2012年11月30日金曜日

うつ伏せ寝、乳幼児突然死症候群


それと乳幼児突然死症候群(SIDS)も喉頭の後退と関係が深い。

以前のブログでも触れたが、ヒトの場合にも生まれたての乳児はサルと同様に喉頭は口に近い位置にある。そのため、鼻で息をしながら口でおっぱいを吸える。大人は食べ物を呑み込みながら呼吸できない!

http://ushitaka7.blogspot.jp/2012/11/blog-post_2.html

しかし、乳児が育ってゆくに従って喉頭が喉の奥へと下がってゆく。

その結果、今までできていたことができなくなる。
つまり、それまで無意識にできていた呼吸を意識的に(といっても自転車に一旦乗れるようになったらまた無意識にできるようになるが)やらなければならなくなる。

1990年くらいまでは、吐いた物が喉に詰まりにくい、という理由で日本を含め先進国では、うつ伏せ寝が推奨されていた。
またうつ伏せ寝だと赤ちゃんの頭の形が変形しないと喧伝されていた。


喉頭が下に落ち切らない中途半端なその時期に赤ちゃんがうつ伏せ寝させると、口蓋垂(のどちんこ)が気管の入口に嵌り込んでしまってそれが窒息死をもたらす。

しかし、死後に赤ちゃんが抱き上げられ動かされると喉頭から口蓋垂が外れてしまうので解剖しても死因が分からない。

乳幼児突然死症候群はヒトの特殊な喉頭によるもので、他の哺乳類には見られない。


うつ伏せ寝と乳幼児突然死症候群の関連が1986年に指摘されると、西欧で赤ちゃんを仰向けに寝かせようというキャンペーンが行われた。

その結果、イギリスでは1994年には5年間で乳幼児突然死症候群による死亡が70%も減少した。

うつ伏せ寝は一時の間違えた奨励だった。

ずっと何百万年も人類によって続けられてきたことを、ある医者のちょとした思いつきで変更してもいいことはないという好例だ。


こうやって、日がな一日寝ていたい、のだが。。






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