2012年11月25日日曜日

白川静による漢字の成り立ち「取」

白川静(男性です)は漢字の成り立ちを甲骨文字から洗い直した第一人者である。

http://ja.wikipedia.org/wiki/白川静

中国古代殷の時代、甲骨文字として突如漢字は現れた。
それは神と人間との対話、占いに用いられた。

殷は占いにより政治を行う国家であり、そのため多くの生贄が捧げられていた。
殷墟からは沢山の首のない人骨が出土している。

現代の感覚で言えば、結構恐ろしい成り立ちの漢字が多い。

例えば、右手を洗わす「又」。


これに、「耳」がつくと「取」になるが、これはもともと、戦争で敵兵の耳を切り落として、何人敵をやっつけたかの証拠にしたことに由来しているという。
その行為を「馘耳(かくじ)」と言った。首切りのことを「馘首(かくしゅ)」というように。



もっとも耳を多く集めた者を「最」と呼んだ。

これは戦場で切り取った耳を袋に詰めている形である。


「撮」の元の字が「最」。
「撮」も切り取った耳を摘み持つという意味が字の始まり。


これらは『白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい』(共同通信社・小山鉄郎)による。

よく思うのだが、小学生にこの成り立ちを教えたら、インパクト強過ぎて記憶に鮮明に残るだろうけど、漢字が嫌いになりそう。


漢字の好きな人にはお薦めの入門書。



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