2012年6月17日日曜日

大野乾博士とカネゴン

折角なので、昨日紹介した故大野乾博士について。


日本が誇る進化生物学者は、大野乾と木村資生(もとお)の二人。
(木村資生の中立進化説はいずれまた)

(大野乾)

http://ja.wikipedia.org/wiki/大野乾

彼は遺伝子重複による偽遺伝子の出現や、遺伝子重複による進化を予言した。


女性の間期の細胞の核には男性の細胞核にはない「バー小体」という構造がある。



この正体は2本あるX染色体の片方の不活性化したX染色体の矮小化した姿(Xi)である。
活性化している方からは活発に遺伝子が転写されるので、こちら(Xa)はほどけた状態になっている。
Xaに比べてXiのDNAは間期の核内で縮こまった繭のような状態として観察される。

これを突き止めたのも大野。

(ウルトラQよりカネゴンの繭からの誕生)


彼は鋭い洞察力を持った優れた思索家であって、姿形の異なるXとYの性染色体はもともとは同一の相同染色体(常染色体)であることを当時いち早く見抜いた。


大野のその他の多くの業績についてはいずれ。

1 件のコメント:

  1. 突然に申し訳ありません。日本大学の早川智と申します。2020年3月12-13日に市ヶ谷で大野乾先生没後20年記念シンポジウムを市ヶ谷の日大桜門会館で開催いたします。Art Riggs, Keiichi Itakura、Takashi Gojobori,Yoko Yamaguchi他
    お弟子さんが多数来日され、私他日本の弟子も話します。お時間があればおいでください。

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