2013年3月20日水曜日

暴力的にさせる程度の能力、をもつ遺伝子

昨日のつづき

男性を同性愛者にしてしまう遺伝子というと、そんなのあるの?と首を傾げる人がいる。

人間の子が人間に生まれるというように、形態に関してはそれが遺伝することは自明のように認められる、のに対して、性格が遺伝する、という話になると、「それホント?」と眉を顰める学生がいる。

親の性格が子に遺伝する、そんなことはないと思っている。

つまり、自分の性格なり、思考は自分がはぐくみ、育てたものであると、と楽天的に考えている。

しかし、それは半分は合っているが、半分は間違っている。

性格のすべてが全てが遺伝子で決まる訳ではないが(環境的要因もあるから)、ある遺伝子をもっているから、性格がそのような傾向になるという遺伝子は数多く見つかっている。

最初に人間の行動の遺伝子として発見されたのは1993年の「暴力遺伝子」。

この症状は「ブルンナー症候群」

http://en.wikipedia.org/wiki/Brunner_syndrome

これは家族性の病気で、原因遺伝子がわかってみると、脳内の神経伝達物質の一つセロトニン(精神を安定させる働きをもつ)などを分解する酵素、モノアミンオキシダーゼの遺伝子のDNA配列が、病気をもっている人では一つの塩基(ATGC)が変化していたために、酵素が働けなくなっていた。

それによって、セロトニンなどの神経伝達物質の濃度が通常よりも高くなってしまったために、そのような暴力的行動を引き起こすのであろうことが、分かってきた。

所詮、人間の感情、思考は神経細胞の伝達経路のやり取りで起こる電気パルスに還元できる。

神経伝達物質が異常であれば、神経細胞同士の連絡がうまくいくいかなくなり、正常な思考、感情が産み出せなくなる。

この遺伝子はX染色体上にある。

男性はX染色体を一つしか持たないために、この変異した劣性遺伝子をもったX染色体が1つ男の子に渡ってしまうと、即発病してしまう。

一方、女の子の場合には、X染色体を2本もつために、異常な遺伝子をもつ染色体が両親のどちともから受け継がれる確率は極めて少ない。

そのため、「ブルンナー症候群」はその家系の男性だけに見られる。

バーサーカーさん、Fate/Zero、アイリ相談室
狂気は人を強くする(笑)

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