2012年8月24日金曜日

ミトコン(31)赤ちゃんはなぜ赤いの?

ミトコンドリア内膜の内外でつくられる水素イオン(プロトン)の濃度勾配(エントロピー)がATP(化学エネルギー)をつくることになるのだが、ATPにならないものは熱(熱エネルギー)になる。
およそ7:3の割合でATPと熱になっていっている。

実は我々哺乳類での体温を維持している熱のほとんどは、このミトコンドリアから発生する熱である。

熱を発生させる場合には、このプロトンを直接通す穴を形成するタンパク質があり、それをプロトンが通ることでその際に熱を発生させる。例えれば、水力ダム発電で水を落とす際にタービンを回さずにそのまま水を落として熱に変えてしまうようなもの。

(京都ノートルダム女学院、ダム女)

そのような働きの高い細胞が褐色脂肪細胞である。
褐色なのはミトコンドリアに含まれるチトクロムのせいである。

要するに、褐色脂肪細胞が多いとミトコンドリアのエネルギーがATPにならずに熱に無駄に使われることになる。



「無駄に」と言ったが、これを積極的に利用しているのが赤ちゃんである。

赤ちゃんの体温は高い。これは体積が小さいために冷えてしまわないように積極的に発熱しているということと、代謝を高めるために体温を多少高めに設定しているため。

そのために、褐色脂肪細胞は赤ちゃんに多く、それで発熱を可能にしている。
それでお酒も飲んでいないのに、酔っ払いのように赤ら顔をしているので「赤ちゃん」なのだ。
赤ちゃんは動けないので、動いて発熱することもできずに大変なのだ。



ダイエット業界では、この褐色脂肪細胞がダイエットに使える(余分なエネルギーを燃焼させてしまう)、と盛んにPRされている。商魂たくましい。

(コードギアスより、褐色脂肪細胞の多そうなヴィレッタ)




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