2012年11月5日月曜日

鉄と病原菌

慢性の結核患者はしばしば血液中の鉄分のレベルが低下する。

医者がそれが結核を悪化させているのではないかと鉄分を与えたところ、さらに患者の結核菌の感染が強まってしまった。

我々が鉄を栄養素として必要としているように、細菌も鉄を必要としている。

多くの病原菌は、鉄がリミットになっていて生体内での生育が抑制されている。

地球温暖化を防ぐために、海に鉄分を巻いて藻類を大繁殖させて光合成を活発に行わせてCO2を減少させようという計画も、鉄がリミットになって藻類が繁殖できないことをその根拠にしている。


(Fate/Unlimited Codes、リミッターを外して戦おうか笑)


結核患者の血液中の鉄分低下は菌の増殖を抑えるための、体の防御応答とも考えられる。
風邪を引くと熱が出て、それでウイルスの増殖を抑えようとするのと同様に。

母乳には細菌に感染しないように抗体が入っているのは有名だが、鉄をしっかり結合して離さない(キレートという)ラクトフェリンというタンパク質が20%も含まれていてそれも菌感染を防ぐのに貢献している。

片や、牛乳にはラクトフェリンはたったの2%しか含まれていないので、この点に関しても母乳で育った赤ちゃんの方が感染症にかかりにくいということになる。

母乳万歳!






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