それを受けて生徒から受けた質問。
では、テロメラーゼを発現している生殖細胞ではどのようにがん化のリスクを回避しているか。生殖細胞にはがん化しない特別なからくりがあるのか?
もしそれがあるなら、体細胞でもテロメラーゼを発現させて不死化させて、さらにそのからくりも同時に持ち込めばがん化させなくすることが可能なのではないか?
その答えを先に言うと、
生殖細胞には次の3つの特徴があるため、どうもがん化しにくいらしい。
(本には書かれていなかったので専門家に訊いた)
1. DNA変異の起こりにくさ
2. DNA修復能力の高さ
3. 細胞死による変異細胞の除去能力の高さ
*ここで大事なのは、テロメラーゼの発現は、細胞の不死化およびがん化の必要条件ではあるが十分条件ではない。
生殖細胞でできるのならば、体細胞も生殖細胞並みに、DNA修復能力の高さ、細胞死による変異細胞の除去能力の高さをもつことはできそうだが、そうなっていないという事実は、体細胞はがん化しないように目一杯がんばっている訳ではなく、耐久年数を考えたらこんな程度でいんじゃね、とがん化の抑制に手を抜いていることを示唆する。
*DNA変異の起こりにくさに関しては、細胞の活動度に比例した活性酸素の発生によるDNAへのダメージもあり、生殖細胞並みに下げることはむずかしそう。
それが証拠に、寿命が長い動物程、体細胞でがん化しないように、防御機構が頑張っている。ヒトより寿命の短いマウスの細胞はがん化しやすく、長生きのクジラはがん化しにくい。
つまり、やればできる子なのにやらないだけなのだ。
生殖細胞はさすが、大事にされている。
それに比べて体細胞は所詮、使い捨てか(トホホ)というのが結論である。
(エヴァ新劇場版で開始早々やられたエヴァ5号仮設機)
使い捨てキャラもストーリー展開には必要だけどね。。
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