なぜかというと、泳ぐ際に体毛は水の抵抗を受けて邪魔だからだ。
水泳選手が脱毛処理するのも同じ理由。
でも水の中は体温よりずっと温度が低い。
体毛を持っていた方がよいのでは?、と思うかもしれないが、服を着たままでも冷たい海に落ちれば体温が奪われて死ぬように、水中では体毛の保温効果はほとんど期待できない。
その代わり水棲哺乳類では、皮下脂肪を厚くして体温を奪われるのを防いでいる。
石油が取れる前には、クジラから鯨油(皮下脂肪)をとっていた。
そのくらい、皮下脂肪をたくさんクジラはもっている。
このように、水中哺乳類は水中生活に適応するよう、毛を失って皮下脂肪を厚くしたのだ。
はて、このクジラと似た陸棲哺乳類が身近にいたような、いなかったような。
あったような、なかったような。。
そう我々人類である。猿は厚い皮下脂肪はもっていない。
アフリカで進化したヒトの祖先は、体毛を失うことで熱いアフリカでも体温を効率よく下げることに役立ったのではないか、という説が有力だった
しかし、以前このブログでも紹介したように、熱いアフリカで相変わらず他のお猿さん達は毛を失っていないし、動物で毛を剃る実験をしたら逆に直射日光を浴びて体温があがってしまった。
毛を失っている陸棲哺乳類はヒトの他にはカバ、ゾウ、サイ、ブタの類いだけだ。
実はこれらの動物も化石から全て太古、水中生活を送っていたことが明らかになっている。
ヒトだけが例外というわけではあるまい。
つまり、ヒトも太古水辺で暮らしていたのでは?? とエレイン・モーガンは言う。
ヒトの場合、多くの水棲動物同様に皮膚と皮下脂肪が一体化している(ブタもそう)。
それに対して、ウサギやイヌや多くの動物では、皮膚は皮下組織から完全に離れていて、皮を剥く時もするりとむける(お猿さんも同じ)。
タイタニックでも客船から冷たい海に落ちた場合、女性の方が皮下脂肪を持っているため断然有利である。
そう、ジャックは死ぬべくして死んだわけだ。脚本家の意地悪ではなく。
人間の進化に貢献した(らしい)皮下脂肪、万歳! と言わせてもらおう。
タイタニック
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