2012年8月17日金曜日

ミトコン(26)男は死んで!

ミトコンドリアDNAだって、核DNAのいいようにはされたくない。

自分が生き残るためには卵子に入り込まなければならない。

人の場合には、生まれた時に男女に分かれる、いわゆる雌雄異体。

片や、カタツムリは雌雄同体。植物でも、ご存知の通り、一つの花の中に雄蘂と雌蘂が同居したり、一つの株の中に雄花、雌花をもつ雌雄同体が多い。

イネを初めとする多くの植物で、ミトコンドリアDNAは「細胞質性雄性不稔」と呼ばれる現象を引き起こし、雄蘂(花粉)を選択的にアポトーシスで殺して、個体にメスの生殖細胞だけに投資させようとする。
これは農業では由々しき問題のため、研究が進んである。

ニック・レーンは、性の分化に伴ってミトコンドリアDNAが切り捨てられるのを阻止するためにアポトーシスを発達させたと考えている。

しかし、核ゲノムも対抗手段としてこのミトコンドリアの反逆を押さえ込むような遺伝子を新たに獲得したり、とミトコンドリアゲノムと核ゲノムの戦いは今も続いている。

我々動物においては細胞質性雄性不稔(例えば、オス、もしくは精子を積極的に殺す)はあまり顕著ではないものの、ミトコンドリアが原因で精子が生殖能力を失う病気が知られている。



気付かないところで、ミトコンドリアは男性に辛く当っている。
女性ばかりになったら、ミトコンドリアも困るのに。。

(女性ばかりでも戦乱の世はあるらしい)

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