狭くする必要が生じた。
しかしそのためにまたまた困ったことが起こるようになった。
骨盤の内輪が狭くなると、その間を赤ちゃんが通り抜けるのが大変になる。
ヒトは動物の中でも非常に難産である。
ヒトは動物の中でも非常に難産である。
母親としては、元気のよい大きな赤ちゃんを産みたいのはやまやまなれど、あまり胎児が大きくなると出産に大変になるため、母親は胎児が大きくなり過ぎるのを抑制している。
ちなみに、ギネス記録では1955年にイタリアで生まれた男児の10.2 kgが出産時最大の赤ちゃんである。
(老子)
老子はかなりのマザコンだったらしく、胎内に70-80年もいて老人として産まれたらしいが、その出産風景は想像したくない。
2つめの理由として、その後も出産しなくてはならない母親にとって、一人の胎児に過度の投資をする訳にはいかない。
一方、胎児からしてみれば、自分は大きくなりたい。その後の生存率にも響いてくる。
母親の投資が自分の後に産まれてくる弟か妹にとっておかれるより、「自分にもっと投資してよ、お母さん」、なのだ。
(本当はあまり大きくなり過ぎたら自分も出産時にやばくなるのに、それには思い至らないのか?)
(本当はあまり大きくなり過ぎたら自分も出産時にやばくなるのに、それには思い至らないのか?)
では、肝心の父親はその母親と胎児の争いにあって、どちらに加担するのだろう。
残念ながら、遺伝子本位の考え方に立てば、父親が子供の側につくことになる、のは明白である。
父親にとって、次に母親(現在の伴侶)が産む子が自分の子である保証はない。
一夫一妻制をとらない動物であればなおさら、次にメスがまた自分とつがってくれる保証はない(犬や猫、熊など)。
そのため、今母親が身籠っている自分の子(胎児)ができるだけ大きな子になるように願う。
一夫一妻制をとらない動物であればなおさら、次にメスがまた自分とつがってくれる保証はない(犬や猫、熊など)。
そのため、今母親が身籠っている自分の子(胎児)ができるだけ大きな子になるように願う。
つまり母親は、胎児・父親連合と戦っていることになる。
それを裏付けるように、胎児がもつ遺伝子のうち、父親由来の染色体の遺伝子と母親由来の染色体の遺伝子で発現が違う例として、成長ホルモンの遺伝子がある(ネズミでの研究)。
父親由来の成長ホルモンの遺伝子は活発に読み取られるのに対して、母親の方は読み取られない。
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