(3)子育てに困難を伴う場合。
父親が死んでしまったのに子が生れてしまった。まだ上の子が幼いのに赤ちゃんが産まれてしまって養育する力がない。
その場合には、すでに投資して育っている子よりは産まれたばかりの子を殺す方がこれまでの投資が無駄にならない。
加えて、乳幼児の間がそれでなくても病気等死ぬ確率が高いために、まだちゃんと育つかどうか分からない嬰児の方が不確定要素が高い。
母親の労働が苛酷な社会ほど双子の片方を殺す傾向が認められている。
日本でも最近まで双子は畜生腹と言われ忌み嫌われ、片方が捨てられたりして闇に葬られてきた。
そのような迷信は双子の片方を殺さざるを得なかった母親の心理的負担を軽くしたであろうか。
まだ経済基盤がなく年齢が若い母親の方が嬰児殺しの頻度が高いのも当然か。
理由はそれだけではない。
若い母親ほど「残存繁殖価」(死ぬまでに何人子供をもうけることができるか)が高い。
とすると現在の子供を捨てようとする心理的傾向は年をとるほど下がることになる。
それに加えて、若い母親の場合に結婚をする前に子供ができてしまうことがある。
そのような時に父親となる筈の男性からの育児援助が期待できない場合には嬰児殺しが高まる。明らかに未婚女性による嬰児殺しは高い。
0 件のコメント:
コメントを投稿