2012年6月2日土曜日

静岡がんセンター見学リポート

昨日、静岡東部の長泉町にある静岡がんセンターを見学してきた。

癌に深く関わるTOR、RAS、DNA修復、アポトーシスの基礎研究している者として、実際に癌患者さんと日々接して、癌の治療に全力で当られている方々のお話を伺いたかった。

富士のお膝元にあってとてもよい立地条件にある。
長泉町は医療に力を入れていて、人口も地価も増加している。


草彅剛主演の『37歳で医者になった僕』(フジテレビ系 火曜日10時)でのロケ地にもなっている。
(このドラマのような頼りない医局ではありませんとの病院総長弁)



元国立がんセンターに勤務していた山口建総長は高松宮妃の侍医も努められた方。
安定感抜群、といった方。



地方のがんセンターとしてはベッド数、治療法、と言い、図抜けた規模と先端性を誇っている。
一台数億円もする陽子線療法の機械も3台ある。
(通常のガンマ線等の放射線と違い、陽子線は体の奥深くの腫瘍に届かせることができる)

それだけではない。

高松宮妃から感銘を受けたと言う「和の心」、「もてなしの心」を医療現場に取り入れて、患者のために、その家族のために、というコンセプトのもと、そのつくりは患者、家族本意。

医学的治療は癌医療の一部分と言い、全人的なケアを病院で取り組んでいる。

落ちついた雰囲気、豪華なホテルと見まごうばかりのロビー、談話室。

病院特有の臭いを消すために香りにも気をつかっている。
薔薇の花が庭一面に植わっているが、薔薇の香りがそれにも利用されている。



癌治療の現状を意見交換会の際に教えていただいた。

現在、生涯に癌にかかる割合は男性で1/2、女性で1/3。

そして、現在の癌の治癒率は60%だと言う。
この60%の治癒は手術と放射線治療によるもの。

癌はまだ(癌と診断された患者の)40%は助からない病気なのだ。
要は癌が転移してしまうとどうしても治せない。

現在使われている抗癌剤は全てこの転移してしまった患者さんに処方されるものだと言う。
現在使われている抗癌剤は、延命治療にはなるが、癌細胞を撲滅するには至らない。

がんセンターには病院に研究所が併設されていて、そこで未来の癌治療のための研究が行われている。

それについては明日のリポート後半で。

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