2012年7月18日水曜日

ミトコン(6)飯をくれー!

活性酸素(ROS)によるダメージから逃げ出すため、ミトコンドリアから遺伝子は核へ移ってゆく、という話しを前回した。

多くの真核生物がいるが、ミトコンドリアDNAを全て捨て去った生物はいない。

つまり、ごく僅かの数であってもミトコンドリアが遺伝子を持っていることが、細胞として何か有利なことがあるということが窺い知れる。

ミトコンドリアが何かタンパク質を新しく合成したい時、ほとんどの遺伝子が核にあるため、核にお願いしなくてはならない、僕のためにタンパク質を作って送って下さい、と。

たとえるならば、お腹をすかせてご飯をくれー、とミトコンドリアは核に向かって声をあげなければならない。

(Fate/stay nightより、ミトコンドリアが飯をくれー、というイメージ)

しかし実は、細胞中のミトコンドリアは均一でない。


ROSによるダメージを多く受けているミトコンドリアもあれば、そうではないものもある。

核が、ダメージを受けたもの、そうでないもの、それぞれのミトコンドリアのタンパク質合成のニーズをそれぞれに応じて叶えるのは難しい。

どのミトコンドリアがお腹をすかせてご飯をくれー、と声を上げたのは核には分からない。

そのため、核としては取りあえずミトコンドリアからニーズがきたらそれに答えて、全てのミトコンドリアに同様にタンパク質を供給することになる。
ミトコンドリア側からしてみれば、核からは画一的なタンパク質の供給しか受けられない。


そのため、それぞれのミトコンドリアがある程度裁量をもって振舞うためには、キーになる重要なタンパク質に関しては自分で遺伝子を保持していた方が便利である。

例えば、電子伝達系の遺伝子をミトコンドリアは手放していない。
やっぱ、ミトコンドリアにとって電子伝達系は心臓部なのだ。

零落した貴族が最後の最後まで手放さなかった家宝という感じか。
もしくは学生がお金に困っても手放さなせなかった最後のフィギャー、ってか(笑)

(セイバー)

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