2013年4月19日金曜日

利己的な細胞、がん

ある日、体のいろいろな部分がぶつぶつ文句を言い始めた。

「俺たちばかり働かせて、腹はなまけてばかりじゃないか。そのくせ、俺たちがとってきたものを食っていやがる」

そこで手や口や歯や、腹が降参まいった、というまで何にも食べ物をとらないことにした。

しかし、腹がおなかをすかせれば、同時に手や口や歯やも弱っていった。

お腹はお腹で仕事をしていた。

受け取った食物を消化して他の部分に栄養を与えるという大事な仕事をしていたのだ。

かように、一つでも体の臓器のどこかが反乱を起こしたら、生物個体はたちゆかなくなる。

つまり、臓器は自己チューではいけない。

相互扶助(利他的)の精神でいかなければならないと自分も立ち行かなくなる。

個は全体のために、全体は個のために、の精神だ。

かたや自分のことしか考えない細胞が「がん細胞」である。

がん細胞は活発に増殖するために、血管を自分に導き血液から養分を搾取する。

そしてその結果、正常な細胞に肝心な栄養がいき届かなくなる。

それにより、最終的にその生物個体は死ぬ。

もちろん、それによりがん細胞も死ぬ。

利己的に振舞うと、最終的に自分も死ぬということを誰か、がん細胞に教えてあげて欲しい。

要は、細胞は、利己的に振舞わないように遺伝子のレベルで箍(たが)が嵌められており、遺伝子が変異してしまいその箍が外れてしまったのががん細胞だという言い方もできる。


利他的行動に走りたがるものもいる
Fate/Staynight、衛宮史朗




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