2012年8月22日水曜日

ミトコン(29)ミトコンドリア老化仮説

ミトコンドリアDNAの変異が年齢とともに蓄積することで

①ミトコンドリアの働きが衰えATPがちゃんとつくれなくなる。
②活性酸素が発生しやすくなり、細胞にダメージが加わりアポトーシスを引き起こす。

これが老化、加齢病を促進しているとするのが「ミトコンドリア老化仮説」である。



なかなかこれを直接的に証明することは困難である。

前回も書いたように、老化とミトコンドリアDNAの変異の両者に相関はあるものの、どちらが原因であるかはそれだけでは不明である。

しかし、これを直接証明しようという実験がなされた。

変異型のうまく働けないDNA修復酵素(ミトコンドリアDNA用)をマウスに導入したところ、このトランスジェニックマウスでは、果たしてミトコンドリアDNAの変異が促進され、それに伴って老化が促進され、寿命が短くなった。

しかし、この実験でも、健常なマウスやヒトで本当に老化の主な原因がミトコンドリアDNA変異の蓄積であるかは不明である。

この実験で言える控えめな結論としては、ミトコンドリアDNAに過度の変異が蓄積されると老化が促進されるということだ。

え? これで証明コンプリートっしょー!?

と思った人はいないだろうか?
(以下次号)

(Steins:Gate、ダル「ミッション、コンプリート!」)



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