2012年8月13日月曜日

ミトコンドリア(22)ゲノム同士の戦い

心中ものが江戸時代に流行った。

一人で死んだら自殺になるが、二人で死ねば心中と名が変わる。

一人では心細くて死ねない男が花魁(おいらん)に心中をお願いするという『品川心中』という話しが落語にある。ネタバレになるので話しの筋立ては話せないが、心中を持ちかけられた花魁もたまったものではない。

アポトーシス時には、ミトコンドリアから漏れ出てくるendoGが核のゲノムDNAを切り刻んで息の根を止める。これは象徴的である。

ミトコンドリアが宿主細胞のDNAを殺害する。

これは、太古、ミトコンドリアが宿主細胞のゲノムを攻撃していたことの証拠である。

endoGの核ゲノム攻撃は、細胞からミトコンドリアゲノムだけが排除されるのを避けるシステムなのかもしれない。ミトコンドリアは常に活性酸素によって傷ついていて、ゲノムごと失われる危険性に常に曝されている。
もし核がそれを見過ごして助けなければ、ミトコンドリアはアポトーシスという手段を持って報復する。まるでどこぞの国の核兵器のような最終兵器であるが、アポトーシスも使わなくても持っているだけで脅しにはなる。

(エヴァより、精神攻撃を仕掛けたアラエル)


実は、酵母は発酵で生きられるため、ミトコンドリアDNAが完全に失われて呼吸ができなくなっても細胞としては生きていける。

しかし、これはミトコンドリアDNAからしてみれば裏切りである。
宿主細胞のDNAが生き残ってミトコンドリアDNAが消し去られるようなことは断じてあってはならない。

ただm酵母でもミトコンドリアDNAを失った細胞は、成長が悪化するために、自然界では細胞はいずれ競争に負けて消滅する運命にある。酵母でさえ、核ゲノムの一人勝ちは有り得ない。

(Qではアスカの一人勝ちの予感)

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