2012年6月21日木曜日

大きくてもねぇ‥‥

昨日のつづき


胎児はできるだけ大きくなろうとする。近縁種に比べても大きい。


あの巨体のゴリラはさぞかしりっぱな赤ちゃんを産むのだろうと想像するが、さにあらず。


ヒト(日本人)

成人体重(女性)50 kg
出生時体重   3 kg

ゴリラ     
成獣(メス)  80100 kg
出生時体重   1.8 kg

出産時の胎児を対母親の体重比で言うと、ヒトはチンパンジーに比べても約2倍程度大きい。


この点、胎児・父親連合軍は母親に勝利している。

一方で、近縁種の受精後の妊娠期間を比較すると

チンパンジー 230日
ゴリラ    260日
ヒト     260日

と大差ない。

このことは、ヒトの胎児が進化の過程で、極めて効率よく母親から栄養分を搾取して大きくなるシステムを獲得したことを示す。
ここでも、胎児・父親連合軍の大勝利といったところ。

追いつめられた母親としては、これ以上子供が大きくならないうちに産まなければならない。


事実、出産時の子供の死亡率はチンパンジーやゴリラに比べてヒトではかなり高く、ヒトの母親の難産は限界に来ている(昨日の骨盤の形状の問題もあり)。


このようにヒトの胎児の特徴としては

1. 出産時に大きい
2. 早く大きくなる


しかしより目を引く特徴として


3. 未成熟な状態で生れる


(エヴァより、胎児化したアダム)


つまり、ヒトの胎児は体重の増加は速いものの完成度は低い

ゆっくり仕上げる、といった感じ(丁寧に丹精込めて作られていると思いたい)


まるで、生物界のサグラダ・ファミリアである(いつ完成するんだ!?)。






この未熟という特徴も、胎児と母親との争いがもととなっている。


(次回につづく)

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